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◆◇ 教室に正義を(最終回) ◇◆ 

160729 黒板消し

◆◇ 教室に正義を(最終回) ◇◆

<第1回、第2回の内容>
 小6の良太君 (仮名) のクラスはやんちゃグループが暴れて学級崩壊状態です。担任は学校に来なくなり、常に数人の子が不登校になっていて、保健室に逃げ込んでいる子も7~8人います。
 良太君はみんなと保健室で、工夫しながら自主的に勉強を始めました。しかし、やんちゃグループは保健室にも乱入してきて暴言、暴力などし放題。
 やんちゃグループと保健室の子たちとの話し合いの会が開かれ、双方の保護者たちも傍聴しました。「先生の言うことを素直に聞きなさい。そして謝りなさい」 という保健室組の次郎君 (仮名) の祖父の一喝で、やんちゃグループはようやく謝りましたが・・・。

○ クラスが復活する日

 このやんちゃグループとの話し合いについて、地元の議員さんに相談した保護者がいました。
 議員さんからの連絡を受けて、教育委員会が動き出しました。予算がついて、先生の数が増やされました。
 また、荒れる前の低学年時代に担任でもあり、児童たちの信頼が厚いベテランの先生が呼び戻されました。担任が交代となったのです。

 39人のクラス全員についても、個々に分析がなされました。
 クラスを荒らす児童たちの特徴として、授業がわからない子、学習が身についていない子がいることがわかりました。
 早速、校長先生は、国語、算数は、習熟度別クラスに分けることを決断しました。普通、年度途中ではあり得ない、めずらしいことです。

 社会や理科についても、19名と20名にクラスを分けて、別々の離れた教室で教えることになりました。やんちゃグループは完全に分断されました。
 少人数クラスですので、先生の目が行き届きます。トラブルが大きくなる前に対処できるようになったのです。また、授業離脱する児童には、その子のために専用の先生がつくようになりました。

 良太君たちは、保健室から教室に戻りました。
 こうして安心して授業が受けられる環境がつくられて行きました。正義が、教室に戻ったのです。

 また、「教室が綺麗になったこと」 や 「授業が静かに受けられる」 ようになったという話が、たちまち保護者の間に広まり、長期間不登校だった子の保護者からも、「学校に行かせたい」 という相談が入るようになりました。

○ いじめをなくす指導とは

 学校全体で取り組み始めた頃、ある先生から、「いじめをなくすために、有効な指導方法は何でしょうか?」 と相談を受けました。

 基本的に心がけなくてはならないことは、その子自身の全人格を否定するのではなく、その子が行う悪い行為について、ひとつひとつ丁寧に、やっていいこと、悪いこと、相手の立場に立って考えることを、具体的に示して、根気よく教えていくことが大事です。
 そのような積み重ねの中で、規律や自制心を身につけさせ、できたこと、やれるようになったことを褒めていくことが大切になります。

 このようなことは本来、幼少時から家庭教育で教えられていくことです。
 しかし現代は、家庭が機能不全であったり、親自身も教えられないまま家庭を築いていたりしています。教師や学校が肩代わりせねばならない時代になっています。

 加えて、いじめる子を指導する際、注意せねばならないのは、教師がいじめる側の児童達に迎合してしまうことです。
 受容や寛容の精神は、子どもの心をひらく大切なものです。しかし反省や責任感もなくてはならないものです。
 このような基礎をおざなりにして、いきなり自己肯定感 ( 「自分は大切な存在だ」 と感じる心)を高める教育をすることは、危険です。
 そうでないと、子供達は 「やっぱり、自分たちの責任ではなかった」 と安易に思いがちになります。 

○ 子ども達のその後

 さて、現在、良太君たちは、私立中学受験を目指し勉強に励んでいます。
 保護者たちも積極的に教室見学を繰り返しています。やんちゃグループの黒幕的な子の親はPTA役員でした。その子も落ち着いたようです。

 しかし、このグループの中の家庭に問題のある子だけは、徐々に元気がなくなっていくように見えました。

 ある雨の日のこと、先生は、窓辺で、その子が小声で歌っているのを聞いてしまいました。
 「あめあめ ふれふれ 母さんが 知らない男と出ていった・・・」
 学校で荒れていた、その子の本当の理由を知ったのでした。 
 <了>

スクールソーシャルワーカー 村崎京子


 

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[ 2016/07/29 15:55 ] メッセージ | TB(0) | コメント(0)

◆◇ 教室に正義を(第3回) 学級崩壊 ◇◆ 

160725 白い花

◆◇ 教室に正義を(第3回) 学級崩壊 ◇◆

○ 学級崩壊が起きるわけ

 今回は、スクールソーシャルワーカーの視点から述べてみたいと思います。

 まず、中学校では学級崩壊は起きにくいものです。なぜなら教科によって教員が変わるからです。
 もし学級担任が気付くのが遅れても、学級が荒れ始めれば、教科担任の誰かが気づきますので、迅速に組織的な介入が可能です。

 一般的に、授業の質が良いと学級は荒れにくくなります。
 授業が下手な教師もおりますが、全員ハズレということはありません。生徒達の集中力を切らさず、興味深い上手い授業をする先生は必ずいらっしゃいます。
 この点においても、中学で学級崩壊が起きにくい一因となっています。

 小学校の特徴は、学級担任がほぼ、1人で全教科をみるところにあります。
 良い面としては、児童ひとりひとりに深く関われるという点があげられますが、反面、他の担任のクラスのことに口をだすことはタブー視されていて、他の教師によるチェック機能が働きにくいと言えます。
 そのためか、教室が荒れ始めても、担任がひとりだけで問題解決にあたるケースが大半を占めます。
 その他の要因もありますが、小学校ではチームの力が十分に発揮されにくく、中学校にくらべると学級崩壊が起きやすいのです。

 小中学校どちらにも言えることですが、他の教師に手助けを求めたり、相談しない教師は、学級崩壊への対応が遅れる傾向があります。
「自分のやり方は間違っていない」
「たまたま悪い子ども達に当たっただけなのに」
「何とか年度末まで耐えれば良い」、と考えるような先生たちの元では解決は期待できません。
 また、逆に責任感が強すぎる先生も危険です。問題を 「自分だけの責任」 として捉え、1人で抱え込むタイプです。この場合、他の教師が気付いた時には、既に手に負えないような状況にまで進んでいることがよくあります。

 問題が多発する学級を受け持っていると、毎日、気が休まることがありません。
 ストレスが連続し、しだいに視野狭窄に陥ってしまいます。問題を起こす生徒児童しか目に入らなくなるのです。
 彼らの行動を抑制するために、授業を中断しても叱責する。しかし彼らは収まらず、問題行動を繰り返す。それ故にまた叱責する。この繰り返しです。そして、ついには授業そのものが成り立たなくなります。

 学級崩壊、それは先生にとっては最も苦しいことなのです。
 子ども達にも大きな負担を強いることになります。
 このストレスに耐え切れなくなった子供たちは、真面目だった生徒であっても、紙を切り、床に撒き散らす、同級生の筆箱をわざと落とす、などの問題行動をとるようになります。優しい女の子の中には、リストカットを始めてしまう子もいます。

 学級崩壊が起きると、いじめも多発し、やったりやられたりが繰り返される毎日になります。もはや、客観的にいじめを把握するなどの基本的対応でさえ、先生に期待できません。
 「いじめ被害者側が学校に何度要望しても、全く誠意ある対応が得られない」、ということをよく聞きますが、機能不全に陥った場合には、いじめ解決など、もはや不可能です。

 学級崩壊が起きる原因は、荒れた生徒をコントロールできないところにあります。
 学級崩壊を起こさせないポイントは、教師にあります。しっかりした先生がいるかどうか、あるいは教員の組織力があるかどうかが決め手です。

○ 多数決が決める善悪?!

 もう一つ、学級崩壊を起こしやすい原因として、「善悪の判断から逃げる」 という学校が持っている傾向性が挙げられます。

 「ムラ社会の掟」、または 「長いものには巻かれろ」 という言葉がありますが、善悪に関係なく 「意見の多い方が正しい」 という考え方が教育界に蔓延しています。
 この考え方が、悪を増殖させる方向で働くのです。
 「いじめられている。助けて」 という生徒の訴えに対して 「これはいじめかどうか」 ということを多数決で決める教師がいます。
 その結果、ほとんどのケースで 「これは、いじめではない」 という意見が多数意見としてまかり通ってしまうのです。

  また時々ですが、保護者から依頼された弁護士が、
「問題行動や非行の児童、生徒にも『教育を受ける権利』があるから、教室に入れろ」 と学校に理不尽な要求をしてくることもあります。
 しかし、加害者の権利と被害者の権利が相克する場合、教室という同じ空間で、加害者の権利が、被害者の権利に勝って良いのでしょうか? 護られるべきは、被害者の『教育を受ける権利』です。

 真っ当な正義感をもち、空気に流されず、自分の意見を言うことが出来る子どもはたいへん少なくなっています。
 今、教師に求められているのは、そのような子の権利擁護やエンパワーメン ト(激励) です。
 勇気を持って正論を言う子ども達を教室に取り戻さなければ、クラスは良くなりません。そのためには、「ならぬものはならぬものです」 といった善悪の指導は必要不可欠です。

 教育という世界に身をおいている一人として、子供たちに善悪をきちんと示し続けてまいりたいと考えております。

スクールソーシャルワーカー 村崎京子
<次回4回は、クラスが復活する日、子どもたちのその後について述べ、最終回とさせていただきます>


 

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[ 2016/07/25 07:16 ] メッセージ | TB(0) | コメント(0)

☆ 代表メッセージ (2016年7月) ★☆ リフレッシュ ☆★ 

160801 夏の海

◇ 代表メッセージ ◇
★☆ リフレッシュ ☆★

季節は7月の半ばになりました。梅雨明けが待ち遠しいですね。
すでに夏休みに入った学校もあるだろうと思いますが、多くの学校ではこれから夏休みに入ります。
40年も昔のことですが、この時期になると、中学校の職員室に先生たちが集まって、甲子園からの野球中継に見入っている光景が心に浮かんできます。
当時の教員にはこれほどの余裕がありました。ある意味、現代よりも効率のよい教育ができていたように思います。

さて、7月9日に 「今の学年で、1割強の生徒がいじめを経験している」 というニュースが流れました。熊本市教育委員会が行った昨年度の調査結果です。
1割強、正確には 13.3%とのことですので、30人のクラスで 4人の子が、1年の間にいじめを受けたということです。
全国の小中高の児童生徒数は、約 1350万人。換算すると、なんと 179万人もの子供たちが、たった 1年の間にいじめられたことになります。文科省の発表しているいじめ認知件数 18万 8千件という数字がむなしく見えてきます。

ともあれ、たった 1年でこれだけの子供たちが傷ついています。
傷ついてしまった心を癒やし、再出発を図るチャンス、それが夏休みです。

いじめられている子の多くはこのように感じています。
・加害者と離れたい。会いたくない。こわい。
・いじめを忘れたい。
・学校に行きたくない。
・毎日、つまらない。

そのため次のような行動を起こしやすいものです。
・知っている子がいそうなところには、行きたがらない。
・子供の姿を見るとおびえる。
・メールやLINEに敏感に反応したり、見なくなったりする。
・学校以外のネット上での知り合いと夜中までメールやLINEでつながる。
・毎日、表情が暗い。
などの兆候が見られます。

このような子供たちを明るくする必要があります。
要は、いじめを忘れられる時間をつくってあげることです。
言い換えれば、子供が夢中になる時間を作ってあげるということになります。

バーベキューをしたり、海や山などに自然の中に身をおいてゆっくりすることもストレスの解消には大きな効果があります。
学校以外の子どもたちとの交流もいいですね。

ただ、お金もかかりますから、毎日という訳にはいかないでしょう。
安上がりで子供のストレスを解消する方法として、一緒に散歩するというのはいかがでしょうか。
あるいは一緒に勉強する、宿題をするということもおすすめです。働いている方は、家に帰ってから、30分でも15分でも良いですから、子供と一緒に勉強してみませんか。
読書の楽しさを教えることも効果的です。
加えて、心に傷を負っている子には、たくさん 「ほめて」 あげてください。ほめられたことが、その子の自信となり、いじめの記憶を薄れさせていきます。

ぜひ楽しい夏休みを演出していただきたいのですが、「スマホの誘惑」 にだけは十分にお気をつけ下さい。
スマホゲームやLINEへの依存、これは危険すぎます。いじめから逃れられても中毒になってしまっては本末転倒です。

いじめを受けている子が、ストレス解消の手段として携帯機器に夢中になる相談が多く寄せられています。止めさせようと取り上げたことで、家庭内暴力にまで進んだという事例もあります。

夏休みの携帯、スマホ、ゲームなどの使い方について、お子さんと話し合って、1日○時間だけと決める、○時以降は使わないと約束をかわす、LINEの内容は見せること、守れなかったら解約する、等々のルールを約束する。
これは 「子供たちを守るために必要なことだ」 と思っていただきたいのです。

繰り返しますが、大切なことは、いじめを気にしない時間、忘れる時間をつくってあげることです。
お子さんの心の力を取り戻してあげていただきたいのです。

いじめでお悩みのことがございましたら、ご遠慮無くご相談ください。
少しでも、子供たちの力になりたいと思っています。

いじめから子供を守ろう ネットワーク
代表 井澤 一明

井澤一明ブログ:
http://ameblo.jp/kzizawa/
Facebook: http://www.facebook.com/kz.izawa
Twitter: @kzizawa



 

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[ 2016/07/13 22:07 ] 代表あいさつ | TB(0) | コメント(0)

◆◇ 教室に正義を (第2回) ◇◆ 

160710 正義の女神

◆◇ 教室に正義を (第2回) ◇◆

<前回の内容>
 小6の良太君(仮名) のお母さんからの相談です。
 クラスはやんちゃグループが暴れて学級崩壊状態です。担任は学校に来なくなり、常に数人の子が不登校になっていて、保健室に逃げ込んでいる子も7~8人います。
 良太君はみんなと保健室で、工夫しながら自主的に勉強を始めました。しかし、やんちゃグループは保健室にも乱入してきて暴言、暴力などし放題。
 保健室組の子達は、やんちゃグループからの被害を記録して、先生に叱ってもらおうと思っていたのですが、逆に、「僕たちの悪口を書いている子達がいる」 とベテランの先生につげ口されてしまい、叱られたのは良太君たちでした。
 しかも、やんちゃグループが、「話し合いの会」 を学校に要望し、明日、やんちゃグループとの話し合いをさせられることになりました。

1 決断 
 「お母さん、子どもを守る! と決意しましょう」 と話すと、お母さんははっとした感じで顔をあげたのです。どこか学校任せ、誰かまかせ、風まかせだったお母さんが、腹をくくったことが伝わってまいりました。

 「良太君の親友は誰ですか。そのお母さんと話をしたことがありますか?」
「優真君(仮名)です。でもお母さまとは連絡したことがありません」 と言います。
「では行動してみましょう」 とアドバイスさせていただきました。

2 情報分析
 そこからのお母さんの動きは早いものでした。
 優真君も保健室組でした。
 連絡をとってみると、驚いたことに優真君のお母さまは大変な情報通で、いろいろなことを教えてくれました。
 
1. 担任の先生が病気になって休んでしまって、どれだけクラスの児童たちががっかりしたか。
2. 授業妨害する男の子達に、最初は先生方も注意していたこともわかりました。
  しかし、注意すると、体育館の屋根に登ったり、消火器をまいたり、さらに乱暴なことをしたため、事故になることを恐れた先生方が注意できなくなってしまったこと。
3. やんちゃなグループのメンバー構成。
4. グループの中心児童2人のお母さんも保護者たちのSNSに入っているので、他のお母さん方は自分の子への影響が怖くて本当のことを言えないでいること。
5. ナンバー3に位置する男の子は、乱暴はしないのですが、実際は裏であやつっているのはその子らしいこと。
6. 親はPTA役員であること、などです。

 様々な情報が得られましたので、改めて次の助言を致しました。
「保護者の仲間を集めて、学校と交渉しましょう。
 明日の話し合いには、学校を開放し親たちを入れてほしいと、すぐに申し入れしましょう。そして、明日の話し合いに必ず立ち合い、子ども達に勇気を与えましょう」

 お母さんは良識ある保護者たちを集め始めましたが、いかんせん明日ということで都合のつく人は限られてしまいました。

3 話し合いの会
 良太君のお母さんは最初、もし学校から断られたら、市議会議員さんに話をする予定でいたのですが、学校に連絡を入れてみると、既に他の保護者から苦情が入っているとのことでした。
 また、「議員さんからも、『学校は保護者の皆さんの協力を求めなさい』と言われた」 と打ち明けてくれたのです。

 翌日、集まったのは、やんちゃグループの保護者たちと良太君の仲間の保護者たちです。
 話し合いの会では、子ども達は、裁判のように、向かい合って縦二列に並ばされておりました。傍聴席が保護者の席でした。

 ベテランの先生は、互いに言いたいことを言わせ、納得しあったら、最後は、互いに「ごめんなさい」と言わせて、「これからは手と手を取り合って、仲良くしましょう」、という方向にもっていきたかったようでした。

 話し合いが始まりました。
 良太君は、一生懸命に話をするのですが、手を挙げて発言すると、同じ回数だけ相手方も発言して反論してきます。
 やんちゃグループには、あげあし取りの名人がいて、良太君だけが集中砲火を受けることになってしまいました。
 後でお母さんは、良太君、優真君たちのいらだちが見えて、かわいそうだったと話していました。

 おおかた発言が終わった後、いつもは大人しい、保健室組の次郎君(仮名)がこう言ったのです。
 「たしかに僕たちはノートに言われた暴言や、されて嫌だったことを書いた。それを見て不愉快に思ったのならゴメンナサイ。
 でもこれまで君たちがやってきた悪いことの大きさと僕たちの今回のことと比較すると、どれだけ君たちの悪かったことのほうが大きいか。
 それに僕たちは頭を下げたが、君たちは全然、反省していないよ」

 その時、傍聴席に来ていた次郎君のおじいさんが立ち上がりました。
 「ちょっといいかい。
 昔と今とは違うかもしれんが、学校というところは、きちんと授業を受けるところではないのかね。学習をするところではないのかね。
 今日、授業参観もさせていただいたが、君たち(やんちゃグループ) は先生の指導にしたがわず騒いでいた。それに比べて、こっち(保健室組) 側は先生の指示にしたがっていたし、騒いでいなかった。
 どちらが悪いのかわからないのか。
 先生の言うことを素直に聞きなさい。そして謝りなさい。とくに、今日、私に『じじい』と暴言を吐いた子達、謝りなさい」

 やんちゃグループたちは、それぞれのお母さん方に促されて、先生、おじいさん、良太君たちに謝りました。
 おじいさんは地域の防犯委員さんで、元自治会長さんでした。

 実は、お母さんが 「保護者が集まらない、みなさん仕事で・・・」 と泣いて電話してこられたので、「おじいさん、おばあさんを呼びましょう。地域活動をしている人、消防や防犯をしている方々に声をかけてみましょう」 と伝えておいたことが功をそうしました。

 皆様もこの事例から何かをつかんでいただけたことと思います。
(続く) 

<次回、学級崩壊の原因などについて述べさせていただきます>

スクールソーシャルワーカー 村崎京子



 

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[ 2016/07/09 12:00 ] メッセージ | TB(0) | コメント(0)