◆◇ 過干渉といういじめの芽 ◇◆ 親がいじめに加担していた。ネット上ではそんな話題も耳にする時世である。積極的にいじめに参加するような親はまれであろうが、間接的にいじめにしている親は多くいる。それは過干渉である。
「傘を持っていきなさい」
こんな言葉は小さな子供に向けられるもので、10歳以上の子供に向けるべきものではない。雨が降るのに本人が気づかないでいるのなら、
「今日は午後から雨が降るらしいよ」
とだけ伝えればいい。
「貸しなさい。こうやってやるのよ」
裁縫の宿題で、子供の不器用さを見かねて親がやってしまうというのもよくある行為だ。宿題は完璧なのに、学校では全然できないので、すぐにばれてしまう。ひどい場合には最初から、親に 「やって」 と依頼する子供もいる。そして親は自分のつくった作品の出来栄えに満足する。子供が困っている場合は、手を貸す前に
「やり方を一緒に考えてみる?それとも自分でやってみる?」
とだけ伝えればいい。
親が良かれと思って、指示や命令を続けていたらどうなっていくだろう。自分のことは自分の責任という感覚が得られずに、失敗したときに周囲を責める子供になってしまう。
国が領土や主権を持っているように、個人にも、その人の決定すべき範囲がある。親の過干渉は領空侵犯なのである。それを続けると子供は領空侵犯をしやすくなったり、反対に領空侵犯をされやすくなったりする。
教育型いじめというのがある。これは何かが出来ない子供に対し、指示、命令し、出来ないことをあざ笑うといった形で行われる。教師に注意されると
「教えてあげていたんです」
「注意していただけです」
といった言葉が返ってくる。された側も自分が悪いからだと思い込みやすい。領空侵犯をする、されるといった人間関係は、親の過干渉が根底にあることが多い。
人は、一人一人主体的な存在である。個別の願いや課題を持ち、自ら意思決定して生きていく。
しかし親の子に対する過ぎた干渉は、主体的に生きる価値を奪い、他の人の生き方を尊重しない態度を育てていく。
正しいこと、困らないことを親が与えるのではなく、正しいこと、困らないことに子供がたどりつけるようにすることが大事である。
精神科医の斎藤茂太氏は 「人生に失敗がないと、人生に失敗する」 と語った。
過干渉を避けることは家庭で出来るいじめ防止策だ。
守矢 光児

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お知らせ : 6月8日(金) 19時30分開演
富山県小矢部市で 井澤一明代表が講演! 来たる 6月8日 (金)、富山県小矢部市で開催される 市民グループの講演会 「ひとりひとりから学ぶ会 in 小矢部」 に、井澤一明(いじめから子供を守ろうネットワーク)代表がお招きいただきました。(会場 : クロスランドおやべ セレナホール)。
今回の講演会のテーマは「誇りを育てる大切さ」。学校現場の実情、現代のいじめの問題点などお話ししながら「誇りを育てる大切さ」について皆様とともに考えて、提案、アドバイスなどしていきたいと思います。
入場料は無料で、どなたでもご参加いただけるとのことです。
多くの皆様のご来場をお待ちしています。 詳しくは次のとおりです。
ひとりひとりから学ぶ会 in 小矢部
「誇りを育てる大切さ」
日 時 : 2018年 6月 8日(金) 午後19時30分~21時 (開場 19時)
会 場 : クロスランドおやべ セレナホール (住所: 富山県小矢部市鷺島10番地)
講 師 : 井澤 一明 (一般財団法人いじめから子供を守ろうネットワーク代表)
久々湊 豊 (イクト進学センター塾長)、今度 悦子 (主婦代表)
入 場 無 料
主 催 : ひとりひとりから学ぶ会
★ どなたでもご参加いただけます。 多くの皆様のご来場をお待ちしております!

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★☆ 「暴力」 は 「いじめ」 ではない? ☆★ 5月になってからいじめ相談が急に増えています。
全般的には、学校によるいじめに対しての取り組みが進んでいるようですが、問題のある対応をする学校もかなりあるように思えます。
さて、静岡市の小5男子が、いじめにより昨年から不登校になっています。
市教委は重大事態として捉え第三者委員会による調査を行っていました。
生徒は、クラスの29人のうち27人から 「菌」 などと呼ばれるいじめを受けていたことが、学校の調査で分かっています。
記者会見した保護者は、ズボンやパンツを脱がされるなどのいじめも受けていたことを公表しています。
しかも担任は、いじめを見ていても注意せず、逆に被害者を叱るなどしていて、被害者側弁護士は、
「先生がやっているんだからと皆も加わった」
と述べ、いじめが広がった原因が教師にあるとしています。
被害生徒が 「最期の手紙」 と題した手紙を書いていたことも判明いたしました。その中で、
「クラスのほとんどの友だちから菌と呼ばれて苦しかった」
「先生がいたけどなにも注意してくれなかったし、見て見ぬふりをしていた」
「先生がいなくなればいいと思いました」 などと書いています。
母親によると生徒は自殺を考えたり、味覚異常などを起こしているといいます。
保護者が、市教委の第三者委員会に対して不信を表明したことを受けて、市教委の第三者委員会は 「調査継続が困難」 とし、今後の調査は市長部局の第三者委員会に移行する方向になっています。
以上のような状況ですが、ポイントをまとめてみます。
・学校は「いじめ」があったことを認めている。
・いじめは言葉だけでなく服を脱がす等のいじめもあった。
・担任は見て見ぬ振りを続けていた。
・本人は自殺を考え、身体的にも異常をきたしている。
特に市教委の第三者委員会は、母親の記者会見を受けて、調査をおっぽり出すなどという暴挙に打って出ています。クレームをつけられたから 「私たちはやりません」 では話にもなりません。
しかもこの委員会は、暴力行為については「いじめではない」と報告書で述べているというのです。
学校、教育委員会が、速やかに 「いじめを認定」 したところまではよかったのですが、第三者委員会の対応に疑問が残ります。新聞報道を見る限りではありますが、第三者委員会の人選に問題があったと言わざるを得ない状況です。
文部科学省の 「いじめの重大事態の調査に関するガイドライン」 でも、被害者側への調査方針の説明等について、
「被害児童生徒・保護者に寄り添いながら対応することを第一とし、信頼関係を構築すること」
とあります ( 「いじめの重大事態の調査に関するガイドライン」7ページ)
被害者側が第三者委員会に不信感を持っていたら、まずは丁寧な説明をして誤解を解く努力をすべきでしょう。
また、委員会の報告書の 「暴力はあったが、いじめとは認識していない」 という結論は、ありえません。
文部科学省も、「叩く」 ことはいじめにあたるとしています。毎年いじめ認知件数が発表されますが、いじめの内容として 「軽く叩かれたり蹴られたりする」、「ひどく叩かれたり蹴られたりする」 ことが挙げられています。
また、ご存知のように、いじめ防止対策推進法は、いじめられた子供が、いじめられたと苦痛を感じていれば、それは 「いじめ」 だと定めています (同法第2条、注)
今回の静岡市の第三者委員会委員の浅い知識と、いじめに対する理解のなさが問題を大きくしていると言えます。
ただ、クラス中にいじめが蔓延するような状況をもたらしたのは担任だったことも忘れてはなりません。
文科省の 「いじめの重大事態の調査に関するガイドライン」 では、
「法律や基本方針に照らして、重大な過失等が指摘されている場合、・・・教職員の懲戒処分等の要否を検討すること」
と定めています ( 「いじめの重大事態の調査に関するガイドライン」14ページ)。
文科省は、先生方に対して、この 「処罰がありえる」 ことを広く周知すべきだと思います。
子供たちに加担したり、黙認する行為は、明確に 「いじめ」 であり、「懲戒処分」 の対象になるはずです。
いじめをしない子を育てることは大切ですが、いじめが起きた場合には、すぐさまいじめを止めるのは「教師の義務」です。
これを徹底することは、学校のいじめ防止の基本だと思っています。
これからいじめが増えていく季節です。
ご心配なことがありましたら、ご遠慮なくご相談ください。
いじめから子供を守ろう ネットワーク
井澤・松井
(注) いじめ防止対策推進法
(定義)
第二条 この法律において 「いじめ」 とは、児童等に対して、当該児童等が在籍する学校に在籍している等当該児童等と一定の人的関係にある他の児童等が行う心理的又は物理的な影響を与える行為 (インターネットを通じて行われるものを含む。) であって、当該行為の対象となった児童等が心身の苦痛を感じているものをいう。
「いじめの重大事態の調査に関するガイドライン」 文部科学省http://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/detail/__icsFiles/afieldfile/2017/03/23/1327876_04.pdf

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東京西部地区の中学校では 先日、東京の西部地区の中学校にお呼びいただきました。この中学校は、今回で3回目になりました。
生徒指導の先生と久しぶりにお話して、現在のいじめに対する対応の変化について伺いました。
その先生は、
「私にとって現在は、『いじめ イコール 調査』、というイメージです。
近頃は、『本人がいじめられたと思ったらいじめ』 という定義が徹底されているのですが、 徹底されすぎていて、ちょっと気に食わないとか、じゃれ合いでも 『いじめ』 ということになり、いじめと認知される件数が半端でなくなっているんですよ。
なので、認知件数は大幅に増える見込みなのですが、 学校によって取扱がバラバラになるような気がします」
と話されていました。
調査のご苦労が伝わってくると同時に、どこまで関わるべきか悩みどころのようです。
この中学校、子供たちの整列する様子を見ていても、真面目でおとなしい感じの生徒たちが多いように感じました。ただおとなしいだけではなく、廊下ですれ違ってもちゃんと挨拶してくるしっかりした面も持っている生徒たちで、トラブルはとても少ない学校という印象でした。 さて、三重県が、LINE によるいじめ相談を5月から受けるとのこと。
相談を受けるところがスタートですが、しっかりと向き合い、解決に導くことが重要だと思います。
今後、SNSによるいじめ相談の波は全国に広がることと思いますが、フォローを期待したいと思います。
一般財団法人 いじめから子供を守ろうネットワーク
代表 井澤 一明

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【写真】 千葉県の中学校 ◇ 代表メッセージ ◇
◆◇ 心に寄り添う ◇◆昨日2日は、ゴールデンウィークでも子供たちにとっては平日、通常授業です。
千葉県の中学校に行ってまいりました。
学校まで、googleでは駅から 1.6km弱と出てきましたし、バスも朝と夕にしか停車しないとのことなので歩いてみました。
しかし、歩き始めたのはいいのですが、なかなか到着しないのです。
結局、校門までは30分近くかかり、しかも、かなり坂をあがった見晴らしの良い立地、「ええっ、歩いてきたんですか」とかなり驚かれてしまいました。
小高い丘の上に建てられた学校で開校して30年も経ったとは思えないほどのきれいな中学校でした。
子供たちはすれ違えば 「こんにちはぁ」 と明るいあいさつをしてくれる子たちでした。
【写真】 学校まで坂道を上がっていきました。 講演の準備中に、マイクから音がでないというハプニングが起きました。
担当の先生が 「音響がわかる人間、つれてきます」 と体育館を出てゆきました。
たいていの学校では、音響施設の調子が悪いと、理科の先生とか機械が得意な先生が現れるものですが、なんと登場してきたのは女子生徒3人。
体育館の入口に現れた時には、時間より早く集合した生徒だと思ったのですが、この子たちが機械を直しにきたのです。訊けば放送委員会だと言います。
この中学校が行っている、自主性、そして子供たちに自信をつけさせようという取組みの現れなのでしょう。
学校づくりの姿勢を垣間見た一瞬でした。
後で伺うと、この学校であっても、数年前は 「荒れた学校」 の一つだったとのことですが、現在の様子からはとても想像できません。
子供たちをどのような人間に育てていくのか、それには周囲にどんな大人がいるかに大きく関係しています。
元気な子もいれば、静かな子もいます。
さらには不登校の子もいますし、障害を持ちながら学校に通っている子もいます。
一方で、実の両親が自分の子を虐待したり、死亡させるなどの耳にしたくないような事件が跡を絶ちません。
まずは教師、保護者、大人である私たち自身が 「子供たちをどのように見ていくのか」、
あるいは 「どのように見るべきなのか」 ということへの意識を高めていく必要があるのではないかと思います。
【写真】 映画 『心に寄りそう。』 ポスター 5月5日(土・祝)に公開されるドキュメンタリー映画があります。
この映画 『心に寄り添う。』 では障害を持ちながら懸命に生きている子や、不登校から脱出しようとしている子たちがスクリーンを通して 「何か」 を訴えてきます。
その子たちと真摯に向き合おうとする学生たちの姿。
遙か昔に味わったなんとなく、気恥ずかしさを思い出すような映画。
私もお声がけいただいて、学生さんからのインタビューを受けました。
お心遣いいただいて、スクリーンにも登場させていただきました。
この映画を通して、私たちは 「子供たちを見守る目」、「子供たちに寄り添う自分」 を見つけることができるのではないかと思います。
ぜひ、劇場に足を運んでいただけたら幸いです。
==========
映画『心に寄り添う。』
監督:宇井 孝司、松本 弘司
出演:希島 凜 小林 裕美 藤本 明徳 三浦 義晃 他 子供たち
製作:ARI Production
公開:5月5日(土)~5月11日(金)
ヒューマントラストシネマ渋谷
シネ・リーブル梅田
映画 「心に寄り添う。」 公式サイトhttp://aripro.co.jp/products/kokoro-yorisou/==========
ゴールデンウィークも終わりに近づいてしまいました。
例年のいじめ相談から言えば、このゴールデンウィークを過ぎたあたりからいじめが多くなってきます。
いじめは芽の内に摘み取ることが効果的です。
早めのご相談をお待ちしております。
一般財団法人 いじめから子供を守ろうネットワーク
代表 井澤一明
井澤一明ブログ: http://ameblo.jp/kzizawa/Facebook: http://www.facebook.com/kz.izawaTwitter: @kzizawa

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