スクールカーストを超えて
インドでは古来、カーストという身分制が存在している。
バラモン(司祭)、クシャトリア(武士)、ヴァイシャ(平民)、シュードラ(奴隷)の4つの身分で、それは生まれによって決まる。カーストは、社会に、ある種の秩序をもたらしたが、閉塞感を与え、自由を束縛する鎖となった。
学校にもカーストに似た序列が存在している。
教育評論家 森口朗さんによって提唱されているスクールカーストである。
スクールカースト(学級内ステータス)はコミュニケーション能力の高さによって決まる。コミュニケーション能力は、自己主張力、共感力、同調力の総合力である。
クラス内での序列が低ければ低いほど、いじめ被害者になるリスクは高まる。しかし、現代のいじめは、クラス内でどういう序列にあろうとも被害者になってしまう。
学校内にはいじめという鎖が張り巡らされ、子供の自由を束縛しているのだ。
釈尊は、人は生まれではなく、思いと行いによって貴賤が決まると語り、カースト制を否定した。そして執着から放れ、清らかな利他の思いで生きること、慈悲の心を説き、世の光となった。
子供たちが、いじめという鎖から解き放たれるためには何が必要であろうか。
いじめをなくすには、いじめ加害者をなくすことだ。スクールカーストでは、共感力が低く自己主張力と同調力の高い者は、残酷ないじめ首謀者になり得るという。そして共感力と自己主張力が低く同調力の高い者は、その手下となるおそれがある。
つまり、いじめをしないためには共感力が必要なのだ。
共感力とは、言いかえれば、「同悲同苦の心」である。涙する者に寄り添い、同じように悲しみ、同じように苦しむ心である。それは慈悲に通じる。
日本人の心の底には慈悲の心が眠っている。
3・11の際に大阪難波の献血施設は、被災地の方のために超満員の順番待ちだったという。海外のメディアも震災時の対応について日本の国民はミラクルだと驚嘆していた。
私たちは、本当は、この国からいじめをなくす力を持っている。
2012年も悲しむべき事件が続発した。私たちは多くの子供の悲しみに本当に共感できていただろうか。
その心こそがいじめ問題解決の鍵となるのだ。
担当:守矢 光児

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教室内カーストの著者・鈴木氏の研究では、カースト上位の条件として、共感力は必要ないとしています。
これは、自分も実感しています。
逆に、カースト上位グループの全員が共感力にあふれる人間になれば、カースト制は実質なくなると考えます。
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