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「いじめ逆襲マニュアル」書評 

「いじめ逆襲マニュアル」


           河西善治著


 「このくそオヤジ!ぶっ殺してやるぞ!」


180センチはあろうかと思われる、暴走族の17歳の少年は大声で怒鳴る。


自分の息子を恐喝する、非行グループ主犯格の家に乗り込んだときのことだ。


その少年の父親は、前歯を何本も折られ、自分の手には負えないと逃げ腰だ。


闘いのゴングは鳴らされた。


「恐喝をやめなさい!」という著者に、「うるせぇ!てめぇ~ぶっ殺すぞ!」と少年は叫び、河西氏も一歩も引くことなく、「もしうちの子に手を出したら、この木刀でお前を半殺しの目にあわせてやるからな!」と応じる。


二人の怒鳴り声は、団地中に響き渡る。闘いは2時間続いた。


その間、河西氏は少年に恐喝は絶対に悪いこと、自分の子供を守るためにはどんなことでもする覚悟があることを身をもって示した。


 その結果その少年は涙ぐみながら、恐喝をやめる約束をし、恐喝事件もぴたりと止んだ。


「自殺したい」と息子に言われ、問題解決のため加害者の家に乗り込んだ河西氏のいじめ撲滅体験である。


 いじめを受けて親が学校に相談にいくと、ほとんどの場合、「学校は警察ではありません。」「双方から事情を聞いて善処します。」「努力しますので時間をください。」と学校から言われ、学校はその後何もしないので、「ちくった」報復としていじめは悪化する。多くのいじめ被害と悲劇は、公立小中学校に対する親の無知から生じている。今の教師たちは、昔と違って、定時出社退社のパートタイマーのおばちゃん、おじちゃんのようである。


学校でいじめを受けても、学校や行政は助けてくれない。だから、いじめっ子への直接行動しかない。それでもだめな場合は、相手の名前やいじめを隠蔽する教師の名前のビラを撒くなどの方法で公表したり、教師への公開質問状を出したりして社会的制裁を加えることが、いじめ解決には最も有効な方法である。子供を未然にいじめから守り、もしいじめにあっても早期に救うための認識と方法を「親学」として学ばねばならない、と河西氏は訴える。



自分の子がいじめられていることが判明したらどうすべきか。


まず、親は原因者であるいじめっ子に対して即反撃し、いじめを表面化する。具体的には学校の校門などで他の子供が見ている前でいじめっ子に直接注意する。


本書によると、ここでしてはいけないことは、事前に相手の親や担任に訴えて、学校交渉という密室に持ち込まれてしまうことだ。この点が他の、「いじめ対策」本と異なる。


それでもやめないときは、「うちの子の身の安全が心配だ」と担任に告げ、個人的に授業参観を行い、いじめっ子にさらに圧力をかける。小学校段階ならほとんどここまででいじめはストップできる。


注意することは、リーダー格の子供だけを攻撃することだ。その子を見せしめにすれば、いじめグループの結束は崩れ、いじめは収まる。そして長期戦にしないこと。自殺寸前に追い込まれている場合でも、直接一撃で撃退できる。「いじめを直ちにやめろ。もし、チクッたなどどいってうちの子に手を出してみろ、直ちにお前を私が制裁してやるからな。またこれまでの被害を調べて告訴してやる。」といえば十分である。と河西氏は言う。


 


いじめがあった場合、現在の公立学校の体制では正攻法で立ち向かったら、ほとんどの親は立ち打ちできない。だから河西氏の言うように、親の直接行動が必要なのだ。


もちろん親が乗り出すことで周囲から非難されたり、変わり者扱いされたりすることもあるだろう。だが世間体を気にしたり、親子とも無傷でいようとしたら問題はいつまでも解決しない。親が子供をどんなことをしてでも守るという気迫の大切さを本書から感じられた。いじめられている子供が求めているものは、世間的に立派な対応をする親ではなく、身を挺して子供を助けてくれる親なのだ。


 


本書は、学校に言ってもいじめが改善されないときに、緊急避難として親の直接行動を考える際には、必読の書であろう


 


冒頭の河西氏のバトルを読んだとき、正直私はおじけづいた。果たして私にそこまでできるだろうか。しかも氏は他人の子供も何人も助けている。


しかし親が戦わなければ、子供に正義を教えられない。


そのとき戦わなければ、子供の手本になるような父親になれない。


本書を3回読み終わったとき、


私にも、来年小学校に上がる息子を持つ父親として、いじめに対する覚悟ができた。


「なりふり構わず、命を懸けて君を守る」と。by 小野田厚志


  


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[ 2007/07/02 07:07 ] 書評、書籍紹介 | TB(0) | コメント(7)

いじめ相談1・8倍に増加 

外部団体への相談が増えた意味は、学校に相談しても誠意ある対応がされず、解決への道が閉ざされたことをあらわしているのではないでしょうか。HM  


 いじめ相談1・8倍に増加(埼玉)


思春期の悩みを持つ子どもや保護者の相談に応じている県の付属機関「子どもの権利擁護委員会(子どもスマイルネット)」がまとめた集計で、2006年度の電話相談2065件のうち、いじめに関する相談が312件と前年度(174件)の約1・8倍に増えたことがわかった。


 内容別にみると、家族や異性、体に関する悩みなど「思春期の悩み」は591件で全体の28・6%にのぼり、最も多かった。これに次いでいじめは15・1%を占めた。特にいじめの被害を受けた子ども本人からの相談が前年度比1・6倍の169件、保護者など大人からのものは同2倍の143件だった。


 一方、保護者などから虐待を受けているとの相談は64件(前年度比2倍)、不登校は75件(同5・3倍)、学校の不適切な対応は116件(同2倍)となっている。全体の相談件数が前年度より81件減少するなかで、いじめや虐待などの問題が浮上した格好だ。


 電話相談を受け、解決のために専門の相談員が相談者と直接面接したのは19件で、うちいじめは7件だった。


 県こども安全課は「これまで表に出てきていなかった問題でも、自分で抱え込まずに相談できるようになっているのでは」と分析している。


(2007年6月21日  読売新聞)


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