★☆ 君たちはどう生きるべきか。
私はどう教えるのか。(2) ☆★ 日本の若者人口は減っているのに、自殺者数は横ばいである。
子どもの自殺は減らない。いじめを苦にした自殺もあとをたたない。
平成25年7月10日に亡くなった名古屋市の中2の男子中学生は、「いろんな人から『死ね』と言われた」、「自分が嫌になりました」、「あの世があるなら見ています」 と遺書に書いて、自宅近くのマンションから飛び降りた。
しかし、ときには何もメッセージを残さず、衝動的に飛び降り自殺をすることもある。
事件の後、「自殺した背景に何があったのか」、「いじめがあったのではないか」、「その時の気持ち、本心を知りたい」 と、大人たちは、遅まきながら、あとから、心の軌跡をたどって歩くようになる。
ある少女が突然、亡くなってしまった。
その子は 「カラフル」 という小説を読んでいたと聞いたことがある。
「カラフル」 は、高校生の読みたい小説の1冊として、この10年余り、常に名前があがっている。アニメ映画にもなっている。
内容はこうだ。
死んだはずの 「ぼく」 の魂の前に、いきなり天使があらわれ、「抽選にあたりました!」 と言う。
天使によれば、「ぼく」 は大きな過ちをおかして死んだ罪な魂だが、抽選にあたったので再挑戦の機会を与えられた、再挑戦とは下界で修行することで、下界で誰かの体を借りて一定期間すごす、「ホームステイの修行」 をおこなうこととなる。
「ぼく」 の魂は 「小林真」 という、自殺した中学3年生の少年の肉体に宿り、自殺から生き返った 「小林真」 として、その家族や学校での 「修行」 が始まった・・・。
物語としては面白いかもしれない。
でも、私はこの小説を読んで、とても悲しくなった。
思春期まっさかりの中学生や高校生の共感を呼んでいるということは、その子たちも同じような悩みを抱えているということではないか、と思うからだ。
「カラフル」 では、家族であっても傷つくのを恐れて、お互いの心に踏み込んでいけないでいる。家族のコミュニケーションがないのだ。
この20年間、日本の社会は希望が見えてこない、と言われている。家庭もまた、幸福な家庭環境でないということだ。
もちろん小説は道徳ではない。けれども、人生の指針を考えるうえで、どうしても語っておかねばならないと思うから、筆をとることにした。
今、小説 「カラフル」 を読んでいる中学生や高校生の 「女の子」 に語ろう。
ひとつ、どんなに苦しんでも、自殺してはいけない。「カラフル」 の冒頭で、天使が 「君は間違いを犯した」 と言っているのは正しい。
人間は死んだら終わりではない。
「死んだら意識がなくなり、消えると思った」、「自殺したら、苦しみから解き放たれ、楽になる」、とか思っていたら大間違いだ。
キリスト教でも自殺は罪とされ天国に還れないと言われている。
仏教ではお釈迦様が自殺をすればもっと重い荷物を背負うことになると教えている。
自殺は普通の死と違い、死んだらもっと苦しむというのが通説である。君は幽霊になって心霊写真にでも撮られたいの?
ふたつ、「カラフル」 では、「父親が悪徳産業に従事していた」 とあるし、「母親がフラメンコ教室の講師と浮気」 とある。
君が主人公と似たような状況にあって、親を憎んでいたとしても、あなたをその年まで食べさせ、学ばせ、安全に暮らしを守り、成長させてきたのはご両親のおかげであるし、親でなくても誰か君を育ててきた人がいるはずである。
今まで生きてきた人生を振り返っても、自分だけで生きることはできないことを知っているよね。ごはんにしろ、服にしろ、多くの人の手によって作られ、そして、与えられてきた。
君たちに必要なことは 「感謝する」 気持ちを持つことなんだ。
そして、あなた自身が、赤ちゃんから思春期になるまでに、たくさんたくさん許されてきたのだから、あなたもまた、親や周りの人を許しなさい。
「ああ、愛されていたんだ」 と実感した時、君の心が変わることで、世の中の見え方は変わる。周囲の景色は、全く違う風景で見えてくるはずだ。
三つめ、小説では、「援助交際をしている女子の後輩」 が出て来る。
およそ中2の設定で、こんなセリフを言うかなと思うけれども、仕事の関係で現実に援助交際をしていた女子中学生をたくさん知っている私は、君に伝えたいんだ。
「援助交際」 は犯罪なのだ、たとえ同意していたとしても。相手も逮捕される。
どんなに強がってみても、これらの行為は身体だけではなく、心を腐らせ、悲鳴をあげさせる。
心をごまかそうとして、心と身体が遊離していく。この症状を 「解離」 というんだ。
一般的に家庭に不満があると、男の子は非行に走り、女の子は自分で自傷行為をして、父母へ復讐する。売春は最大の自傷行為だ。
そして、こんなことを続けていると、摂食障害、そううつ病、解離、幻覚、飲酒や薬物依存、・・・心と身体のバランスが取れなくなり、精神病院に入院する。そんな子たちと私は向きあってきた。
自分で選んだ自分の人生。大切なことは、「人生は完ぺきではなく、一冊の問題集なのだ」 と考えてみることです。
より良く生きるために、まずは自分自身を大切にしてください。
あなたは大切な宝物。あなたはすばらしいダイヤモンド。
フィギュアスケートの羽生結弦選手は、「ありがとうございます。この世界に生まれてきて幸せです。」 と語った。(4月14日アイスショーのインタビュー)
練習の日々は孤独そのもの、けれども、多くの人々の応援を受けてきたことを悟り、感謝が幸福だと感じること、これこそが人間として本来のあるべき姿なのだと思う。
だから、正しいことをする勇気を持ってほしい。
いじめを受けている友人を助けなさい。恐怖に打ち勝ちなさい。時には、知恵をつかって、友人を助けたり、逃がしたりすることを考えてみてください。
先生や大人に相談すること、真実を話すこと、勇気をもって行ってください。それは、悪を為している、その子自身を助けるためでもあるのですから。
あなた自身があなたの心の奥の奥から湧き出してくる正義感を大切にしてください。
担任でダメでも、学年主任の先生、部活の先生、教務主任、教頭先生、校長。
校長先生を朝の校門のところで待ちかまえて、「少しお時間をください。実は」 と真剣に話してください。
もし、それでもいじめが解決しないのなら、教育委員会や市長の住所をネットで調べて、手紙を書きなさい。
あなたの心は決して折れたりなんかしない。
中学や高校の3年間は、人生の中では決して長くはないのです。
しかし、あなたの出した勇気は、あなた自身の人生をいろどり、最高の勲章になって、君の人生の航路を照らし続けることでしょう。
なかなか難しいこともあるでしょう。そうしたら、私たちのところに相談しなさい。
私たちは、必ず解決いたします。
そして、あなたの心と魂を守り、希望ある未来へ人生を一歩踏み出す、応援団としての使命を果たしますから。
君の未来に栄光あれ。ご相談をお待ちしております。
前名古屋市教育委員会 指導主事
前子ども応援委員 スクールソーシャルワーカー
堀田利恵
*過去に、仮名 村崎京子で寄稿した文は、堀田利恵の文責です。

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◇ 代表メッセージ ◇
◇◆ 四月 重要な時 ◇◆桜はおわってしまいましたが、月曜日、駅に向かうに途中にある中学校の入り口には、大きな 「入学式」 という看板が立っていました。
今年も、新しい年度、新しい学年、そして新しい出会いの時がはじまりました。
相談を受けていた高校生から、始業式の晩に電話がはいってきました。
一日目からトラブルかなと思ったのですが、「仲違いしていた子と普通に話せた。うれしい」 という話。
子供たちを見ていると、ちょっとしたことでトラブルを起こし、また、ちょっとしたことで仲直りする姿を目にします。
不器用さを持ちながらも、柔軟な感性をも合わせ持っている、そんな姿に不思議さを感じます。
この4月、いじめ問題にとっては重要な「時」です。
いじめが多発するようなクラスになるか、規範意識に基づき活発な「良いクラス」になるかという天王山と言える時期がきています。
良いクラスにするための方法を、つきつめれば「生徒に自覚させる」以外にないと思います。
本人たちがやる気にならなければ何事もなしとげられません。
子供たちの自覚を促す主役は、「担任の先生」です。
教師が子供たちに与えるのは「明確なルール」の提示、と「自主性」を引き出してあげることです。
これが「いじめ防止」の基礎部分です。
先生たちからよく聞く話があります。
先日お会いした中学校の先生も
「4月を失敗するとたいへんなことになるんですよ。特に一日目に投げかける言葉が重要です。この時に 『いじめは絶対にゆるしません』と言っておくことがいじめの対処の基本です」
と話してくださいました。
一人の先生だけではありません。何人もの先生方から同じ言葉を伺いました。
保護者としても、この機会に「学校でのルール」について話してみることも良いのではないかと思います。
ちなみに、アメリカの学校でも「クラス ルール」を教室の前に貼り出すクラスが数多くあります。
一例を紹介します。
(ネットで「classroom rules」と検索すると様々なポスターが出てきますのでお時間があれば御覧ください)
-----------------
a. いじめ行為をやめよう
b. 被害者を助けよう
c. いじめ行為を見逃さない
d. 学校の規則を守ろう
e. いじめを見たら止める勇気を出そう
-----------------
もう一点として「自主性を引き出す」ことでいじめに対処している先生もいます。
クラスでの話し合いを通して、「いじめの芽をつみとる」ことと、さらに、いじめのない状態を「持続」し続ける工夫を促すようにクラスを導いています。
教師自身は、あくまでもアドバイザーとして、生徒に主役意識をもたせ、生徒たちが自分で発案し、自分たちで運営していくように持っていく、このようにしている先生方もいます。
道徳の教科化もはじまりましたが、どのように心を成長させるかということを考え、「いじめをするか、いじめをしないか」の分かれ道に立った時、「私はいじめをしない」という選択肢を選び取れる子供たちが増やしていきたいと思います。
新しい学年が始まったばかりで、まだいじめは少ない状況ですが、早々にいじめが起きる場合もあります。
気にかかることがございましたら、ご遠慮無くご相談ください。
尚、事務所を移転することをお伝えいたしましたが、ようやく電話番号も決まり、本格的にスタートすることとなりました。
今までの電話番号 (03-5719-2170) でもつながりますが、
新しい電話番号 (03-5544-8989) でご連絡いただければ幸いです。
下記に移転先の住所、電話番号をお知らせいたします。
----------------------------------------------------
一般財団法人 いじめから子供を守ろうネットワーク
〒107-0052 東京都港区赤坂2-10-14 8階 (BOOKS FUTURE 上)
TEL 03-5544-8989 FAX 03-5797-7479
----------------------------------------------------
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代表 井澤一明
井澤一明ブログ: http://ameblo.jp/kzizawa/Facebook: http://www.facebook.com/kz.izawaTwitter: @kzizawa

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☆★ 君たちはどう生きるべきか。
私は何を教えるのか。★☆ 子どもたちを身近でみていると、あきらめたり、絶望したりしてしまう子に出会うことがあります。
今回は、「あきらめる子、絶望する子」 を守るということを教師の立場で考えてみたいと思います。
そのためには、「人が人を理解すること」 がとても重要だと考えています。
もう一点、希望を持つ、言い換えれば 「未来を創る」 という視点が必要だと言えます。
この二点は 「教育の根本」 と言っても良いのではないかと思います。
いま、アンデルセンの童話 『マッチ売りの少女』 のお話をお金持ちの少女が暖炉の前で読んでいます。心優しい少女は、物語を読んで涙を流しています。
しかし、彼女がどこまで理解しているかということを考えてみますと、冷たいようですが、「わかっている」 とは言えないのではないでしょうか。この段階の理解は 「understand」、つまり想像の世界の出来事と言えます。
それが、ヨーロッパから遠く離れたアジアの国で貧困の中にあり、毎日の食事もまともに摂ることができないような少女が読んで流す涙とは違うでしょう。
日本語では 「理解する」 と言ってしまえば簡単ですが、単に理解するということと、「真に理解する、実感を伴ってわかる」 との間には大きな違いがあるのです。
インドの貧困に寄り添い、ノーベル平和賞を受賞した、マザーテレサは、アメリカ訪問の際、ホテルの宿泊に際して、シスターたちに命じて、あたたかい暖房を止めさせ、ベッドではなく床で寝るようにしたといいます。
マザーたちが支援する人たちを 「真に理解したい」 という気持ちから出ている行動なのでしょう。
人が人を説得するには、「相手を真に理解する」 ことが必要です。「人を理解した」 は、「人を愛した」 と同じなのです。
子どもたちを真に愛するならば、その可能性を愛することが前提なのです。
「教育」 を考えるとき、この 「子供たちを愛する」 という気持ちが根底にあって、その上で 「育てる」 ということを考えるべきだと思うのです。
では、「未来を創る」 という点についても考えてみたいと思います。
今の日本の中学生たちは、22世紀の扉を開ける鍵を持っていると言っても過言ではないと思います。
アインシュタインは 「未来創造」 ということを考えるにはピッタリの偉人ではないでしょうか。アインシュタインの言葉に
「過去から学び、今日のために生き、未来に対して希望をもつ。大切なことは、何も疑問を持たない状態に陥らないことである。」
というものがあります。
未来に対しての希望に焦点を合わせてみましょう。
「いかなる希望を胸に抱くか」 ということは、「その人がいかなる人物であるか」 ということを表しています。
「何を希望するか。どのような事柄の実現を心から願うか」 ということは、その人の人生を方向付けるものです。「その人の希望を見れば、その人の運命が見える」 ということなのです。
ですから、「その希望は、正しいものであるか」 という視点や、「他人を害せず、多くの人々を幸福にし、豊かさを増大させていく方向に向かっていくものかどうか」 という視点から点検されなければなりません。
未来に向かってイノベーションし、付加価値を創造し、未来産業を興し、富を増やし、地球の増加する人口問題や環境問題を解決し、争いのない、平和で繁栄した未来を築いていく。
そのためには、何が必要でしょうか。
新しい時代を拓くには、新しい人材が必要です。
志と勇気に満ち、創造性にあふれ、国際舞台でも教養人として尊敬を受ける人材を世に送り出していかねばなりません。有為な人材の輩出により、国の富を増やし、発展繁栄の未来を創ることです。
そのために、私は教師として、人格の向上に努め、常に 「何を教えるべきか」 を考え続けていきたいと思います。
前名古屋市教育委員会 指導主事
前子ども応援委員 スクールソーシャルワーカー
堀田利恵
*過去に、仮名 村崎京子で寄稿した文は、堀田利恵の文責です。

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