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☆★ 命を守る絵本の力 ★☆ 

200930 絵本2

☆★ 命を守る絵本の力 ★☆

 芸能人の自死という痛ましいニュースが続いている。コロナによる社会状況の変化、心の健康状態の悪化との関連も取りざたされるようになっている。命の問題について、これまで以上に注意を寄せる必要がある。

200930 絵本「カーくんと森のなかまたち」_ 「カーくんと森のなかまたち」という絵本がある。心の病気の専門家によって監修されていて、ホシガラスのカーくんの変容を描いた美しい物語である。

 カーくんは他の鳥たちとの比較して、「ぼくはぼくでいることがつまらない」と自分の存在に自信をなくしてしまう。
 やがて「ぼくなんか、いてもいなくてもいいみたい。もうだれもいないところにきえていってしまいたい」と思うようになる。
 このセリフは、今を生きる多くの子供の心情と重なる。そして不幸にも命を絶つ子供も少なくない。

 絵本の中ではカーくんが森のなかまたちの支えによって、自分の価値に気づいていく。

 描かれている鳥たちの姿は眺めていると人間の姿と重なってくる。
 絵本には「こんなの、森じゃないよ。森からは、昼も夜も、いろんな音がきこえてくるのに。いつもだれかの声がしているのに」というセリフもある。コロナ対策で、給食時間には前を向き私語が禁止されている教室の姿が重なってくる。

 絵本の中には、いつだって、愛や夢、友情や正義がある。
 教室から、仲間との絆を深め、支えあうという機能が奪われている今だからこそ、絵本の中に大切なものを探しに行くことも必要であろう。互いに支えあい、愛あふれる世界にしようと努力する人々がいれば、救える命もあるだろう。
 愛あふれる世界にするために、まずは心に愛を満たそう。絵本にはそんな力がある。

 守矢 光児


 

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[ 2020/09/30 21:00 ] メッセージ | TB(0) | コメント(0)

◆◇ 人が人を支えるということ ◇◆ 

200912 ススキ

◆◇ 人が人を支えるということ ◇◆

 以前、私は社会人1年生の男性から「いじめ相談」を受けました。その方のお話を聞くと、どうやら「いじめ」の被害があったのは、中学生時代のことです。

 クラスで発言力のあるリーダー的な男子同級生から、日常的にくりかえし、暴言、どつき、性的なからかい、カバン等を壊す、などはもちろんのこと、人格を否定するような言動を繰り返され、不登校になってしまったというのです。
 当時、担任の先生に相談したものの、いじめが終わることはなく、結局、うやむやのまま卒業することになったということでした。

 彼自身は、中学時代の不登校期間がダメージとなって、希望の高校や大学に行くことができず、その後、たいへん苦労したとのこと、精神的に不安定になり、人間関係に自信が持てず、どうしても、中学生時代の苦しい思いがよみがえってしまい、「毎日が苦しい」と言います。
 ようやく、見つけた社会人としての仕事もうまくいかず、心身ともに疲れ果ててしまい、苦しいという胸のうちを聞きました。

 一方で、加害者の男性は、世間一般から見れば、恵まれた環境の中で、比較的エリートの大学に通い、有名企業に入った、と地元の友人から聞いたというのです。

 彼の主訴(しゅそ)は、いじめの被害で僕の人生はこんな目にあっているのだから、相手を訴えて、謝罪させ、被害弁償をしてもらいたいというものです。聞くと、弁護士には既に依頼して相談に乗ってもらっているということでした。
 「では、なぜ、NPOボランティアである私に相談を持ち掛けるのですか?」と聞くと、言葉をよどませながら、「実は・・・・」と困っていることを話してきました。

 「どうしても納得できず、しかも考えれば考えるほど悔しいし、怒りも収まらないし」ということで、中学時代のいじめ加害者の就職先の会社に手紙を送りつけ、彼がどんなにひどい人間か、どんなにひどいことをしてきたかを書いて送ったというのです。
 その結果、こんどは自分が訴えられて、警察沙汰になり、さらに裁判所に呼ばれたけれど、納得がいかず、行かなかったので、欠席裁判をされて、こちらが慰謝料を払うことになった、ということでした。その時点で、先の弁護士さんから、もう相談にのれないと断られてしまった、とのことでした。
 つまり、どんなに道義的に観て、いじめ加害者が悪くて、相談者が気の毒であったとしても、世の中の常識的な部分で、相談者は加害者に負けてしまったというわけです。

 本当は、「いじめ解決は初動が命!」なのですが、今となってはどうしようもありません。

 ここまで聞いて、私には、カウンセラーとソーシャルワーカーとして、2つの道が頭に浮かんできました。
 ひとつは、心の問題としてとらえ、「アンガーコントロール」、怒りをコントロールし、平静心を取り戻し、生活を取り戻しましょう、「リフレーミング」、あなた自身の心と向きあいましょう、過去の人生を第三者の目で見る、さらに別の角度から見てみましょう、前を向いて、あなた自身の人生の目標をもって進んでいきましょう、などの励ます方法です。

 けれども、今回は、相談者の「気になる点」を考慮して、もう一つの方法を選びました。ソーシャルワーカーとしての解決です。
 心の問題も大事ですが、相談者はすぐに行動に出てしまうタイプなので、具体的にどのように対処して問題を解決したらよいのか、その方法を一緒に考えました。

 「まだ、何をすべきなのか相談する余地は残っています。納得しがたくて、民事裁判を起こしたいと思うのであれば、訴訟ができるかどうかという視点も含めて、弁護士に相談する必要がありますよ。」

 相談者は、被害に関する資料など何も準備していないようなので、
「そのために、これまで受診してきた病院の診断書とか、お金を払った領収書、明細書とか、中学時代の日記とか、友達からもらったメールとか、そのようないじめ加害者から受けた被害を証明できるような物証など、集めることもできますか。」
 「また、法務局の人権擁護委員会に相談するとか、手立てはあるかもしれません。」

 このようなお話をして、その方のお住いの県の弁護士会、無料相談会、人権擁護委員会などの住所や連絡先をホームページで調べて、具体的に情報を提供させていただきました。

 それから、私は、彼に大事な約束をしていただきました。
 まず、「期限を切る」ということです。具体的にいついつまで、「〇月×日」までやってみる。できなければ、あきらめる。費やすお金は、いくらまで、それ以上で、払えないなら、提訴をあきらめる、ということです。

 また、同級生に証言を頼んでも良いけれども、もう社会人なので無理強いはしないこと、相手の時間をうばわないこと。
 同級生と電話やメールでつながることは、うれしいことですから、もし、つながって、相手の生活ぶりや進路を聞けたら、それだけでも良しとして、いじめのことを覚えていないなら無理に聞かない。
 いじめのことを覚えている人から、協力してもらえるなら、協力してもらう。
 そして、必ず、
「声が聞けてうれしかったよ。今、元気にがんばっていて、すばらしいね。これからも友だちでいてもいいかな。」
と相手に感謝し、相手が学校や仕事、そして良い人生を送っていることを祝福する、そういうことを忘れないようにする、ということです。

 彼は、まずは法務局人権擁護委員会へ行ったようですが、「弁護士にも相談した」と言ったら、「現在、係争中の方の相談に応じかねます」と断られたと報告してきました。
 彼は、裁判のための資料を集めてみると言っていました。

 その後、ぷっつりと連絡は途絶え、もうすっかり忘れ果てたころ、ショートメールがきました。
「友だちと会いました。みんな『〇〇が悪い、(あなたは)がんばれ』と言いました。ありがとうございました。」
 はたして、相談者がいじめ被害による慰謝料請求裁判にもちこめたのか、それとも、社会人になって大人の判断ができるようになった同級生たちから、癒されていって、心の整理がついたのか、それはよくわかりません。

 しかし、心の整理をつけ、一歩前に進んだことは間違いありません。毎日が苦しいと言っている中で、昔の同級生たちと会って、「何か」をつかんだのだと思います。
 その「何か」とは、「人生のさけがたい不幸の中に見つけた悟り」と言っても良いのだろうと思います。私は、仏陀の「からし種」の教えを思い出しました。(注) 彼から、人生を再出発することの大切さを教えてもらいました。

 ただ、このケースもそうですが、気をつけていただきたいのは、「いじめ相談は早めにしないと解決に結びつかない」ということです。
 前述したように、「いじめ解決は初動が命!」なのです。
 いじめの早期発見、早期相談が、解決に結びつきます。このことを知ってほしいと思います。

社会福祉士、精神保健福祉士
元保護観察官
前名古屋市教育委員会 子ども委員SSW
現福祉系大学 講師 堀田利恵

(注)「からし種」の教え
 自分の小さな息子を亡くした母親が、釈尊のもとに行き、「お釈迦様の持っている神通力でもって、生き返らせてください。」と嘆願しました。
 釈尊は、「では、生き返らせてあげよう。いまだ死者を出したことのない家から、からし種をもらってきなさい。」と答えたのです。
 母親は、町を尋ね歩きましたが、死者を出したことのない家は、どこにもなかったのです。
 すると釈尊は、「死者を出さない家というのはないのだよ。どのような人でも、必ずこの世を去っていく。」という話をし、それが縁となって、母親は出家して、釈迦教団に入ったと伝えられています。

 

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[ 2020/09/12 21:30 ] メッセージ | TB(0) | コメント(0)

★☆ SNSでのいじめ相談 島根県の取組み ☆★ 

200822 朝顔

☆SNSでのいじめ相談 島根県の取組み☆

 昨年2月に島根県議会に陳情し、その後も継続して開設を呼びかけていた、LINEによるいじめの相談窓口が、島根県教育委員会によって、2019年8月29日~9月12日までと、2020年1月5日~1月19日までの2回、計30日間、「ツナガルSNS相談」として開設されました。

 これは、文部科学省の「SNS等を活用した相談体制の在り方に関する調査研究」事業に参画したもので、島根県内の全公立高校及び特別支援学校高等部の生徒たちを対象にLINE相談を受け付けました。

 その結果、第1回目は431件、第2回目は320件の相談が、子どもたちからで寄せられました。一方、同期間の電話相談は第1回目の期間には26件、第2回目の期間にはわずか6件でした。

 このことから、改めて必要性を感じ、今年2月の島根県定例議会に、LINEによる相談窓口を常時開設すること、中学生まで対象を拡大することなどを新たに陳情しました。
 陳情について、島根県議会は「趣旨採択」としました。「趣旨採択」とは、陳情の趣旨については十分に理解できるが、財政事情等から願意をそのまま実現することが困難な場合などに、「採択」できないが、「不採択」ともしないで、「趣旨には賛成である」という意味の議決をすることです。

 そして、陳情の趣旨が実効化されて、今年度は「しまね子どもSNS相談事業2020」として、島根県教育委員会は、2020年7月5日~10月10日までの98日間、LINEを活用した相談窓口を設置しました。
 前年度と比較して開設日数は3倍以上に増え、対象も中学生や私立学校の生徒にまで拡大して実施されることになりました!!
 しかも、前年度は文科省支援事業に参画する形でしたが、今年度は島根県として独自に予算が組まれたということも大きな前進だと思います。

 新型コロナウィルス感染防止の影響で、家庭内DVなども増えていると言われています。ますます子ども達の心のケアが大切になっているこの時期に、LINE相談窓口の充実は朗報であると思います。

 島根県の電話相談窓口は毎日開設されていますが、前述のとおり、今の子どもたちは電話が苦手なため相談が難しい状態です。
 子どもたちからの相談のハードルを下げる、SNS相談という取り組み、もっと多くの子どもたちからの声を聴くためには、毎日、相談を受け付けることが必要です。
 これからも「常時開設」に向けて活動を継続していきたいと思います。

 いじめの早期解決に向けて、ご相談を受けています。
 お子さんのことでご心配なことがありましたら、ご遠慮なくご相談ください。

いじめから子供を守ろうネットワーク
松江代表 いじめ相談員 村松 利恵


 

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[ 2020/08/21 20:07 ] メッセージ | TB(0) | コメント(0)

◆◇ 心にマスクをつけないで ◇◆ 

200721 マスク生徒


◆◇ 心にマスクをつけないで ◇◆

 「中国」発新型コロナウィルスは、学校にも大きな影響を与えました。

 本年2月27日(木)夕、急遽発表された「休校要請」。
 「4日後の3月2日(月)から春休みまで、全国全ての小、中、高等学校、特別支援学校に休校要請する」というもので、土日をはさむため、2月28日たった1日で対応するしかありませんでした。保護者や子供たちへの連絡、休校中の課題の作成、卒業式の対応などなど、本当にてんてこまいでした。全国の先生方は頑張られました。
 ニュースを見ていると、3月いっぱいで廃校になる小学校では、子供たちが、「春休みになるまで、1日1日毎日、皆で思い出を作ろうとしていたのに」と、突然の休校に涙する姿に心がつまりました。

 3月の卒業式は何とか挙行されたものの、保護者の方は来場できませんでした。在校生の参加も許されず、来賓の臨席もない状態で行われるケースがほとんどでした。生徒や保護者、先生方も含めて、大変残念に思ったことと思います。

 新年度に入っても自粛は続き、4月当初からの授業は行えず、5月下旬に「緊急事態宣言」が解除になり、感染予防対策を講じながら、順次、再開されたのですが、6月ころからの授業再開となった学校が多かったように思います。勉強の遅れを取り戻すために、今年の夏休みは大幅に短縮されます。
 学校では、児童・生徒、先生方のマスク着用、消毒、換気などの措置がとられ、部活動においても「集密」「接触」のあるものは、今でも自粛を要請しております。

 私が非常勤で勤めている高校でも、生徒・職員全員「マスク着用」です。当然、教師は授業もマスク着用で行います。長く話していると、息が苦しくなることもしばしばです。
 私のいる学校はいわゆるマンモス校で校舎も複数あり、授業のために離れた校舎まで移動することも頻繁にあるのですが、マスクをかけたまま急いで移動して階段を上っていると、汗が吹き出し息もあがってきます。
 生徒たちも1日中マスクをかけているのは大変だろうと思います。

 部活動も徐々に再開されていますが、コーラス部や演劇部のような声を出す部活は今も自粛のままです。美術部ではマスクをかけたまま絵を描いているなどマスク着用で活動しています。
 柔道部やラグビー部のような「集密」「接触」のある運動部は、我が校にはありません。野球部やハンドボール部、女子ソフトボール部等は屋外で活動しており、屋外ですのでマスクは外しています。

 外を歩いていても、学校にいても、誰もがマスクを着用しているので、お互いの表情が分からず、とまどう場面が結構あります。
 学校では同じ制服を着た生徒たちがマスクをかけているので、ちょっと離れると誰が誰だか見分けがつきません。ついつい呼び間違えてしまうことさえあります。
 マスクの色や形も様々ある中で、人と人との心理的距離が遠くなったように感じます。

 気心知れた人ならばともかく、そうでない人の場合は顔の半分くらいを覆っているマスクのために、その人の表情が見えず、不安になることがあります。
 通勤中でも電車の中でふと目があってしまって、何か怒られるようなことをしたかな、などと考えてしまうのです。
 心理的距離感が遠くなってしまっているように感じます。

 日本中が新型コロナウィルスの感染を恐れ、恐怖心にとらわれている状況のように見えます。
 このような中だからこそ、大切なことは「コミュニケーション」だと思います。コミュニケーションをとるための第1歩は、TPOにもよりますが、基本的には挨拶を心がけることです。「こんにちは」の一声で、距離が少し近くなるとように感じます。
 大きな声を出す必要はないので、「こんにちは」と軽く言って笑顔で会釈するなど、人間関係の基本である「挨拶」を心がけることで、ギスギスした空気が和らぐことがあります。マスクをしていても、不思議とこちらの思いは伝わりますし、生徒も挨拶を返してくれます。

 学校の先生方も児童・生徒の皆さんに、このようなときだからこそ「挨拶」の励行を指導していただきたいと思います。
 「心にマスクをするな」ということです。
 心にマスクをして、心理的巣ごもり状態になるのではなく、笑顔で挨拶しあうことで、いじめも防げるのではないでしょうか。

元公立高校校長 清川 洋


 

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[ 2020/07/21 23:07 ] メッセージ | TB(0) | コメント(0)