◇ 事務長メッセージ ◇◆ 教育の無償化を考える ◆◇ 

171012 学校図書館

◇ 事務長メッセージ ◇
◆◇ 教育の無償化を考える ◆◇


一昨日10月10日、衆議院選挙が公示されました。
今回の選挙では、教育問題も争点の一つとしてあげられており、各党が、教育の無償化を訴えています。

これは、教育にかかる家庭負担を解消するためだと思われますが、教育の無償化は、様々な問題を抱えていると思います。

教育の無償化は、お金のない家庭にとっては、高校や大学への道が開け、人材の育成に役に立つ面はあると思います。
しかし、無償化により、学校間の競争がなくなり、教師も生徒も、向上を目指さない、堕落への道を歩むことになる危険性を持っています。
教育の荒廃が起きてくるのです。
子供たちはというと、「親なんか、いてもいなくてもいい」 という考え方になり、「親不孝のすすめ」 になってしまう可能性があります。
これでは、無償化の意味がありません。

結局、教育の無償化というのは、「学校に行くことが出来る」 ということしか考えておらず、学校に入ってから、どうするのかという点が、考慮されていないのです。
ここで考えなければならないことが、「教育の質」 の問題です。

「教育の質」を考える時、もう一つ問題点があります。
今、教育現場は、教師への過度な負担が大きな問題になっているのです。
文部科学省が4月に発表した調査では小学校教諭の約3割、中学校教諭の約6割は時間外労働が、労災認定基準で使われる 「過労死ライン」 に達していたそうです。
また、月平均で比較すると、昭和41年度は、およそ8時間だったものが、平成18年度は、およそ42時間と、5倍以上に増えています。特に、土日の部活動の指導時間は、ここ10年で2倍にもなっています。
子供たちの人数は減っていますし、教える内容も減っているのです。
これは、本来の教師の仕事以外の、何か無駄な仕事が、つくられているのではないでしょうか。
たとえば、教師の質の向上で、研修が行われているようですが、研修後の報告書の作成が大変で、研修で学びを得るよりも、報告書で時間を取られることの方が大変で、何のための研修なのかが疑われているという話も聞きます。
どこか、今の教育システムに問題があるように思います。

一方、教師のモラルも問題になっています。連日のように、教師の不祥事が報道されています。
いじめ問題でも、教師が加担していたり、反対に、全く無視して、いじめ問題から逃げていたりしています。

このような状況では、子供たちが、本当に安心して学校生活を送ることが出来ません。まず、この 「教育現場の質」 を向上することが、急務だと思います。
器にものを入れることよりも、器をしっかりさせなくては、ものを入れることは出来ないのです。政府も、この器づくりである、教育現場の質の向上に力を入れてもらいたいものです。

教育現場の質の向上は、いじめ問題の撲滅につながっていきます。
私たちも、強く訴えていきたいと思います。
皆様のご協力をお願いいたします。

いじめから子供を守ろう ネットワーク
事務長 丸山秀和


 

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[ 2017/10/15 17:00 ] メッセージ | TB(0) | コメント(0)

◇ 事務長メッセージ ◇◆ いじめ解決に目を向けて ◆◇ 

170928 学校教室

◇ 事務長メッセージ ◇
◆◇ いじめ解決に目を向けて ◆◇


今月12日、文部科学省が、平成31年度を目標にしていた全公立小中学校へのスクールカウンセラーの配置を、1年前倒しにする方針を決めたという報道がありました。
その報道によりますと、29年度に2万6千校に配置されたスクールカウンセラーが、30年度には2万7500校に拡大されるということです。

文部科学省の言うスクールカウンセラーとは、児童生徒の心理に関して、専門的な知識を持つ専門家で臨床心理士などを指します。
学校への配置は、週1日4時間が基本で、貧困・虐待対策では週1日追加する重点配置も行うということです。
文科省の担当者は 「子供は悩みの背景に複合的な問題を抱えている。幅広い知見を持つカウンセラーが教員と連携することで、教員には相談しにくい悩みを引き出すことが期待できる。」と話していますが、週1日4時間だと面談の事前予約で埋まってしまうというのが現実で、担当者も 「今後は時間的な厚みも増やしたい」 と話しているとのことです。

いじめにあった子供たちに対して、心のケアをするというのは、とても大事なことだと思います。
その点においては、スクールカウンセラーの配置は効果があるかと思います。
しかし、スクールカウンセラーを配置しただけでは、いじめは解決できないということを、知っていただきたいと思います。

いじめは、いじめ加害者に、いじめを止めなさせなければ解決できません。
そして、そのいじめ解決に一番の障害となっているのが、動かない教育現場なのです。
いじめ問題の相談をしても、
・いじめとは認めない。
・話は聞くが、何の対策もしてくれない。
・モンスターペアレンツ扱いをして、話を聞かない。
・何事もなかったと隠蔽する。
実際にこのようなことが起きています。

文部科学省もこういった現場に、もっと目を向けてもらいたいと思います。
動かない教育現場に困っている人たちに対して、相談の窓口を開設する。
調査員を派遣し、実態を調査する。
現場を指導し、いじめ解決に対して、誠意を持って対応するようにする。
このような部署を、文部科学省が作れないものかと思います。

本来であれば、学校に対しては、教育委員会がこういった役目を果たさなければならないのですが、教育委員会も学校と同じように動かない場合は、文部科学省がその役目を担う必要があると思います。
あの取手のいじめ自殺事件も、文部科学省が出てきたことによって、学校も教育委員会もいじめを認めました。
これが教育現場の実態です。だからこそ、文部科学省の力が必要なのです。

私たちも、シンポジウムやセミナーなどを活動を通して、文部科学省に提言していきたいと思っております。
皆様のご協力をお願いいたします。

いじめから子供を守ろう ネットワーク
事務長 丸山秀和


 

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[ 2017/09/28 12:20 ] メッセージ | TB(0) | コメント(1)

◆◇ ネットいじめ解決法②(学校編) 「道徳心を育てる教育プログラムの授業」 ◇◆ 

170923 サルビア畑

◆◇ ネットいじめ解決法②(学校編)
「道徳心を育てる教育プログラムの授業」 ◇◆


【前回まで】
 中学2年生のグループでSNSいじめが起きました。関わっているのは、ドラえもん、のび太、ジャイアン、スネ夫、しずかちゃん、できすぎくん、そして、転校生のちびまる子ちゃん。(その子たちのイメージをマンガのキャラクターにあてはめて表記しています)。
 SNSで、ちびまる子ちゃんが仲間外れにされてしまいました。いじめの首謀者は、なんと「しずかちゃん」。
 さらに続いて、スネ夫がいじめの標的にされました。PTA役員のスネ夫のママが気づき、学校にいじめを通報しました。
 校長、教頭はじめ教師たちが連携していじめ解決に取り組み、いじめは収まりました。


 前回は、リーダーシップのある校長先生のもと、理想的な学校のいじめ対応をお示ししました。トップダウン式で組織の規律性が高く、チーム学校として取り組むことができる、加えて、自由にモノが言える機能が、その学校にはありました。

 けれども、実際は、このような学校はめずらしいのです。
 学級崩壊やいじめ事案が起きると、担任教諭が抱え込んで、周囲が支えきれずに、バーンアウトしてしまい、ついにはメンタルで休職してしまう、そんな光景が全国のあちこちの小中学校で起きています。解決は単純ではなく、様々なジレンマを抱えていることが多いのです。

 今回は、トップダウン式ではなく、ボトムアップ式の解決についてお話をすすめます。

〇いじめ問題は、さまざまな対立構造軸の内にある
 ある学校でも同様な事件が起きました。 ここでは比較のために、先の学校と同じキャラクターをあてはめてみます。
 ちびまる子ちゃんは、いじめを受けた後遺症から今も保健室に登校しています。

 ある日、しずかちゃんのお母さまから学校に苦情が入りました。
 「うちの子がいじめの加害者だという根も葉もない噂が、他の学年にも飛び火しているんです。妹の同級生の親から、その噂をSNSで聞かされました。私は子どもを信じています。なんとかしてください。」
 しずかちゃんの家は地元の議員と血縁で影響力があります。

 しずかちゃんは言いました。
 「たしかに、私のほうに非がある表現をSNSでしてしまったのは事実です。その点は、先生を通じて謝罪しました。(まる子ちゃんが「会いたくない」と言うので)。けれども、その子の言葉の受け止め方にも問題があると思います。」

 優等生のしずかちゃんの言い分には、一見、説得力があるようにみえます。
 しかし、自己中心的な見方をして、開き直っています。いじめを受けた相手側はどう感じているか、何がつらいのかなどの、相手の気持ちへの思いやりや配慮がありません。

 このクレームをきっかけにして、教員の意見も分かれました。
「本当に、学年集会まで開いて指導すべきことだったのか」
「心の弱いまる子だけの個人的な問題だったのではないか」
「まる子の家庭的背景が影響していたのではないか」・・などなどです。
 実は、先生同士の力関係の構造もあって、正しいことを言う先生の意見が必ずしも通るわけではありません。

 とうとう担任は休職してしまいました。若い副担任が担任になり、何も事情を知らない非常勤講師が教室のサポートに入ることになりました。
 すでに噂が噂を呼び、保護者の間でも大きくもめてしまいました。

 こんなときに「緊急介入」として、私は学校に呼ばれたのです。
 自信を無くした管理職、目がうつろな学年教師団、涙を流す新担任。それだけではありません。まる子ちゃんのお母さまからSOSも入っています。悪い噂をお母さんネットでも流され、地域で孤立しているようです。
 学校は、PTA役員から、「保護者会を開いて、事実関係を明らかにするように」と要請を受けていました。保護者の一部が市の教育委員会に連絡をし、校長は説明を求められています。

〇教師同士のピア・サポート(仲間の支援)、全体を底上げするプログラムへ
 問題解決のためにはキーマンを決め、そのキーマンをサポートする体制が必要です。
 私は校長と方針を話し合いました。そして、最優先で支える人を定めました。新担任です。若いがバイタリティがあります。

 校長先生と担任が信頼を寄せているベテラン教員を、学年を超えてサポート役として、ピア・サポート体制の基盤としました。
 公式ではなく、インフォーマルな関係で差し支えありません。担任が、いつでも井戸端会議風に相談にのれる体制と機会をとったのです。

 この結果、教師団が徐々に本来の落ち着きを取り戻していきました。

 また、地域事情、兄弟姉妹関係にも熟知している、別のベテラン教員をチーム内に入れることを提案し、学年とクラスに利害関係のない教員も含めた先生方で、学年、クラス・アセスメント(情報を収集・分析し、解決すべき課題を把握すること)を行いました。

 ブレーン・ストーミング方式(注)で会議を行うと今まで気が付かなったアイディアが豊富に出てきました。そのため、この良い空気のまま、コアメンバーを中心にして、教職員全体にミーテイングを広げました。そして学校全体が自信を取り戻すことができました。

 このような手法を「エンパワーメント」といいます。先生方に本来備わっている力量を引き出していく方法です。

 本来、授業が命の先生方です。
 「クラスを立て直し、道徳心を生徒たちにどう持ってもらいたいか」という話し合いの中で、「中間層の生徒たち、のび太君たちが、きちんと『正しいことを正しい』と言えるようになることが大切なのではないか。」という、集団維持に大切な視点の意見が出てきました。
 教員同士が信頼関係でつながったように、クラス全体を底上げし、生徒同士の信頼関係を回復し、正しい道のりを歩んで行くことを目標にして、教師が導いていこう、という方向づけがなされました。

 先生方がよみがえったのです。そこで、智慧のつまった「道徳心を育てる教育プログラムの授業」について本格的に話し合いました。

〇コンセンサスづくりから真実の信頼関係へ、そして公開「道徳」授業でネットの闇を一掃すること
 SNSについては、規制派と積極的活用派に意見が分かれ、この意見を中心に議論が重ねられました。
 インターネットは便利です。最新の知識を手軽に手に入れられ、時間の効率化を促進します。善用すれば、教育効果が上がり、成績も向上し、効率的な仕事力を持つ人に育ちます。民間電話会社に依頼すれば、講師が学校に来てくれて、「誤解されない言いまわし」「ダサくない言いまわし」を学ぶことができ、自分への「シカト」や「いじめ」を防止し、グループからのけ者にされないテクニックを身につけることができます。

 しかし、一方で、過去の報道にあったように、SNSいじめ自殺事件の真実の原因となった、「美しさや優秀さ、特技などを持った他人への『嫉妬心』をどう克服するのか」は教えてくれません。
 スマホを中断し、いったん置いて、「自制心をもって勉学を続けることの大切さ」も教えられません。

 道徳心が無ければ、「人から見られていなければ、いくらでも陰でコソコソと卑劣なことをしても構わない」、「バレなければ何でもしていい」と思う子が育ちます。
 そして、表面的に社交的な言葉が使え、一見、格好いい文を書ける子がリーダーとなり、深いところで邪悪な心を持った人に育っていきます。大人になると、自分では手を染めず、トラップ(わな)をつくって、他人をはめる、そして、それを他人に実行させる、そういう悪魔の所業をするかもしれません。

 私も身近で実際に、そのような大人を見てきました。頭の良さを、自己保身や他人を軽蔑するために使う人には共感はできませんね。

 本来の道徳教育とは、「自制心」「克己心」「平常心」を教え、「謙虚さ」や「感謝」に価値を求め、創造性のある未来へ希望を持って拓いていくことのできる人物を育てていくことなのです。

 最終的にまとまった、授業の重点ポイントは
・スマホを置いて静かな時間を持てるような自制心を育て、良書に親しむこと
・相手に伝わらない、自己中心的な話し方から、相手の立場に立った思いやりのある話し方へ変化を促していくこと
・道徳心を高める意義ある授業を、エビデンスのある効果的な手法で行い成果を出すこと
この3点で集約されました。

 そして、大切なのは、
・教師のだれもが手の届く授業を最初にモデルとして示すこと。
・スーパーマンによる解決ではなく、普通の教師がコツコツと努力して向上し、
周囲と相談しながら問題を解決していけるような授業の工夫を示すこと。
 この智慧ある「道徳心を育てる教育プログラムの授業」を示すことになったのです。

 「いじめのないクラスを目指して」その真髄を示さねばならないのです。と同時に、さまざまな悪評や噂を一掃しなくてはなりません。
 したがって、この授業は、完全公開性の授業参観の形で行われることになりました。教育委員会の幹部たち、しずかちゃんのお母さま、スネ夫のママ等PTA役員、まる子ちゃんの祖父母、他のクラスの保護者も誰もが見ることができる公開授業です。

 一週間後の授業に向けて、ご案内のお便りが生徒を通じて各家庭に出されました。
<③に続く>

村崎 京子(仮名)
元教員、精神保健福祉士、社会福祉士、教育委員会スクールソーシャルワーカー

(注)ブレーン・ストーミング
会議のメンバーが、自由に意見や考えを出し合って、すぐれた発想を引き出す方法。


 

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[ 2017/09/19 20:25 ] メッセージ | TB(0) | コメント(0)

◆◇ ネットいじめ解決法③ (学校編) 「道徳心を育てる教育プログラムの授業」 ◇◆ 

170923 愛知県人権ポスター1
【写真】 公開授業中に黒板に貼ったポスター
愛知県人権啓発ポスター(平成25年度)
個別課題ポスター(インターネットと人権)

◆◇ ネットいじめ解決法③ (学校編)
「道徳心を育てる教育プログラムの授業」 ◇◆


【授業の目的とは、そして精神的支柱の確立を】
 前回は、ネットいじめなどのSNSによる問題を防ぐための 「SNS活用教育」 が必要であること、そして、そのためには 「道徳」、「心の教育」 が必須であると述べました。
 その授業の核には、教員同士のピア・サポート体制 (仲間の支援)、コンセンサスづくりが重要であるとも述べました。

 具体的な授業の要点としては、
① スマホを置いて静かな時間を持てるような自制心を育て、良書に親しむこと
② 相手に伝わらない自己中心的な話し方から、相手の立場に立った思いやりのある話し方へ変化を促していくこと
③ 道徳心を高める意義ある授業を、エビデンスのある(効果が実証された)効果的な手法で行って成果を出すこと
 この3点に集約され、加えて、先生方の話し合いの結果、どの教師にもできる授業、「自分で考えて判断できる子」 を育てるという視点も加味されることとなりました。

 ①の「自制心を育て、良書に親しむこと」 については、「日本と世界の偉人伝」 を中心とした 「朝読書」 をすることとなりました。
 「中学生で偉人伝とは?」 という意見もありましたが、ただ読むだけではなく、人としてのアイデンティティの確立や社会貢献マインドの育成のため、どうして尊敬されるのかを考えさせることや、最近では津田梅子など女性が主人公の偉人伝も増えてきていますし、吉田松蔭、リンカーンなどが後世に残した影響を考えさせることになりました。
 国語、数学、理科、社会、美術・・・それぞれの科目の先生方から、時代背景や考えるヒントが出されました。

 ②の 「相手の立場に立った思いやりのある話し方へ変化を促していくこと」 については、その基盤づくりとして、週一回、クラスの中で、「友だちの良いところさがし」 (構成的グループエンカウンター) を行うことになりました。
 これは、心を開く人間関係づくり、自己肯定感を育てることに役立てます。毎回、相手を決めて、カードにその子の良いところを書いて相手に渡す、渡す相手の組み合わせを変えていくことで、常に他の人の長所を見ていくことの習慣化がなされ、人間関係調和をはかっていきます。

 以上に基づいて公開授業が企画されました。
 今回は、③の 「エビデンスのある(効果が実証された)効果的な『手法』」 を用いて、②の 「相手に伝わらない自己中心的な話し方から、相手の立場に立った思いやりのある話し方へ変化を促していくこと」 を中心にすえました。

 私は、その 「手法」 の一つとして、道徳の柱にゴールデン・ルール (人のいやがることをしない) をかかげて、アサーション (自分と相手を大切にする表現技法) を含む、ソーシャル・スキルズ・トレーニング授業 (3回シリーズ) をご提案しました。

 リハーサルには充分に時間をかけました。なんと校長先生が率先してロールプレイのモデル役を引き受けるなど大活躍し、教員同士の士気が一気にあがりました。

 授業の要点を紹介します。
・心と言葉のルール (善悪の基準 )について学ぶ。
・ゴールデン・ルールを学ぶ。
 ゴールデン・ルールとは 「自分がされていやなことは決して人にしない。自分がされてうれしいことを積極的に人にしていきましょう。」 ということです。
・基本ソーシャル・スキルズ・トレーニング

 公開授業は新担任が中心となり、スクールカウンセラーとスクールソーシャルワーカーの2人がサポートする形で行われました。

 授業では、「基本ソーシャル・スキルズ・トレーニング」 として、ロールプレイ (注) を行いました。学校生活の中での一場面を切り取って、題材としました。
 最初に大人がモデルを示すロールプレイを行い、次に、生徒が2人グループで前に出てきて、やってみます。
 監督者 (先生) は、子ども達に加害者側、被害者側の役割を交代してもらい、どんな気持ちだったか、聞いてみます。
 次に行うグループが観察者となり、先のグループの実践に対して、良かった点をほめ、「こうすれば更に良くなると思う」 と、ひとこと助言を行っていきます。今度は、観察者だったグループが実践します。
 ですから、後のグループは学習し、どんどん良くなっていきます。

 第1回目は、「勇気を出して断る」 「心から謝る」 スキルを身につける。 です。
 場面設定は大事です。
 子どもやインターネット関連の大きな人権啓発ポスターを黒板に貼って、意識が高まるように工夫してみました。


170923 愛知県人権ポスター2
【写真】 公開授業中に黒板に貼ったポスター
愛知県人権啓発ポスター(平成25年度)
個別課題ポスター(子どもの人権)

【感情は行動にともなう】
 思春期の子どもたちは、繊細です。
 しかし、大人が正しいモデルを示し、勇気という翼をつけてあげることで、思いのほか飛翔していくことができます。
「自分の言葉で思いを伝えること」
「自分も相手も大切にしながら、正しいと思うことは静かに話してみよう」
と行動をうながしていきました。

 出版されている様々なソーシャルスキル教育の書籍を読むだけでは、その真髄はなかなか伝わってきません。
 アイコンタクトや、手振り身振り、実際やってみせることが大切ですし、実際に授業をするからこそわかることも多いのです。

【子どもたちの人間関係修正のきっかけになる】
 公開授業では、様々なドラマが繰り広げられました。
 第1回目の授業で、のびた君やしずかちゃんのいるクラスでは、のびた君が、正しいことを大きな声で言えるようになりました。

 一方、私達は、優等生しずかちゃんの更生を心から願っていました。
 彼女の心の歪みの原因がかつての人間関係の葛藤にあることがわかりましたので、「子どもたちにはダイヤモンドの心がある」と信じて、あるチャレンジをすることにしました。
 かつて小学校時代にしずかちゃんの親友であり、今は不仲の女子を、「心から謝る」のロールプレイの相手方として選んだのです。

 もし失敗しても、今より悪くなることはなく、成功したら大きな前進が期待できるからです。教員同士もリハーサルを通じて熟練度を増していましたので、冷静にチャレンジができました。

 授業という舞台の上で、最後に登場した、しずかちゃんは形だけではなく、心から「ごめんなさい」と反省の言葉を口に出しました。
 その姿をクラスのみんなが見ましたし、しずかちゃんのお母さんも見ることができました。前日まで欠席予定だったちびまる子ちゃんも、教室の角で静かに見ていました。

 この授業をきっかけに、しずかちゃんは変わりました。過去のこだわりや心の中の葛藤を捨てることができたようです。他人に寛容な落ち着いた本来の自分を取り戻していきました。
 クラスの他の生徒も、相手の成功を祝福できる子たちへと変化していきました。

 その後、少し時間はかかりましたが、ちびまる子ちゃんも教室に入って授業を受けられるようになったのです。もちろん養護教諭とスクールカウンセラーの暖かい支えがあってこそでした。新担任と学年主任も家庭訪問を続け、保護者を支援していました。
 また、「良いところさがし」授業の影響もあり、クラスの仲間には、まる子ちゃんを静かに見守る体制もできてきていました。

【すべては子どもたちの明るい未来のために】
 このようにクラスが落ち着き、学年が安定し、学校全体が信頼と安心の場として回復していくと、翌年の学校全体の成績もあがりました。

 PTA保護者からのクレームも無くなり、うれしいことに地域からも行事の後援等の協力体制が広がっていきました。

 ネットいじめは、それ以降、全くなくなりましたが、私達は、不断の努力を続けていく決意で実践を重ねています。
 授業に創意工夫がなされて、研究を重ねていることは言うまでもありません。
 どんな便利なツールも人間が行うものです。
 心を正しくコントロールできる人づくりのため、教育者として、私たち自身も真理や道徳を永遠に学び研鑽を続けていく覚悟です。

村崎 京子(仮名)
元教員、精神保健福祉士、社会福祉士、教育委員会スクールソーシャルワーカー

(注)ロールプレイ (role-playing 役割を演じる)
設定された人物になったつもりで発言したり意見を述べたりする学習方法。
疑似体験を通して研修を行う方法。


 

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