THE JAPAN TIMES ON SUNDAY
(ジャパンタイムズ日曜版) が
井澤一明代表へのインタビューを掲載 英字新聞 「THE JAPAN TIMES 」 ( ジャパンタイムズ ) が、井澤一明 (いじめから子供を守ろうネットワーク) 代表を取材。
9月10日 (日) 発行の 「THE JAPAN TIMES ON SUNDAY 」 (ジャパンタイムズ日曜版) に掲載された、「Youth suicide (青少年の自殺)」 という記事で、井澤代表へのインタビューを掲載しました。
井澤代表へのインタビュー記事の大意は次のとおりです。
いじめから子供を守ろうネットワーク代表の井澤一明代表は、いじめを防止する鍵は、学校がどのように行動をとるかにかかっていると語る。
しかし、井澤氏のような専門家は、2013年のいじめ防止法において罰則が存在しないことが、教員がいじめ事件について真に責任を取ることを妨げていると語る。
「法律に罰則を入れることでいじめ問題が根絶されるわけではありません。しかし、教師が実際にいじめを止めようとしていないのです。」 と井澤氏は語る。
「実際に起こっていることに比べて、教師が軽く考えすぎていることが現状です。」
いじめ問題の専門家として、井澤氏は全国で講演を行っている。
彼はまたいじめ相談の電話窓口を開き、いじめを受けている多くの子供たちからメールを受けている。
いじめを受けている子供が井澤氏にたどり着くと、彼はそれぞれの子供たちと注意深く関係を構築し、彼らから具体的な情報が得られるまで、いじめの犠牲者である彼らに非常に多くの時間をとって対応する。
「メールはしばしば 『死にたい』 とか 『助けて』 などの短い文章から始まります。」 と井澤氏は語る。
「子供たちは最初は態度が硬いので、メールを通じて信用してもらい、また彼らの問題について語ることで、彼らにとって安全な場所を作れるよう努めています。」

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◇ 事務長メッセージ ◇
◆◇ いじめ解決に目を向けて ◆◇今月12日、文部科学省が、平成31年度を目標にしていた全公立小中学校へのスクールカウンセラーの配置を、1年前倒しにする方針を決めたという報道がありました。
その報道によりますと、29年度に2万6千校に配置されたスクールカウンセラーが、30年度には2万7500校に拡大されるということです。
文部科学省の言うスクールカウンセラーとは、児童生徒の心理に関して、専門的な知識を持つ専門家で臨床心理士などを指します。
学校への配置は、週1日4時間が基本で、貧困・虐待対策では週1日追加する重点配置も行うということです。
文科省の担当者は 「子供は悩みの背景に複合的な問題を抱えている。幅広い知見を持つカウンセラーが教員と連携することで、教員には相談しにくい悩みを引き出すことが期待できる。」と話していますが、週1日4時間だと面談の事前予約で埋まってしまうというのが現実で、担当者も 「今後は時間的な厚みも増やしたい」 と話しているとのことです。
いじめにあった子供たちに対して、心のケアをするというのは、とても大事なことだと思います。
その点においては、スクールカウンセラーの配置は効果があるかと思います。
しかし、スクールカウンセラーを配置しただけでは、いじめは解決できないということを、知っていただきたいと思います。
いじめは、いじめ加害者に、いじめを止めなさせなければ解決できません。
そして、そのいじめ解決に一番の障害となっているのが、動かない教育現場なのです。
いじめ問題の相談をしても、
・いじめとは認めない。
・話は聞くが、何の対策もしてくれない。
・モンスターペアレンツ扱いをして、話を聞かない。
・何事もなかったと隠蔽する。
実際にこのようなことが起きています。
文部科学省もこういった現場に、もっと目を向けてもらいたいと思います。
動かない教育現場に困っている人たちに対して、相談の窓口を開設する。
調査員を派遣し、実態を調査する。
現場を指導し、いじめ解決に対して、誠意を持って対応するようにする。
このような部署を、文部科学省が作れないものかと思います。
本来であれば、学校に対しては、教育委員会がこういった役目を果たさなければならないのですが、教育委員会も学校と同じように動かない場合は、文部科学省がその役目を担う必要があると思います。
あの取手のいじめ自殺事件も、文部科学省が出てきたことによって、学校も教育委員会もいじめを認めました。
これが教育現場の実態です。だからこそ、文部科学省の力が必要なのです。
私たちも、シンポジウムやセミナーなどを活動を通して、文部科学省に提言していきたいと思っております。
皆様のご協力をお願いいたします。
いじめから子供を守ろう ネットワーク
事務長 丸山秀和

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札幌 「エルプラまつり 2017」 に出展!
大盛況! 今年は 井澤代表のトークも 去る 9月9日(土)、北海道札幌市、札幌駅前の札幌エルプラザにて、毎年恒例の 「エルプラまつり2017」 が開催され、今年も 「いじめから子供を守ろうネットワークさっぽろ」 がブースを出展し、大盛況でした。【写真】 いじめから子供を守ろうネットワーク札幌の出展ブース
【写真】 ブースには多くの方々がお立ち寄りくださいました。 来場者の方々にチラシなどお渡しし、いじめ防止を呼びかけ、井澤一明代表も東京から駆け付けて、いじめの個人相談も受付けました。
今年はさらに、大学生のボランティアの運営で、いじめに関するトークが行われ、ustreamで配信されました。
【写真】 いじめに関するトーク。司会・運営は大学生のボランティア団体です。

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いじめをテーマにした 映画 「わたしたち」
公式サイトで井澤代表がコメント 9月23日(土)、映画 「わたしたち」 が東京で公開されます。
いじめをテーマに、子供たちの日常、揺れ動く心を描いた、韓国映画です。今後、順次各地で公開されていく予定とのこと。
映画の公式サイトで、井澤一明(いじめから子供を守ろうネットワーク)代表が次のコメントを掲載しました。映画 「わたしたち」 の公式サイトはこちらです。
http://www.watashitachi-movie.com/

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◆◇ ネットいじめ解決法②(学校編)
「道徳心を育てる教育プログラムの授業」 ◇◆【前回まで】
中学2年生のグループでSNSいじめが起きました。関わっているのは、ドラえもん、のび太、ジャイアン、スネ夫、しずかちゃん、できすぎくん、そして、転校生のちびまる子ちゃん。(その子たちのイメージをマンガのキャラクターにあてはめて表記しています)。
SNSで、ちびまる子ちゃんが仲間外れにされてしまいました。いじめの首謀者は、なんと「しずかちゃん」。
さらに続いて、スネ夫がいじめの標的にされました。PTA役員のスネ夫のママが気づき、学校にいじめを通報しました。
校長、教頭はじめ教師たちが連携していじめ解決に取り組み、いじめは収まりました。
前回は、リーダーシップのある校長先生のもと、理想的な学校のいじめ対応をお示ししました。トップダウン式で組織の規律性が高く、チーム学校として取り組むことができる、加えて、自由にモノが言える機能が、その学校にはありました。
けれども、実際は、このような学校はめずらしいのです。
学級崩壊やいじめ事案が起きると、担任教諭が抱え込んで、周囲が支えきれずに、バーンアウトしてしまい、ついにはメンタルで休職してしまう、そんな光景が全国のあちこちの小中学校で起きています。解決は単純ではなく、様々なジレンマを抱えていることが多いのです。
今回は、トップダウン式ではなく、ボトムアップ式の解決についてお話をすすめます。
〇いじめ問題は、さまざまな対立構造軸の内にある
ある学校でも同様な事件が起きました。 ここでは比較のために、先の学校と同じキャラクターをあてはめてみます。
ちびまる子ちゃんは、いじめを受けた後遺症から今も保健室に登校しています。
ある日、しずかちゃんのお母さまから学校に苦情が入りました。
「うちの子がいじめの加害者だという根も葉もない噂が、他の学年にも飛び火しているんです。妹の同級生の親から、その噂をSNSで聞かされました。私は子どもを信じています。なんとかしてください。」
しずかちゃんの家は地元の議員と血縁で影響力があります。
しずかちゃんは言いました。
「たしかに、私のほうに非がある表現をSNSでしてしまったのは事実です。その点は、先生を通じて謝罪しました。(まる子ちゃんが「会いたくない」と言うので)。けれども、その子の言葉の受け止め方にも問題があると思います。」
優等生のしずかちゃんの言い分には、一見、説得力があるようにみえます。
しかし、自己中心的な見方をして、開き直っています。いじめを受けた相手側はどう感じているか、何がつらいのかなどの、相手の気持ちへの思いやりや配慮がありません。
このクレームをきっかけにして、教員の意見も分かれました。
「本当に、学年集会まで開いて指導すべきことだったのか」
「心の弱いまる子だけの個人的な問題だったのではないか」
「まる子の家庭的背景が影響していたのではないか」・・などなどです。
実は、先生同士の力関係の構造もあって、正しいことを言う先生の意見が必ずしも通るわけではありません。
とうとう担任は休職してしまいました。若い副担任が担任になり、何も事情を知らない非常勤講師が教室のサポートに入ることになりました。
すでに噂が噂を呼び、保護者の間でも大きくもめてしまいました。
こんなときに「緊急介入」として、私は学校に呼ばれたのです。
自信を無くした管理職、目がうつろな学年教師団、涙を流す新担任。それだけではありません。まる子ちゃんのお母さまからSOSも入っています。悪い噂をお母さんネットでも流され、地域で孤立しているようです。
学校は、PTA役員から、「保護者会を開いて、事実関係を明らかにするように」と要請を受けていました。保護者の一部が市の教育委員会に連絡をし、校長は説明を求められています。
〇教師同士のピア・サポート(仲間の支援)、全体を底上げするプログラムへ
問題解決のためにはキーマンを決め、そのキーマンをサポートする体制が必要です。
私は校長と方針を話し合いました。そして、最優先で支える人を定めました。新担任です。若いがバイタリティがあります。
校長先生と担任が信頼を寄せているベテラン教員を、学年を超えてサポート役として、ピア・サポート体制の基盤としました。
公式ではなく、インフォーマルな関係で差し支えありません。担任が、いつでも井戸端会議風に相談にのれる体制と機会をとったのです。
この結果、教師団が徐々に本来の落ち着きを取り戻していきました。
また、地域事情、兄弟姉妹関係にも熟知している、別のベテラン教員をチーム内に入れることを提案し、学年とクラスに利害関係のない教員も含めた先生方で、学年、クラス・アセスメント(情報を収集・分析し、解決すべき課題を把握すること)を行いました。
ブレーン・ストーミング方式(注)で会議を行うと今まで気が付かなったアイディアが豊富に出てきました。そのため、この良い空気のまま、コアメンバーを中心にして、教職員全体にミーテイングを広げました。そして学校全体が自信を取り戻すことができました。
このような手法を「エンパワーメント」といいます。先生方に本来備わっている力量を引き出していく方法です。
本来、授業が命の先生方です。
「クラスを立て直し、道徳心を生徒たちにどう持ってもらいたいか」という話し合いの中で、「中間層の生徒たち、のび太君たちが、きちんと『正しいことを正しい』と言えるようになることが大切なのではないか。」という、集団維持に大切な視点の意見が出てきました。
教員同士が信頼関係でつながったように、クラス全体を底上げし、生徒同士の信頼関係を回復し、正しい道のりを歩んで行くことを目標にして、教師が導いていこう、という方向づけがなされました。
先生方がよみがえったのです。そこで、智慧のつまった「道徳心を育てる教育プログラムの授業」について本格的に話し合いました。
〇コンセンサスづくりから真実の信頼関係へ、そして公開「道徳」授業でネットの闇を一掃すること
SNSについては、規制派と積極的活用派に意見が分かれ、この意見を中心に議論が重ねられました。
インターネットは便利です。最新の知識を手軽に手に入れられ、時間の効率化を促進します。善用すれば、教育効果が上がり、成績も向上し、効率的な仕事力を持つ人に育ちます。民間電話会社に依頼すれば、講師が学校に来てくれて、「誤解されない言いまわし」「ダサくない言いまわし」を学ぶことができ、自分への「シカト」や「いじめ」を防止し、グループからのけ者にされないテクニックを身につけることができます。
しかし、一方で、過去の報道にあったように、SNSいじめ自殺事件の真実の原因となった、「美しさや優秀さ、特技などを持った他人への『嫉妬心』をどう克服するのか」は教えてくれません。
スマホを中断し、いったん置いて、「自制心をもって勉学を続けることの大切さ」も教えられません。
道徳心が無ければ、「人から見られていなければ、いくらでも陰でコソコソと卑劣なことをしても構わない」、「バレなければ何でもしていい」と思う子が育ちます。
そして、表面的に社交的な言葉が使え、一見、格好いい文を書ける子がリーダーとなり、深いところで邪悪な心を持った人に育っていきます。大人になると、自分では手を染めず、トラップ(わな)をつくって、他人をはめる、そして、それを他人に実行させる、そういう悪魔の所業をするかもしれません。
私も身近で実際に、そのような大人を見てきました。頭の良さを、自己保身や他人を軽蔑するために使う人には共感はできませんね。
本来の道徳教育とは、「自制心」「克己心」「平常心」を教え、「謙虚さ」や「感謝」に価値を求め、創造性のある未来へ希望を持って拓いていくことのできる人物を育てていくことなのです。
最終的にまとまった、授業の重点ポイントは
・スマホを置いて静かな時間を持てるような自制心を育て、良書に親しむこと
・相手に伝わらない、自己中心的な話し方から、相手の立場に立った思いやりのある話し方へ変化を促していくこと
・道徳心を高める意義ある授業を、エビデンスのある効果的な手法で行い成果を出すこと
この3点で集約されました。
そして、大切なのは、
・教師のだれもが手の届く授業を最初にモデルとして示すこと。
・スーパーマンによる解決ではなく、普通の教師がコツコツと努力して向上し、
周囲と相談しながら問題を解決していけるような授業の工夫を示すこと。
この智慧ある「道徳心を育てる教育プログラムの授業」を示すことになったのです。
「いじめのないクラスを目指して」その真髄を示さねばならないのです。と同時に、さまざまな悪評や噂を一掃しなくてはなりません。
したがって、この授業は、完全公開性の授業参観の形で行われることになりました。教育委員会の幹部たち、しずかちゃんのお母さま、スネ夫のママ等PTA役員、まる子ちゃんの祖父母、他のクラスの保護者も誰もが見ることができる公開授業です。
一週間後の授業に向けて、ご案内のお便りが生徒を通じて各家庭に出されました。
<③に続く>
村崎 京子(仮名)
元教員、精神保健福祉士、社会福祉士、教育委員会スクールソーシャルワーカー
(注)ブレーン・ストーミング
会議のメンバーが、自由に意見や考えを出し合って、すぐれた発想を引き出す方法。

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【写真】 公開授業中に黒板に貼ったポスター
愛知県人権啓発ポスター(平成25年度)
個別課題ポスター(インターネットと人権) ◆◇ ネットいじめ解決法③ (学校編)
「道徳心を育てる教育プログラムの授業」 ◇◆【授業の目的とは、そして精神的支柱の確立を】
前回は、ネットいじめなどのSNSによる問題を防ぐための 「SNS活用教育」 が必要であること、そして、そのためには 「道徳」、「心の教育」 が必須であると述べました。
その授業の核には、教員同士のピア・サポート体制 (仲間の支援)、コンセンサスづくりが重要であるとも述べました。
具体的な授業の要点としては、
① スマホを置いて静かな時間を持てるような自制心を育て、良書に親しむこと
② 相手に伝わらない自己中心的な話し方から、相手の立場に立った思いやりのある話し方へ変化を促していくこと
③ 道徳心を高める意義ある授業を、エビデンスのある(効果が実証された)効果的な手法で行って成果を出すこと
この3点に集約され、加えて、先生方の話し合いの結果、どの教師にもできる授業、「自分で考えて判断できる子」 を育てるという視点も加味されることとなりました。
①の「自制心を育て、良書に親しむこと」 については、「日本と世界の偉人伝」 を中心とした 「朝読書」 をすることとなりました。
「中学生で偉人伝とは?」 という意見もありましたが、ただ読むだけではなく、人としてのアイデンティティの確立や社会貢献マインドの育成のため、どうして尊敬されるのかを考えさせることや、最近では津田梅子など女性が主人公の偉人伝も増えてきていますし、吉田松蔭、リンカーンなどが後世に残した影響を考えさせることになりました。
国語、数学、理科、社会、美術・・・それぞれの科目の先生方から、時代背景や考えるヒントが出されました。
②の 「相手の立場に立った思いやりのある話し方へ変化を促していくこと」 については、その基盤づくりとして、週一回、クラスの中で、「友だちの良いところさがし」 (構成的グループエンカウンター) を行うことになりました。
これは、心を開く人間関係づくり、自己肯定感を育てることに役立てます。毎回、相手を決めて、カードにその子の良いところを書いて相手に渡す、渡す相手の組み合わせを変えていくことで、常に他の人の長所を見ていくことの習慣化がなされ、人間関係調和をはかっていきます。
以上に基づいて公開授業が企画されました。
今回は、③の 「エビデンスのある(効果が実証された)効果的な『手法』」 を用いて、②の 「相手に伝わらない自己中心的な話し方から、相手の立場に立った思いやりのある話し方へ変化を促していくこと」 を中心にすえました。
私は、その 「手法」 の一つとして、道徳の柱にゴールデン・ルール (人のいやがることをしない) をかかげて、アサーション (自分と相手を大切にする表現技法) を含む、ソーシャル・スキルズ・トレーニング授業 (3回シリーズ) をご提案しました。
リハーサルには充分に時間をかけました。なんと校長先生が率先してロールプレイのモデル役を引き受けるなど大活躍し、教員同士の士気が一気にあがりました。
授業の要点を紹介します。
・心と言葉のルール (善悪の基準 )について学ぶ。
・ゴールデン・ルールを学ぶ。
ゴールデン・ルールとは 「自分がされていやなことは決して人にしない。自分がされてうれしいことを積極的に人にしていきましょう。」 ということです。
・基本ソーシャル・スキルズ・トレーニング
公開授業は新担任が中心となり、スクールカウンセラーとスクールソーシャルワーカーの2人がサポートする形で行われました。
授業では、「基本ソーシャル・スキルズ・トレーニング」 として、ロールプレイ (注) を行いました。学校生活の中での一場面を切り取って、題材としました。
最初に大人がモデルを示すロールプレイを行い、次に、生徒が2人グループで前に出てきて、やってみます。
監督者 (先生) は、子ども達に加害者側、被害者側の役割を交代してもらい、どんな気持ちだったか、聞いてみます。
次に行うグループが観察者となり、先のグループの実践に対して、良かった点をほめ、「こうすれば更に良くなると思う」 と、ひとこと助言を行っていきます。今度は、観察者だったグループが実践します。
ですから、後のグループは学習し、どんどん良くなっていきます。
第1回目は、「勇気を出して断る」 「心から謝る」 スキルを身につける。 です。
場面設定は大事です。
子どもやインターネット関連の大きな人権啓発ポスターを黒板に貼って、意識が高まるように工夫してみました。
【写真】 公開授業中に黒板に貼ったポスター
愛知県人権啓発ポスター(平成25年度)
個別課題ポスター(子どもの人権) 【感情は行動にともなう】
思春期の子どもたちは、繊細です。
しかし、大人が正しいモデルを示し、勇気という翼をつけてあげることで、思いのほか飛翔していくことができます。
「自分の言葉で思いを伝えること」
「自分も相手も大切にしながら、正しいと思うことは静かに話してみよう」
と行動をうながしていきました。
出版されている様々なソーシャルスキル教育の書籍を読むだけでは、その真髄はなかなか伝わってきません。
アイコンタクトや、手振り身振り、実際やってみせることが大切ですし、実際に授業をするからこそわかることも多いのです。
【子どもたちの人間関係修正のきっかけになる】
公開授業では、様々なドラマが繰り広げられました。
第1回目の授業で、のびた君やしずかちゃんのいるクラスでは、のびた君が、正しいことを大きな声で言えるようになりました。
一方、私達は、優等生しずかちゃんの更生を心から願っていました。
彼女の心の歪みの原因がかつての人間関係の葛藤にあることがわかりましたので、「子どもたちにはダイヤモンドの心がある」と信じて、あるチャレンジをすることにしました。
かつて小学校時代にしずかちゃんの親友であり、今は不仲の女子を、「心から謝る」のロールプレイの相手方として選んだのです。
もし失敗しても、今より悪くなることはなく、成功したら大きな前進が期待できるからです。教員同士もリハーサルを通じて熟練度を増していましたので、冷静にチャレンジができました。
授業という舞台の上で、最後に登場した、しずかちゃんは形だけではなく、心から「ごめんなさい」と反省の言葉を口に出しました。
その姿をクラスのみんなが見ましたし、しずかちゃんのお母さんも見ることができました。前日まで欠席予定だったちびまる子ちゃんも、教室の角で静かに見ていました。
この授業をきっかけに、しずかちゃんは変わりました。過去のこだわりや心の中の葛藤を捨てることができたようです。他人に寛容な落ち着いた本来の自分を取り戻していきました。
クラスの他の生徒も、相手の成功を祝福できる子たちへと変化していきました。
その後、少し時間はかかりましたが、ちびまる子ちゃんも教室に入って授業を受けられるようになったのです。もちろん養護教諭とスクールカウンセラーの暖かい支えがあってこそでした。新担任と学年主任も家庭訪問を続け、保護者を支援していました。
また、「良いところさがし」授業の影響もあり、クラスの仲間には、まる子ちゃんを静かに見守る体制もできてきていました。
【すべては子どもたちの明るい未来のために】
このようにクラスが落ち着き、学年が安定し、学校全体が信頼と安心の場として回復していくと、翌年の学校全体の成績もあがりました。
PTA保護者からのクレームも無くなり、うれしいことに地域からも行事の後援等の協力体制が広がっていきました。
ネットいじめは、それ以降、全くなくなりましたが、私達は、不断の努力を続けていく決意で実践を重ねています。
授業に創意工夫がなされて、研究を重ねていることは言うまでもありません。
どんな便利なツールも人間が行うものです。
心を正しくコントロールできる人づくりのため、教育者として、私たち自身も真理や道徳を永遠に学び研鑽を続けていく覚悟です。
村崎 京子(仮名)
元教員、精神保健福祉士、社会福祉士、教育委員会スクールソーシャルワーカー
(注)ロールプレイ (role-playing 役割を演じる)
設定された人物になったつもりで発言したり意見を述べたりする学習方法。
疑似体験を通して研修を行う方法。

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「日刊ゲンダイ」
井澤一明代表のコメントを掲載
「子どものSOSの見つけ方」 「日刊ゲンダイ」2014年9月2日号(9月1日 (株)日刊現代発行)が、「自殺が最も増えるのは9月1日 子どものSOSの見つけ方」 という記事で、井澤一明代表のコメントを掲載しました。
井澤代表は、要旨 「夏休み明けから状況が変わると期待をして始業式に出たものの、人間関係が変わっておらず、絶望感を抱いて……という子もいます」
「SOSサインをまず見つけること。…… 子どもが 『私なんかいないほうがいいんだ』 『オレはどぅせダメだから』 と自己否定的な言葉を発していたら要注意です。さらに、頭痛や腹痛などわかりやすく体調にサインが出ていたら、これはすでに相当追い詰められていると考えてよいでしょう」
「今はネット社会で、学校のいじめがLINEなどに持ち込まれるケースが多い。そのため、いつもスマホを手放さなかった子がスマホを見なくなるということもあります。逆に、現実の世界でうまくいかずにネットだけの友達とのやりとりにはまり込み……深夜までずっとスマホでやりとりをするようになるという場合もあります」
等とコメントしました。

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◇ 代表メッセージ ◇
◆◇ 懲戒と体罰の違いについて ◇◆夏休みも終わり、秋が来ています。
早々に文化祭が開かれる学校もあるようです。
今年は、例年にない程、9月1日問題が多くのマスコミに取り上げられました。
日本の多くの学校は9月1日に新学期を迎えます。9月1日、子供たちの自殺が一番多くなるという問題のことです。
新聞、テレビで何度も取り上げられたのですが、今年も始業式を挟んで、報道されただけでも7人もの子が生命を絶っています。
「死ななくていい。学校だっていかなくていい」
直接、そう言ってあげたい。相談にものってあげたい。
でも、なかなか私たちの声が届かない。
皆様と共に、子供たちに 「君を守りたいんだ」 と、もっともっと伝えて行きたいと思います。
さて、8月20日に行われた東京都世田谷区教委主催の中学生の体験学習コンサートで、ルールを守らなかった男子生徒がビンタされたとの報道がなされ、賛否両論、様々な意見がネットを駆け巡りました。
たしかに50年前であれば、「たいしたことではない。ルールを守れない生徒が悪い」で済まされ、新聞沙汰にもならない話です。
昭和の時代、殴られたり、押し入れにとじこめたられたりするのは家庭の当然の「しつけ」でした。
家だけでなく学校でも 「しつけ」 としてつねられたり、しっぺされたり、定規でたたかれたりしていました。「赤毛のアン」 の続編 「アンの青春」 にも、教師になったアンが鞭をふるう場面がでてきますので、かつては、珍しいことではなかったのでしょう。
しかし、ビンタされるのはいやなものです。叩かれるのは一瞬ですが、痛みを想像しながらビンタが飛んで来るのを待つもいやですし、叩かれた後も 「俺は悪くないのに」 とか 「あいつもなのに」 などの思いが浮かんできて気分がめいります。
指導者が 「なぜできないんだ。なぜ言うことを聞かないんだ」 という気持ちになることもあるだろうとは思います。
長らく、日本では 「教育」 という名のもとに体罰が容認され、教育の現場には警察も介入しないという、治外法権的対応がなされてきました。
しかし、「人を殴ったら暴行罪」 です。成人でしたら当然、逮捕です。これが日本の法律です。
今回は、教師が行ったわけではありませんが、教育の現場で起きたことです。
「体罰」 ということについて文科省の指針が出ていますので、保護者としては知っておく必要があると思います。
学校教育法第11条では、
「第十一条 校長及び教員は、教育上必要があると認めるときは、文部科学大臣の定めるところにより、児童、生徒及び学生に懲戒を加えることができる。ただし、体罰を加えることはできない。」
と体罰を禁止しています。
どのような行為が体罰に該当し、どのような行為が懲戒なのかということについて、文科省のホームページに 「学校教育法第11条に規定する児童生徒の懲戒・体罰等に関する参考事例」 として考え方が例示されています。
一部を紹介いたしますと、体罰としては以下のような事例がのっています。
・前の席の児童に足を当てた児童を、突き飛ばして転倒させる。
・反抗的な言動をした複数の生徒らの頬を平手打ちする。
・立ち歩きの多い生徒を、頬をつねって席につかせる。
・放課後に児童を教室に残留させ、児童がトイレに行きたいと訴えたが、一切、室外に出ることを許さない。
・宿題を忘れた児童に対して、正座で授業を受けるよう言い、苦痛を訴えたがそのままの姿勢を保持させた。
「体罰にあてはまらない懲戒としての事例」 も掲載されています。
・放課後等に教室に残留させる。
・授業中、教室内に起立させる。
・学習課題や清掃活動を課す。
・学校当番を多く割り当てる。
・立ち歩きの多い児童生徒を叱って席につかせる。
・練習に遅刻した生徒を試合に出さずに見学させる。
また、このページには、正当な行為 (通常、正当防衛、正当行為と判断されると考えられる行為) として、
・休み時間に廊下で、他の児童を押さえつけて殴るという行為に及んだ児童がいたため、この児童の両肩をつかんで引き離す。
・全校集会中に、大声を出して集会を妨げる行為があった生徒を冷静にさせ、別の場所で指導するため、別の場所に移るよう指導したが、なおも大声を出し続けて抵抗したため、生徒の腕を手で引っ張って移動させる。
などの事例も掲載されています。
従って、今回のコンサートにおいては、「生徒を抱きとめて静止させる」 という対応が望ましいと言えます。
ちなみに、このような場合、外部の指導者だけが子供たちを指導していたわけではないはずです。当然、教育委員会の先生や、外部の指導者をサポートする教師も舞台の隅にはいたと考えられます。
本来はサポートする教師が対応すべきことで、そこまでの配慮が足りなかったことを残念に思います。
全体をコントロールする運営責任者を置いて、プログラムや時間配分を管理するのは当然ですし、もしもルールを逸脱した生徒が出た場合には、制止する役割の教師を配置するなどして、催しを成功に導くための準備や配慮が必要です。
その意味では、運営側の自覚が不足していたと感じます。
以上述べてまいりましたが、いじめと体罰は別のものにも見えますが、いじめ相談の中には教師によるいじめの相談もあります。
私たち保護者も、今の教育の中で、どこまでが 「懲戒」 として認められているかということも確認しておきたいと思います。
新学期を迎え、様々な不安を感じることがあろうかと思います。
気になることがありましたら、早めにご相談いただけますよう、よろしくお願いいたします。
一般財団法人 いじめから子供を守ろうネットワーク
代表 井澤一明
井澤一明ブログ: http://ameblo.jp/kzizawa/Facebook: http://www.facebook.com/kz.izawaTwitter: @kzizawa

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お知らせ : 9月9日(土) 札幌駅北口広場向い
「エルプラまつり2017」 に出展 いじめ防止キャンペーン
井澤一明代表も参加 いじめ相談も実施!
【いじめから子供を守ろう ネットワーク 札幌】今年も、 「いじめから子供を守ろうネットワーク 札幌 」が
「エルプラまつり」 に出展参加します!
場所は、札幌エルプラザ3階ホールの中です!
一人で悩まないで!
「いじめから子供を守ろうネットワーク」の出展ブースでは、
ポスターや、チラシなどお配りして、いじめ根絶を呼びかけています!
井澤一明 (いじめから子供を守ろうネットワーク代表) のいじめ相談 (相談無料、秘密厳守) も行います!
お気軽にお立ち寄りください。
【いじめから子供を守ろうネットワーク 札幌 戸嶋友子】
「エルプラまつり 2017」 詳しくは次のとおりです。
日 時: 2017年9月9日 (土) 10時~15時
会 場: 札幌エルプラザ公共4施設 3階会場
(住所: 北海道札幌市北区北8条西3丁目 札幌エルプラザ内)
アクセス: 札幌駅北口広場向かい / JR札幌駅北口より 徒歩3分
地下鉄南北線さっぽろ駅より 徒歩7分 / 地下鉄東豊線さっぽろ駅より 徒歩10分
入場: 無 料
★ 多くの皆様のご来場をお待ちしています!

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