◇ 代表メッセージ ◇
◆◇ 子どもたちの小さな変化を大切に ◇◆
草の香りを強く感じる季節になりました。
ゴールデンウィークも終わり、学校ももう一段アクセルが踏み込まれることだろうと思います。
例年のことでもありますが、5月中旬から子どもたちの間でのトラブルが増え始めてきます。
保護者、先生も含め大人としては、悩みを抱えて苦しんでいる子たちがいないかどうか、気をつけてあげる必要がある季節だとも言えます。
学校から帰ってきたときの様子、
食事中の言葉、
学校の話題の内容、
教師に向けての言動、
お風呂の様子、
スマホの取扱い、などなど、
気になるポイントは多すぎるぐらいでしょう。
全部を気にしていたら親も身がもたないかもしれません。
そこで提案させていただきたいのは、「いつもと違うなぁ、という違和感を大切にしましょう」ということです。
一般的に人は、自分の悩みを隠そうとするものです。
でも、抱えているストレスなどは、どこかに現れてくるということも真実です。
身体、言葉、表情、雰囲気、小さな変化が起きてくることがあります。
「なぜこう感じるのだろう」と違和感の正体をさぐる中で、お子さんの抱えている問題や悩みが見えてくるかも知れません。
あるいは、「どうしたの? 何かあったの?」など声をかける機会として捉えてみてもよいのではないでしょうか。
子どもたちの抱えている問題や悩みは、子どもたち本人が解決することで成長につながることも多いとは思います。
確かに、親が手をださずに見守ることがいちばんの解決法ということもあります。
いじめ以外にも早急に手を打たなければならないこともあるとは思いますが、ただ、「いじめ」に関してだけは「ほっておく」ことは一番の解決方法と言い難いのが現実です。
できるだけ早期に手を打つことをおすすめいたします。
早期発見・早期解決が鍵です。
先般、いただいたお母さんからの相談電話は、
「私がしっかりしなくちゃいけないと思って、学校にいじめの相談に何度も出向きました。
でも、埒が明かなくて教育委員会にも出かけてお話したのですが、学校は『やります。やります』と言いながら何も解決しようとしないんです」
という内容でした。
学校に「いじめを解決する」という決意をしていただかないと、いじめが解消することは、かなり難しいという事実があります。
ですから、「いかにして学校にやる気をださせるか」ということが交渉のポイントになります。
そのために、私たちは「いじめの被害事実」を文書化して「経緯書」としてまとめること。
加えて、学校にどのように対処していただきたいのかということを「要望書」という形にまとめて、学校と交渉、話し合うことを推奨しております。
口頭だけの相談でうまく解決できる場合もありますが、「やります」と言うだけの口先学校にたいしては、文書にまとめることで、解決に向けて大きく前進するきっかけをつくるのに効果的です。
教育委員会にも文書を持参することで、学校との話し合いの場に、教委の先生に同席してもらえたり、学校を指導してもらえることが数多くあるのです。
「学校に相談する」ということはいじめ解決への第一歩ではありますが、相談のノウハウ、コツと言ってもよいのですが、やはり相談のスキルを持っていることは大切です。
言い換えると相談には手順があります。
不安に思ったり、交渉がスムーズに進まないと感じた場合には、抱え込まずに気軽にご相談ください。
私たちのホームページの「いじめ解決方法」(https://mamoro.org/solution)のところにも掲載しておりますので、参考にしていただけると幸いです。
改めて、5月です。学校の行事もたくさんあって子どもたちにも楽しい学校生活が送れる季節です。
子どもたちが学校という世界を通して、成長するきっかけとなることを祈っております。
この大切な季節、子どもたちを注意深く見守ってあげてください。
一般財団法人 いじめから子供を守ろうネットワーク
代表 井澤一明
井澤一明ブログ: http://ameblo.jp/kzizawa/Facebook: http://www.facebook.com/kz.izawaTwitter: @kzizawa

※記事以外のコメントはBBSへ投稿下さい。
☆保護者向け掲示板☆ ☆児童・生徒向け掲示板☆

☆ご協力のお願い☆現代のいじめ問題を多くの人に知ってもらい、日本の子供たちを救う運動を広げるために、「ランキング」への投票を、ぜひお願いします☆m(_ _)m↓(下のバナーを、それぞれクリックしてください)

↑人気ブログランキング ↑ブログ村 ↑FC2ブログ
◇ 代表メッセージ ◇
◆◇ 「こども家庭庁」によって、
教育界はいじめ解決能力を持つことができるか ◇◆街のあちこちや通勤電車に、新入生や新入社員の姿が目に入ってきます。その初々しい姿を眺めるだけで元気をもらったような気分になります。
さあ、4月になりました。子どもたちに、新しい年度を気持ちよく迎えていただきたいと心から願っています。
4月1日より内閣府の外局として「こども家庭庁」が発足いたしました。同庁の「こども家庭庁におけるいじめ防止対策について」のページには、
-------
いじめの問題には、これまでも学校、教育委員会などの学校設置者、国は文部科学省による取組が進められてきました。
これらの取組に加え、こどもの権利利益の擁護等を担う「こども家庭庁」が、いじめ対策での第三者性の確保などに資する地域の体制づくりを推進し、文部科学省とともに関係府省と連携しながら、「こどもまんなか」社会の実現に向け、いじめ防止対策の強化に取り組みます。
--------
と記載されております。
同ページには、「こども家庭庁の取り組み」として「こども政策の新たな推進体制に関する基本方針(令和3年12月21日閣議決定)に基づき、以下のとおり主に3つの事項に取り組みます。」として、
(1)学校外からのアプローチによるいじめ解消の仕組みづくり
(2)第三者性確保による重大ないじめ事案への対応強化
(3)こども政策の司令塔としての政府全体の体制づくり
以上の3点が述べられています。
私たちとして一点目にある「学校外からのアプローチによるいじめ解消の仕組み」を構築することができるようでしたら、とても効果があると考えています。
なぜなら、1万件近くのいじめ相談を承って、その大半を解決してきたという私たちの活動状況を振り返ってみると、解決できた事例の大半は、「学校の先生にいじめを解決しようと決意してもらう」ことによってなされたものだからです。
学校にいじめ解決を決意してもらうポイントは、私たちのような外部の組織からのアプローチ、あるいは上位組織である教育委員会に訴え教育委員会からの指導、さらには政治家に相談することにより、政治家から教育委員会にアプローチしていただくなどの外部の協力を得ることで、学校にいじめ解決の決意を促す点にあります。
学校の先生方は、原則、いじめ解決の能力を有していますが、せっかくの能力を温存してしまうことが多いのです。ですから「いじめを解決しよう」と教師が決意すれば、ほぼ解決したのも同然と言えるのです。
「こども家庭庁」がこの外部機関の役割を果たすことで、日本の「いじめ解決能力」は格段に上がるのではないでしょうか。
ただ、それが絵に書いた餅にならないように、私たち保護者やいじめ問題に取り組んでいる先生方、あるいは団体などからの適切な意見を参考にすることも大切なのではないかと思います。
一方で、大変に残念なニュースがあります。
4月6日の毎日新聞の報道を読みますと茨城大学がいじめの隠蔽工作していたようです。
水戸市の茨城大教育学部付属小学校が、当時小4女子がいじめられ不登校になっていた問題を、2021年11月に、「重大事態」と認定はしたものの約1年3カ月にわたり文部科学省に報告せず、いじめ防止対策推進法に基づく調査委員会も立ち上げていなかったことが、毎日新聞の取材で判明したといいます。
報道では、
「学校側は6日、取材に「制度に対する認識が不足していた」などと対応の誤りを認め、同法に基づく第三者委員会を設け、いじめを調査すると明らかにした。」
とあります。
いじめ防止対策推進法に示される「重大事態」には相当の期間、学校を欠席した場合も含まれており、文科省は、年間30日欠席することを目安にしています。
この子が受けたいじめの内容について、
「被害女児は21年4月ごろから、同級生の女児から登下校時を含めて学校で一日中付きまとわれたり、悪口を言われたりした。同年6月から休みがちになり、不眠や腹痛、吐き気を訴えるようになった。母親が付き添って登校することもあったが、5年生になっても不登校が続いていた。」
とあります。
保護者は、文科省への報告と第三者委員会による調査を訴えたが、これに対して学校は、「22年5月30日に大学から報告した」としながらも、第三者委員会による調査を拒否しました。
そこで、23年2月2日に、母親が文科省に対し、情報開示請求したところ、3月3日付で「(記録を)保有していない」と通知があり、学校側の未報告であると判明したのです。
さらに報道によりますと
「母親は同17日に茨城大教育学部の副学部長2人と面談。この際、文科省への報告について改めて確認すると、実際の報告日は、開示請求後で2023年2月16日だったと認め、同法に基づいた調査を実施していないことも明らかにした。」
とんでもない大学です。この記事から大学は附属小学校からは報告を受けていたようにしか読めません。
それにもかかわらず、
『茨城大は6日、毎日新聞の取材に「付属小及び教育学部において、いじめ防止対策推進法などの諸制度に対する認識が不足していたため法人及び文科省への報告などが不十分であった。不適切な内容を保護者に説明していた」などと文書で回答した。』
と毎日新聞は報道しております。
本来、附属小学校を指導すべき立場にある茨城大学が、隠蔽するなどあってはなりません。
原稿を書いている途中で、続報が入りました。
共同通信によりますと、大井川茨城県知事は4月12日の記者会見で、「世の中の流れと懸け離れた、あり得ない対応だ」、「県としても看過するわけにはいかない」と、経緯を調べる考えを示しています。
当然です。
同じく共同通信によりますと、
-----
茨城大の太田寛行学長は同日県庁を訪れ、教育長に現状を説明した。記者団に「いじめられた児童や保護者に申し訳なかった。学習支援や心のケアに努める」と述べ、第三者委員会を設置し、いじめの詳細や学校の対応を調査する方針も明らかにした。
-----
と報道されています。
しかし、情けない国立大学です。マスコミに報道されてから重い腰を上げるなど、被害者を馬鹿にしているとしか思えません。どちらを向いて経営しているかが問われています。
私たちがサポートさせていただいた「いじめ相談」を振り返ってみますと、国立の学校のいじめの隠蔽は、公立や私立のいじめ隠蔽よりたちが悪い場合が多いように感じています。
国立系の学校がいじめを隠蔽しやすい理由としては、
1. いじめを解決するスキルがない
2. 監督する組織からの「いじめを放置するな」という発信が脆弱
3. そもそも学校を研究の場ぐらいにしか考えておらず、子供を育てるという気概が希薄
などが挙げられるのではないでしょうか。
監督している文科省が各学校の状況を細かく把握していないことにも大きな問題だと思います。
そのような中で「こども家庭庁」が発足したのです。ぜひ、外部機関として学校に意見を言える組織に育っていただきたいものです。
4月が終わるとゴールデンウィークが待っています。子どもたちが、級友、学校に慣れてくる時期ですが、同時にいじめ問題も起きやすくなります。
ふと不安になったりいたしましたら、ご遠慮なくご相談いただきたいと存じます。
一般財団法人 いじめから子供を守ろうネットワーク
代表 井澤一明
井澤一明ブログ: http://ameblo.jp/kzizawa/Facebook: http://www.facebook.com/kz.izawaTwitter: @kzizawa

※記事以外のコメントはBBSへ投稿下さい。
☆保護者向け掲示板☆ ☆児童・生徒向け掲示板☆

☆ご協力のお願い☆現代のいじめ問題を多くの人に知ってもらい、日本の子供たちを救う運動を広げるために、「ランキング」への投票を、ぜひお願いします☆m(_ _)m↓(下のバナーを、それぞれクリックしてください)

↑人気ブログランキング ↑ブログ村 ↑FC2ブログ
◇ 代表メッセージ ◇
◆◇ いじめ調査を長引かせてはならない ◇◆今年の春の訪れは、いつにもまして早いようですね。
昨日14日、東京で桜の開花宣言がなされました。
おとといの朝、驚いたことに近所の家の桜がほぼ満開になり、今朝は散り始めています。
こちらはソメイヨシノではなく暖地さくらんぼのようですが。
さて、先日の2月25日の夜、大分市で講演してまいりました。
大分市で活躍してくださっている「いじめから子供を守ろうネットワーク大分」の皆様が企画してくださったもので、今回は、『知っておくべき「いじめの正体」 発見・対処・解決の知識』というテーマでお話しさせていただきました。
具体的には、活動をはじめた2007年から現在の間に変化したいじめの認識と変わりつつある学校の姿を枕にして一時間半ほどお話しした後に、質問にお答えさせていただきました。
大分のスタッフの皆様や、参加された方のおかげで充実した一日となりましたこと、この場をお借りして心から感謝申し上げたいと思います。
さて、読売新聞等によると、
「埼玉県北本市の市立小学校で2019年、高学年の男子児童が複数の同級生からいじめを受けて不登校になり転校した問題で、市教育委員会は10日、第三者委員会の調査報告書を公表した」との報道がありました。
また、市は2022年の11月に被害児童に解決金約177万円を支払うことを決定しすでに支払っています。
読売新聞の報道を以下に引用します。
------
被害児童は同級生から「うざい」などと言われていた。担任教諭らも、この児童が友達と一緒にいることが減ったように感じていたのに、声かけなどの配慮をしなかった。いじめ発覚の直後に被害児童宅を訪ねた校長は、加害者の謝罪で決着させる提案をしており、第三者委はこれも「時期尚早で児童に寄り添っていない」と批判した。学校の被害児童側への説明も「(第三者委の調査に)消極的だったと強くうかがえる」とした。
------
いじめられていると訴えがあった時点での対応において、被害者に寄り添うことができなかったように見えます。
何より大きな問題は2019年のいじめ事件の報告書が2023年に出てくるという点ではないでしょうか。
第三者委員会は、早急に結論を出し公表しなければならないはずです。
子どもたちにかかわる大人である私たちは、子どもたちの成長は早いことを頭に入れておくべきだと思うのです。
大人の時間感覚で扱うと大きな間違いを呼び起こす可能性があります。
何度も言うようですが、早期発見・早期解決が重要です。
不登校になるところまで追い込まれてしまってから解決を図るのは困難です。
同様の事件が起きています。
NHKの「埼玉 NEWS WEB」に、
3月6日、「“3年前中学校でいじめ”埼玉 所沢市教委が調査報告書」という記事が出ています。
埼玉県所沢市教委は、3年前の、中1女子生徒に対するいじめの調査報告書を公表しました。
少し引用いたします。
-----
それ(調査報告書)によりますと、部活動中に生徒がボールの入った鉄のかごをぶつけられたことや、教室の机に「死」という文字が書かれていたことなど4件のケースについて、「いじめに該当すると認められる」などとしていじめがあったと認定しました。
生徒はうつ病の診断を受けて、長期間、学校に通えなくなったということです。
報告書では、いじめた側がはっきり傷つける意図はなく軽いノリやからかいなどで結果的に相手を傷つけてしまった可能性があるとしていて、「相手がいじめと感じることがいじめだ」と生徒に理解させることや、心理学的な方法を用いた指導方法などを模索することを提言しています。
------
軽いノリで行われたいじめ事件の調査に3年もかかるのでしょうか。
3年経てば中学を卒業してしまいます。当たり前です。
時間稼ぎにしか見えなくなるということがわからないのでしょうか。
このように調査に3年もかかったという残念な事件が相次ぐ教育の現場に対して文科省は新たな方針を打ち出しています。
NHKのNEWS WEBから引用いたします。
--------
“重大ないじめ”調査に課題 4月から国が助言など新たな仕組み
児童や生徒への重大ないじめが起きた際の教育委員会などの調査に課題があるとして、文部科学省は、来月から国が積極的に状況を把握し、助言や支援につなげる仕組みを新たに設けることになりました。
(中略)
新たな仕組みでは、「重大事態」が発生した時点と、調査の開始時、それに終了時の3段階で国が報告を求め、状況に応じて必要な助言や支援につなげます。
また、来月発足するこども家庭庁とも連携し、今後、新たに配置される専門知識を持った「いじめ調査アドバイザー」に、(調査委員会の)委員の人選についても相談できるようにするということです。
文部科学省は10日付けで、全国の教育委員会などに通知し、来月から実施することにしていて、今後、調査方法の改善や新たな政策の検討にも生かしていく方針です。
--------
この施策がどのように効果を発揮するのか、いまだに未知数です。
大切なことは、いじめの発生を認識したら、即座に解決に向けて行動することです。
調査委員会などは、いじめが解決してからで十分ですし、調査委員会をつくったとしても3年後に結論が出てくるようでは被害者を守ることにはなりません。
「いじめられている」と訴えがあったら、いじめをやめさせることです。
こんなこと本来は、その日のうちにできることです。
次には被害者がいじめられないように守ることです。
つづいて、加害者を叱ることです。そして加害者に反省させ、二度といじめないことを約束させ被害者に心からの謝罪をさせる。
いじめ解決は、単純化すればこれだけです。
時間を掛けすぎているのです。
時間がかかる大きな原因は、教師が面倒な事を嫌うという面があるからです。
そのため、おおごとになるまで見て見ぬふりをしたり、証拠がないからなどと逃げを打つ教師がいるからです。
優秀な先生にあたれば、「いじめは一日で解決する」のです。
今回の文科省の通知が、いじめを無視したり放置したりする教師への歯止めとなることを心から祈っております。
子どもたちこそ日本の未来そのものだからこそ、いじめから守る必要があると言えます。
まもなく4月です。子どもたちにとっての新たな出発の時です。
なにか不安に思うことがありましたら、ご遠慮なくご相談いただけましたら幸いです。
一般財団法人 いじめから子供を守ろうネットワーク
代表 井澤一明
井澤一明ブログ: http://ameblo.jp/kzizawa/Facebook: http://www.facebook.com/kz.izawa Twitter: @kzizawa

※記事以外のコメントはBBSへ投稿下さい。
☆保護者向け掲示板☆ ☆児童・生徒向け掲示板☆

☆ご協力のお願い☆現代のいじめ問題を多くの人に知ってもらい、日本の子供たちを救う運動を広げるために、「ランキング」への投票を、ぜひお願いします☆m(_ _)m↓(下のバナーを、それぞれクリックしてください)

↑人気ブログランキング ↑ブログ村 ↑FC2ブログ
◇ 代表メッセージ ◇
◆ 学校は、「警察との連携」を逃げに使うな◆
2月も半ばを過ぎてしまいました。
一年で一番寒い月とも言われますが、受験生にとっては一番ホットな月と言えるのではないでしょうか。
2021年2月に、旭川市で起きた中2女子生徒の悲惨ないじめ凍死事件から2年が過ぎました。
文春等に掲載された事件の概要を読むと、大人たちの対応がこの子を追い込んだようにしか思えません。
2019年6月には、川に入るなどの自殺未遂事件が起きていながら、学校はいじめであることと認めませんでした。
また、警察は加害生徒に性的な写真を削除させたものの、加害者の1人は写真を復元して、流出させています。
教師、学校、教育委員会の対応のまずさが際立っておりますが、加えて警察が加害者を逮捕しなかった点も問題であろうと思います。
確かに日本の法律では、14歳未満の犯罪については罪に問えません。
しかし、児童相談所への連絡や、加害者の保護者への指導、加害者に、被害者に対しての接触を禁止するなどの措置はとれたのではないでしょうか。
そんな中、2月7日に文部科学省は、学校で重大ないじめが起きた場合、速やかに警察に相談・通報することなどを求める通知を全国に出しました。
今回の「いじめ問題への的確な対応に向けた警察との連携等の徹底について」という通知から、重要だと思われる点をまとめてみました。
1. 学校と警察は、日常的に情報共有や相談を行うことができる連携体制の構築が求められる。
2. 犯罪に相当するいじめが起きた場合、速やかに警察に相談・通報をして対応する。
3. 児童ポルノ関連のいじめは被害の拡大を防ぐため、直ちに警察に相談・通報。
4. 必要に応じて医療機関などとも連携し、当事者の児童生徒に対する指導や支援を徹底する。
5. スクールサポーター制度(注)の積極的な受入れの推進。
また、報道によりますと、永岡文科大臣は、
「関係府省と連携していじめ対策の取り組み強化をしていきたい」と述べています。
さらに文科省は来年度から、国においていじめの「重大事態」の状況把握を行う考えを示し、教育委員会などが「重大事態」と認定した場合、その都度、国に報告を求める方針だということです。
この通知により学校はどのように変わるのでしょうか。
教育界の閉鎖的な体制が変化するのか、やや疑問に思っています。
この通知のように実施するということは、学校の対応の不十分さを警察に、「自ら知らせる」ということと同じです。
プライドの高い学校がそんなことをするでしょうか。
結局、警察への通報は、教育者としてのプライドを傷つけますし、管理不十分と評価される可能性も秘めていますから簡単に通報するとは考えにくいのです。
実際のいじめの相談の現場では、保護者と共に学校や教育委員会に相談に行くこともありますが、教育委員会や、学校が、「外部からの意見に聞く耳を持たない」という態度で接してくることも頻繁にあります。
さらに、こんなことも想像されます。
複雑ないじめ事案や、強い口調でいじめを訴えてくる保護者、あるいは、日に何度も連絡してくる保護者などのケースも含めて、学校が「面倒臭い」と感じているだろうと推測できるケースがあります。
その場合、「警察に任せてしまえ」と考えて警察に通報するということがありえるのです。
これは、保護者との関わりを断とうという意図が見え隠れする対応です。
実際、学校側が弁護士を立てた事例があります。
保護者としては、席替えやクラス替え、宿題など学校と話し合いたい事はたくさんあります。
でも、学校は「弁護士を通してください」としか答えてくれなくなったのです。
口先では「お子さんのことが心配です。早く学校に来てください」といいつつ、「子供なんてどうでも良い。自分たちが不利益にならなければなんでも良いんだ」と考えているようにしか見えませんでした。
同様に、重大事態と認定され調査委員会が設置された事案でも同様のことが起きたことがあります。
「第三者委員会ができましたので、言いたいことはそちらにどうぞ」と言うのです。
その子は自殺したわけではなく不登校が続いているだけなのですし、保護者としては学校と話して解決しないことが積み重ねられているにもかかわらず
対応してもらえなくなりました。
学校は、いじめ問題に対して責任感をしっかり待たなくてはなりません。
学校が生徒を守るために、警察に通報して、これ以上の加害者のいじめを止めさせ、被害者を守るのでしたら通報の意味があります。
しかし、警察に通報して、これ以上は警察の仕事だと丸投げするような形になるのなら意味がありません。
生徒のいじめを解決する第一責任者は教師であり学校です。
学校に善悪の価値判断、正義を取り戻すのは教職者の責任に他なりません。
いじめ防止対策推進法には、第八条に「学校及び学校の教職員の責務」と題して、
「学校及び学校の教職員は、基本理念にのっとり、当該学校に在籍する児童等の保護者、地域住民、児童相談所その他の関係者との連携を図りつつ、学校全体でいじめの防止及び早期発見に取り組むとともに、当該学校に在籍する児童等がいじめを受けていると思われるときは、適切かつ迅速にこれに対処する責務を有する。」とあります。
文科省の通知が、今後、現場で具体的な形をとっていくことになると思いますが、先生方は「絶対にいじめから目をそらさない。いじめ解決は教師の責務である」という姿勢を忘れないでいただきたいのです。
子どもたちにとって、先生こそ「守護神」なのです。
まもなく3月、終業式の季節です。
いじめ問題で不安や疑問がおありのようでしたら早めにご相談いただきたいと存じます。
(注)スクールサポーター
警察署と学校・地域のパイプ役として、少年の非行防止や児童等の安全確保対策に従事する、警察署の再雇用職員または専門知識を有する人材をいう。
一般財団法人 いじめから子供を守ろうネットワーク
代表 井澤一明
井澤一明ブログ: http://ameblo.jp/kzizawa/Facebook: http://www.facebook.com/kz.izawaTwitter: @kzizawa

※記事以外のコメントはBBSへ投稿下さい。
☆保護者向け掲示板☆ ☆児童・生徒向け掲示板☆

☆ご協力のお願い☆現代のいじめ問題を多くの人に知ってもらい、日本の子供たちを救う運動を広げるために、「ランキング」への投票を、ぜひお願いします☆m(_ _)m↓(下のバナーを、それぞれクリックしてください)

↑人気ブログランキング ↑ブログ村 ↑FC2ブログ