子どもたちが、人間関係において
適度な距離感を保つためには(その2) 前回、良い関係性を保つには、一定の距離感を保つことが必要であり、お互いに自立していることが肝要なのだと述べました。
真実の友情を築くためには、焦らず、ゆっくりと人間関係を育んでいくことが大切です。自分を十分に知ってもらい、少しずつ時間をかけながら関係を深めていくような方法をとることです。このようなことを折にふれて、子どもたちに教えていく必要があります。
子どもたちには未来があります。
より大きな目標を達成するために、孤独に耐えることが必要な時期があるのです。そのことを教師や親は教えなくてはなりません。
「時間に正確な人は信用される」
「規則正しい生活習慣を持つことは、将来の成功につながる」
「それは、世の中の役にたつ人になるためです。」
と自信を持って言える子どもにすることです。
時間とルールを守れない人とは、一定の距離をとるように導いてあげることが重要になります。
さらに、善悪を区別できない人との付き合い方にも配慮が必要です。
時には、「今は、遮断しなくてはならない時期だ」 と判断したら、社交的ではないかもしれませんが縁を切ることが大事です。
但し、一方的に言いすぎると子どもが納得しません。そこから家庭内トラブルにつながることもありますから、「なぜそうなのか」 ということを説明し、納得するまで説得することが大切です。
大切な人間関係のルールは、大人である教師や保護者が教え、サポートしなくてはなりません。
とは言っても、なかなか実践することは困難なことでもあります。
その意味では、帰国子女家庭や外国人のほうがハッキリしています。
ある外国人の方を紹介します。お子さんは小学6年生、学級崩壊のさなか、そのクラスでは正論が全く通りません。暴力的で悪いグループの影響を受け、普通の子までも荒れて、教員もお手上げ状態でした。
その子がとうとう情緒不安定になってしまったため、保護者は見切りをつけて、学校に通わない宣言をして、学習塾のみに通い、私立中学を受験し、合格しました。
その後、私立中学に近い場所に転居することになり、お子さんは卒業式には出席し、親しかった優等生の子ども達には感謝のお手紙を渡していました。
このような親の決断が成功した事例もありますが、いつまでたっても、午前2時までSNSを止めない子どもたちもいます。そのなかには、こだわりの強い性格の子、特定の障がいの子、家庭が不遇で淋しがっている子もいます。
ソーシャルスキル教育で対応できる場合もありますが、改善が見られない子どももいます。
悩み続ける子どもは、総じて、家庭的な背景に課題があることが多く、その保護者も悩みに対して、「判断できていない。どうして良いのかわからない」 状態になっていることが多いと考えられます。決断できない人が悩み続けるのです。
悩みの渦中にある子供たちは、感情や情緒が不安定になりがちで、相手に依存したり、自分の感情が収まるまで、執拗にメールやラインのメッセージを送ります。
夜中もです。眠れないまま、感情が高ぶったまま、朝を迎えてしまいます。これでは、お互いに自滅です。
大切なことは、「今、お友達が悩んでいることは、友人のあなたが解決できますか?」 ということを教えてあげることです。特に、家庭内の経済的困窮や父母の不和などの悩みには、寄りそってあげてもいいですが、「あなたでは解決できないこともある」、と伝える勇気も必要です。
「どうしても、見放すことが出来ない」、と考える心根の優しい子には、「大人や信用できる人にこの問題を預けましょう、相談しましょう」、と言ってあげてください。
父母の離婚問題、経済的困窮、係争関係、進路問題もあるでしょう。でも、子どもたちには難しすぎます。どうか大人に相談してください。
経済的問題の悩みが解決すれば、悩みの8割は消えるとも言われています。
ストレスをのり越えたとき、それは人生の階段をひとつ昇ったのです。
のり越えた先には、人生の成功や発展が待っていることを知っていてください。
朝の来ない夜はありません。必ずのり越えられます。過ぎ去りしストレスの日々はいつかあなたの心の勲章として輝かしいものとなるでしょう。
スクールソーシャルワーカー 村崎京子(仮名)

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井澤一明代表 東京MXテレビ
「田村淳の訊きたい放題!」 に出演
東京MXテレビ (東京メトロポリタンテレビジョン) の情報番組 「田村淳の訊きたい放題!」 に、井澤一明 (いじめから子供を守ろうネットワーク) 代表が出演しました。
5月6日(土) 午後5時からの同番組では、少年法の改正について意見を求められました。
【写真】 当事務所で取材を受ける井澤一明代表

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子どもたちが、人間関係において
適度な距離感を保つためには (その1) 前回、子どもたちのストレスには、人間関係上のものが多いこと、それをのり越えるため、相手の長所を見るようにしましょう、他人に対する寛容さや包容力につなげる教育が大事だ、ということをお話ししました。
しかしながら、未然に予防教育をしていても、現実的には、ストレスにさいなまれ、視野狭窄になってしまい、もう他のことが考えられない状態になってしまう場合もあります。
特に、「5月のGW明けや9月1日には自殺が多い」、「注意しなければ」と教育界では言われています。これは、連休中や夏休み中には人間関係の悩みから解放されますが、結局は先延ばしに過ぎず、休み明けが近づくと苦しくて思い悩んで、衝動的な行動に走ってしまうと考えられます。そうだとしたら、とても悲しいことです。
しばしば、スクールカウンセラーは、「逃げていい。避けてもいいんだよ、休みましょう」と声をかけることがあります。緊急避難的にフリースクールや教育支援センター(適応指導教室)に通うこと、それも大事な選択肢のひとつです。いったん他の空間なり他の人間関係の中でリハビリして元気が回復するのを待つことはとても有効だといえましょう。
ただし、今通っている学校から離れてしまうと、なかなか復帰しにくく、不登校が継続しがちです。特に、本人の側に正義や理があって、人間関係に軋轢を生んでしまった子どもには、あとあとまで葛藤を生みやすく、心にダメージを負いやすいという難点があります。
頑張る子、学校に通いたい子、環境を変えたくない子のためにも、できる限り短期間で解決したいものです。その際に、解決法を示してあげることが効果的です。
近年は、子どもたちが煩わされている、人間関係上のトラブルの一番の原因は、SNSの問題です。スマホ使用は、小学生で40%前後、中学生でほぼ60%、高校生でほぼ100%となっています。
そのため小中高では講習会や啓発教育が行われています。スマホトラブルや犯罪に巻き込まれないためには大切な教育ですが、子どもたちの肝心の悩みには応えられていません。
よりよい人間関係を築くためには、適度な距離感を保つことが重要です。
そのために知っておくべき前提条件は、「パソコンやスマホなど便利な道具で時間が短縮されても、それを利用する人との心の距離感は決して同じように短縮されるものではない」 ということです。
これを子どもたちに知らせなくてはなりません。
つまり、現在は 「すぐに返事をくれる子が親友、くれない子はそうでない」、という考え方を持つ子が多いので、このような考え方は、人間関係を考える上で、かえって関係性を狭くする考え方だと教えなくてはなりません。
子どもたちの悩みの中心は 「感情的な問題」 です。感情のもつれによるストレスです。
ひと昔前の世界とは異なり、「すぐに結果が欲しい」、「すぐに伝わったかどうか知りたい」、しかも 「自分の思うとおりに伝わったかどうか知りたい」、という欲求に起因するストレスです。
それは、「既読スルー」 という言葉で表現されるように、「読んだのなら、どうして返事をしてくれないの」、というように、相手をしばってしまうこともあります。
「いつの間に私のグループは他のグループに移ってしまい、自分だけ、はば(仲間外れ)にされているの?」
「あれだけのことをラインで言ったのに、学校で顔を合わせても何も言わないのはどうして・・」
というように、本来なら、当然、言葉のキャッチボールで説明しなくてはならないことが、SNSでは、「空気が読めない」、という一言で済まされてしまうことがままあります。
これでは、子どもは、感情の受け止め方、感情の表し方を学ぶ機会もなく、どうやって考えたらいいかもわからず、結局、感情のコントロールができなくなるのも当然と言えます。
しかも、昔と違い、父母も共働きしていますから、強いストレスを感じたときに、父母も大人も子どものそばにはいないのです。
この感情的なストレスを自分でコントロールできるようになるためには、
「相手の心は変わらないものだ。しかし、自分の心は変えられる。相手のことは理解するようにして、自分について反省すべき点は反省し、自分の心構えだけは変えていこう。」
と決意することです。大事なことは、自分を大切にする気持ちです。
人付き合いの得意な子には、広く浅くサバサバと人間関係を渡っていけるスキルを持っている子もいます。これらの子たちの共通点は、まずは自分を大切にして、深入りせず、適度な距離を取ることを身につけています。
反対に、情が深く、交友関係を大切にする子や、優しい子は、相手の気持ちに配慮しすぎてしまいます。その優しさに乗じて、ベッタリと密着して、くっ付いて離れない子どももいるのです。
ひとりの子が他方の子を一方的に援助しなくてはならない関係は、壊れやすく、結果的にお互いが傷つきやすい関係となります。これは、真実の友情ではありません。
良い関係性を保つには、一定の距離感がどうしても必要です。そして、お互いに自立していることが肝要なのです。(続く)
スクールソーシャルワーカー 村崎京子(仮名)

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広島シンポジウム ご報告 4月30日(日)、広島市で、「いじめから子供を守ろう シンポジウム」 を開催いたしました (於:広島市総合福祉センター5階ホール)。
今回のシンポジウムには、広島県教育委員会、広島市教育委員会、広島市社会福祉協議会から後援をいただきました。 13時30分に司会が開会宣言。来賓の挨拶に続いて、井澤一明(いじめから子供を守ろうネットワーク)代表が、「いじめの前提について」 と題してお話をさせていただきました。【写真】 司会が開会宣言
【写真】 講演する井澤一明 (いじめから子供を守ろうネットワーク代表)
【写真】 高橋史朗先生(明星大学特別教授)の基調講演 そして高橋史朗先生がご登壇。基調講演 「日本の教育といじめ」 をお話しくださいました。
「親から褒められたことのない子、愛されたことのない子がいる。
今、学級崩壊のクラスがある学校は1割を超えた。先生方の中にも保護者とどうかかわってよいのか分からず、学校を去る人もいる。学校に入る前に保護者が教えておくべきことが教えられていない子供が多い。
いじめについては、子供たちの9割が、いじめられたり、いじめたりした経験があると答えているのに、学校では4割の学校がいじめゼロとしている。いじめられても誰にも相談しないと答えた子は39%、我慢する子は54%、そして、自分を守るためにいじめる側になると答えた子が11%もいた。いじめ被害者、いじめ加害者、観衆、傍観者という 「いじめの四層構造」 と言われるが、これが流動的になっている。
海外での、日本人へのいじめも深刻化している。アメリカに行って講演した際に、質問でいじめについて問われた。「総理に伝えてください」と言われた。
小さい子は親と目があうことで親との一体感を感じる。一体感があるから他人の痛みが分かる。そうでないと 「共感性」 は育たない。福沢諭吉は 「学問のすすめ」 の中で、自由独立、独立自尊を説いた。真に自由独立自尊という人間を育てるためには、愛着→他律→自律→自立の過程が大切。愛着で自分の存在を受け入れてもらった子は、他の人の自由を受け入れることができる」 などなど、
ホワイトボードを用いて、約1時間にわたり、熱意あふれるご講演をいただきました。
ご来場の方々は真剣な表情で聴き入っておられました。
【写真】 高橋史朗先生 ホワイトボードを使って講演 休憩の後、第2部が開始。最初に有志メンバーによる 「いじめ防止ライブ」 が行われました。オリジナルのいじめ防止ソングなどが披露され、来場者から自然と手拍子が起こり会場全体が一つになりました。【写真】 第2部の初めに 「いじめ防止ライブ」 オリジナルのいじめ防止ソングなどを演奏【写真】 第2部のパネルトーク 「現代の教育現場の実情といじめについて」
パネルトークでは、司会の下川原悠生さんも加わり、高橋史朗先生、小学校教諭の太田絢子先生、山本浩徳(いじめから子供を守ろう ネットワーク広島代表)がパネリスト、井澤一明代表がコーディネーターをつとめさせていただきました。
「現代の教育現場の実情といじめについて」 をテーマに活発な討論がなされました。
【写真】 パネリスト:高橋史朗先生氏(明星大学特別教授)、太田絢子氏(小学校教諭)【写真】 パネリスト:下川原悠生氏、山本浩徳(いじめから子供を守ろうネットワーク広島代表)
【写真】 コーディネーター:井澤一明(いじめから子供を守ろうネットワーク代表)
このシンポジウムがいじめ防止の一助になれば幸いです。今後も活動を続けてまいります。
ご来場の皆さま、ありがとうございました。

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◇ 代表メッセージ ◇
◆◇ 教員が子供のことを考える ◇◆ゴールデンウィークが終わりました。
中間テストが迫っていますが、授業も落ち着き、子供たちも新しいクラスに慣れてきた頃です。
あわせて、いじめ相談が増えてくる時期でもあります。
さて、4月28日に文部科学省が2016年度の 「教員勤務実態調査結果」 を公表しています。
報道によると、中学校教員の57・7%が国の過労死ラインに相当する 「週60時間以上」 の勤務をしていることが明らかになりました。小学校教員でも33・5%という数字となりました。
10年も前の2006年当時でさえ、「教員が子供と向き合う時間や生徒のことを考える時間が減った」 と言われていたものです。
それが私たちが活動をはじめた2006年に比べて、中学校では、1ヶ月の残業時間が20時間以上も増え、平均で93時間以上もの残業をこなしているとのこと。
しかも教員は、昼食時でさえ子供たちを見守らなくてはならず、実質的には 「休憩時間が存在しない」 という過酷な勤務体系となっていることも知られています。
このような状況が、いじめに対して立ち向うエネルギーを教師から奪っているのかもしれません。
先月、4月26日には仙台市で中2男子生徒が自殺し、5月5日の早朝、埼玉県川口市において中3女子生徒が死亡するという自殺事件が相次いでいます。
残念ですが、いじめが起きていた可能性が高いようです。
特に仙台市は、2014年9月の中1男子、続いて2016年2月にも中2男子と相次いで自殺事件が起きています。
その都度、学校、教育委員会の対応のまずさ、ひどさが問題として指摘され続けています。
今回も仙台市教委は、「いじめはなかった」 と会見した4日後に、突然、「いじめはあった」 と認めたのです。
河北新報の記事を下記に引用いたします。
------------------
曖昧にしていたいじめの有無は、わずか数日で 「ない」 から 「ある 」に一変。(略)
見解の修正・撤回に影響したのは文部科学省の意向だ。文科省は1、2の両日、市教委に対し、今回の問題をいじめ防止対策推進法が定める 「重大事態」 と捉えるよう指導。
市教委は2日、今後は重大事態として調査を進める方針を決めた。
市教委幹部は29日の会見で当面、一般的な自殺事案として扱う方針を強調したが、文科省の指導で1日に 「重大事態と同等」(佐藤正幸市教育局次長)と転換。2日には完全に軌道修正した。
------------------
文科省が何も言わなければ、いまだに 「いじめはなかった」 といい続けていたかもしれません。文科省の指導は当然のことであり適切であったと思います。
その後の報道では、昨年の6月には、本人がいじめを訴えていたことが判明しています。
いじめのアンケートにもいじめられていると回答していたというものです。
また、学校も両者の指導に当たったことが報道されています。
つまり、「知らなかった」 はずはありません。
必ず明らかになる事実を隠そうとするとは、あまりにもお粗末です。
遺族や無くなった生徒への冒涜的な行為だと言わずにはいられません。
仙台市は、事件のたびに対応を強化することを繰り返し表明してきたのですが、体質改善には至っていなかったのです。
なによりも 「組織を守るため」 という閉鎖的思考が優先されているのです。
先日、講演に伺った学校の校長先生はこの会見についていきどおっておりました。
「まだ、こんなことをしているとは信じられません。
確かに昔はこのようなところがありましたが、今の時代、こんな対応はどこでもしませんよ」
同じ、教員としての恥ずかしさや怒りが込められた言葉だったように思います。
学校は今、いじめの事実に正直に向き合う姿勢を有しているかどうかが、問われています。
冒頭の 「過労死レベル」 の残業に追われている先生たちの 「教師は忙しい」、「教師は残業代もつかずに頑張ってるんだ」 という言葉は理解はできます。
でもそれは、いじめや不登校の前では、理由になりません。
「忙しくて子供を見れない」 のであれば、子供を見られるようにしなくてはならないのです。
文科省、教育委員会が一丸となって教師の業務時間の改善と教師の意識改革に、早急に手を付けなくてはなりません。
いつまでもほっておくべき問題では、絶対にありません。
5月、子供たちのトラブルが起きやすい季節です。
よくお子さんの言動や行動を見守ってあげていただきたいと思います。
何か、気になることがございましたら、ご遠慮無くご相談ください。
一般財団法人 いじめから子供を守ろうネットワーク
代表 井澤一明
井澤一明ブログ: http://ameblo.jp/kzizawa/Facebook: http://www.facebook.com/kz.izawaTwitter: @kzizawa

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★☆ ストレス・マネジメント解決法 ★☆ 「ストレス・マネジメント」 という言葉を前回のメルマガで使いました。主に精神医学的、臨床心理学的見地からの解説は、文部科学省ホームページ 「心のケア」 に詳しく掲載されていますから、興味のある方はご覧になってください。震災やテロなどのストレスや子どもが受けるPTSDなど専門的な用語での説明があります。
<HP:http://www.mext.go.jp/a_menu/kenko/hoken/1353633.htm>
実際に、学校で使われるストレス・マネジメント教材のチェックリストでは、
「今の自分の心身の状態を知りましょう」、
「いつどのようにストレスが起こるか知り、これからに備えましょう」、
「セルフケアできるようになりましょう」、
といったものになっています。呼吸法やリラクゼーションの活用もあります。
休息したり、開放感を味わったり、神経を伸ばすことを意識することは一定の効果があります。
子どもや保護者から実際のヘルプ・シグナルが寄せられた場合の 「ストレス・マネジメント」 の効果についてですが、深い悩みには対応できていません。ストレス・マネジメントにも段階があるというのが現実です。
私は、人間の心は、動物の反応や認知とは全く異なると思っています。そのため私は、文部科学省主導のストレス・マネジメントの方法をツールの一つとして捉えることはあっても、あまりお勧めしてはいません。なぜなら、人間には知性や理性のほかにも感性や悟性というものが備わっているからです。
ここでは、読者層の中心である保護者、教員、支援者向けを意識して、わかりやすく、やさしく書いてみます。直球ストレートで、より現実的な救済に的をしぼって述べたいと思います。
まず、学校という組織、集団の中でのストレスをどう乗り越えるか、といった視点です。
児童、生徒たちにとっては、成績上の問題などの悩みもありますが、大きなストレスとして、同級生や先輩、後輩との人間関係、先生との関係などなどの、「人間関係のストレス」 を抱えています。この人間関係ストレスを解決する心のマネジメントを考えてみましょう。
思春期の子ども達は、「人からどう見られているか」 にとても敏感です。自我の確立の時期であり、だれしも対人関係で不安を抱えます。
全員がだれともフランクに話せて、社交的であり、お友達を巻き込んで楽しい集団を作り出せるとしたら、どんなにか良いでしょう。
しかし、実際には、緘黙 (かんもく) の子ども、「ひとりぼっち」 を好む子どももいます。最近の報道で、ある動物園で集団に馴染めず、壁をむいて一日中、立っているペンギンに共感を示す若者のコメントが話題になっていました。
学校の中にいると、登校しても、だれとも話さず、挨拶も交わさず、だまったまま帰宅する子どもをよく目にします。こんな子が増えてきているように思われます。
下校途中に小学時代の親友をみつけて走り寄り、「今日初めて口をきいたぁ」 と会話しているのを見ると驚かされます。
「傷つきたくないから」、「自己防衛なのだから」、と言ってしまえばそれまでですが、他人の言動に傷ついた子、人と人との間の距離感をつかめないでいる子、人間関係の保ち方で困っている子、助けを必要としている子、そんな子たちが今ここに存在しているのです。助けなければなりません。
そのためには、子どものありのままを受け入れ、自己肯定できるよう支えることが大切です。これが前提です。
保護者は、「誰が何と言おうとも、あなたはあなたらしく生きていけばいい」、と全てを受け入れ、安心できる空間や居場所を提供することが大切です。
そのうえで、徐々に教えていかねばならないことがあります。
人間関係に悩んでいる子ども達に、直接、話す際に、最初に言うべきことは 「ものの見方、とらえ方」 についてです。
「物事を見るときの見方や感じ方は本当に人それぞれであり、誰もがまったく同じではない、ということを知りましょう。」 ということを教えるということです。
保護者や教師が、同じ事実に対しても、いろいろな見方があることを教え、他人に対する寛容さや包容力を伸ばす教育が、未熟な思春期の子どもたちには必要です。
卑近な例ですが、小学4年生のときの印象に残っているエピソードを紹介します。昔の田舎の小学校のことです。
障がいのある同級生の子がいました。授業中、立ち歩く、先生のいうことを聞けない、ルールも守らない、当然、集団行動はとれません。クラスのみんなは迷惑をかけられ、彼を嫌がっていました。
秋のある日、電車に乗って郊外へ遠足に出かけました。障がいのある彼は、停車する駅名すべてを止まる前に答え、その先の沿線上の駅名もスラスラと全部暗記していたのです。クラスメートたちは 「すっげえ」 と感心しきりでした。
翌日、彼は疲れか休んだのですが、担任の先生はクラス全員を前にして、「ほんとうは頭がいいんだよ」 と彼の能力の高さをほめて、ほかにも動植物への優しい気持ち、純粋な心をたたえました。
先生はお別れが近いこともわかっていたのでしょう。彼は5年生になると、他の小学校の特別支援学級に移り、その後、二度と会えませんでしたが、人間としてとても大事なことを教えてくれました。担任の先生からは、思いやり、という言葉を示されましたが、今で言えば、ソーシャル・インクルージョン教育 (注) だったと思います。
子どもから見れば、ルールを守れない困った子ですが、先生は全く違う、慈愛の目で見ていたのです。
このように、子ども達にとって大切なことは、基本的に 「他の人の長所やよいところを見る努力をすること」 を示していくことが大切です。
だれしも自分の長所を見てくれる人に対しては、「いい人だ」 「良い友達だ」 と思いますし、「付き合いたい」 と思うことでしょう。
ところが、他人の欠点ばかりをあげつらってくる人に対しては、自然とその人からは足が遠のいてしまいます。
優等生と見える子にも落とし穴があります。先生から見ると、成績スポーツともに優秀で性格も良く、先生の手足となって助けてくれ、学級委員として活躍してくれる女子生徒が、意外にも女子仲間から仲間外れにされ、イジメを受けていることがあるのです。
頭の良い子は細かいことがよく目につき、同時に他人のアラや欠点がよく見えるようになるのですが、クラスをまとめようとして、さらっと言ってしまった言葉で相手が傷つき、人間としては嫌われることもあります。
そういった頭の良い子には、「あなたにも間違ったり、失敗したりすることがあります。相手も同じです。お互いに許したり、受け入れたりすることが、人間として尊いことなのです。」 ということを教え、人間としての 「徳」 を教育していくことです。
将来のリーダーには、「自分のことよりも、より多くの他人の幸福のために考えをめぐらす人こそが徳ある人なのだ、人間として大きな器なのだ」、ということを教えましょう。
いつの日か、日本や世界のリーダーになる人物かもしれません。
スクールソーシャルワーカー 村崎 京子 (仮名)
(注)
「ソーシャル・インクルージョン教育」 は、教育段階において、障がいを持った子供が大半の時間を通常学級で学ぶ教育。「社会の構成員として包み支え合う」 という理念のもとで、障がいのある子もない子も同じ場で学ぶ教育。
次回は、適度な距離感を保つ、です。

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ご案内: 5月3日(水・祝) 那覇市でシンポジウム開催
井澤一明代表が講演 「いじめの現状と解決策」
【いじめから子供を守ろうネットワーク 沖縄】 風薫る5月、憲法記念日の5月3日(水・祝)、沖縄県那覇市で、「ストップいじめ! いじめシンポジウム 2017」を開催いたします!(於:沖縄県立博物館・美術館)
井澤一明 (いじめから子供を守ろうネットワーク代表) の講演 「いじめの現状と解決策」、パネルトーク 「いじめ問題にはどう取り組むか」 を通じて、なぜいじめが多発するのか、どうしたらいじめは防止できるのか、など、皆様とともに考えていきたいと存じます。
どなたでもご参加いただけます。 お誘いあわせてふるってご来場ください。
詳しくは次のとおりです。
☆ ストップ いじめ! いじめシンポジウム2017 ☆
日 時 : 2017年5月3日 (祝・水) 14時~
会 場 : 沖縄県立博物館・美術館 博物館講座室 (住所: 沖縄県那覇市おもろまち3-1-1)
アクセス : 沖縄都市モノレールゆいレール 「おもろまち駅」 下車 徒歩10分
プログラム
第1部 : 基調講演 「いじめの現状と解決策」
講師: 井澤一明 (一般財団法人いじめから子供を守ろうネットワーク代表)
第2部 : パネルトーク 「いじめ問題にはどう取り組むか」
パネリスト: 徳留博臣氏 (那覇市いじめ防止プロジェクト代表) 岡田修氏 (少年サポート指導員・保護司) 井澤一明 (いじめから子供を守ろうネットワーク代表) ほか。
主 催 : いじめから子供を守ろうネットワーク 沖縄
★多くの方のご来場をお待ちしています!

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