◆◇ 盲目の愛 ◇◆ 

180615 湖

◆◇ 盲目の愛 ◇◆

私はボーイスカウトの指導者が長かったので、様々な子供を見てきました。育つ環境は、本当に人それぞれです。大金持ちの家庭もいれば、経済的に大変な家庭もあり、偏差値も75から30台までと幅広く、兄弟の数から、出身地、趣味に体力にと、人の数だけの違いがありました。

その中でも 「大丈夫かなあ」 と心配になった子供は、大抵が、甘やかされた子供です。

夏の長期のキャンプ。「夏期野営」 と言いますが、4泊5日は、初参加の小6には地獄だったでしょう。わが家にいれば、お母さんの上げ膳据え膳で、エアコンの効いた部屋でゲームでしょうが、ボーイスカウトのキャンプでは、寝ている時しか自分の時間はありません。右も左も分からない中で、ポリタンクで遠くまで水汲みに行かされるなどの下働きばかり。まだ技術も経験もありませんから、仕方ありません。班長や先輩の命令は絶対で、それより怖い指導者の眼も光っています。その地獄のキャンプを経験すると、ただの小学生が、ようやくスカウトらしくなります。

指導者側からすれば、4泊5日かけて、ようやく使えるスカウトに仕込むのですが、夏期野営の解散のセレモニーで、ご両親が迎えに来た瞬間にダメになってしまう子がいます。グダグダのただの小学生に戻るのです。仕方のないことですが、妙にがっかりしてしまいます。これが、夏のキャンプの後だけならば、少しは甘やかしても仕方ないかもしれません。しかしこの甘やかしを、のべつ幕なしでやられると、子供にとっては、麻薬と一緒です。これが問題なのです。

例えば、子供の代わりに、全てを保護者がしてしまう家庭があります。子供の着替えも、様々な準備も、身だしなみも何もかも全てです。会話しても、子供の代わりに保護者が返答しますし、判断や考えることですら、保護者が代わりにしてしまうのです。これでは猫を飼うのといっしょです。子供ではなくてペットです。

子供の面倒を、こんな風に、一生涯続けたいと強く願っていても、残念ながら、一般的に親は先に旅立つことになっています。

本人がしっかりしていれば、大きくなってきて、他人との違いに気が付きます。遅ればせながらも反抗期をむかえて親に反発し、この 「鳥もちの愛」 から抜け出て、親離れして自立できる子もいます。しかし大変なのは、飼いならされてペット化が完成してしまった子供です。抜き差しならない状況にまで追い込まれないと、自分が野生では生きていけない 「ペット」 であることには気付きません。

そして、気が付いたときには、大事な青少年期を棒に振っています。過保護・過干渉の保護者の下で、猫っ可愛がりされることで、牙を抜かれた家畜に成り下がってしまった子。
「自分は親の盲目の愛によって、自立できない役立たずにされたんだ」、
そのような恨み心が生じてもおかしくはありません。

「自分だけでは何もできない」
「親の保護の下でしか生きられない」
「社会の荒波は渡れない」
「他人との関係が築けない」
「異性と付き合うことなど考えられない」
自力で逃れられなければ、待っているのは、ニートに引きこもり、あるいは家庭内暴力。こんな子供たちの姿を見たくはありません。

心を病んだ若者が起こした、事件の報道を聞いても、被害者の悲惨さもさることながら、加害者の 「絶望」 も真に心に迫ります。成人になれば、責任は本人にあるのは当然ですが、保護者の育て方で何かできることがあったのではないかと、残念で仕方ありません。

子供に対する真の愛は、自立できるように育てることだと思います。自立するとは、自分で稼げることであり、それは社会の役に立つということです。社会に有用であるためには、厳しく育てることも必要です。

だから、甘やかしだけではなく、時には地獄の特訓も、砂糖菓子のような愛ではなく、スパイスの効いた栄養価の高い食事を与えることだって大切です。それは獅子が、わが子を千尋の谷に落とすのと同じです。

私たち親は、ついつい子供を親の所有物だと思いがちです。でもこれは間違いです。あくまで子供は、神様からの預かりものだと思うことです。だから、大事に有為な人材に育てるのです。これは、親の聖なる義務であると同時に、子供に対する本当の愛なんだと思います。

人は、安逸をむさぼるために、産まれてきたのではありません。他人や社会のお役に立つために、産まれてきたのです。

甘やかしや過保護は人をダメにします。時には 「地獄の特訓」 も子供が成長するきっかけになります。虐待になってしまっては本末転倒ですが、「優しさ8割、厳しさ2割」 で接してみることをお勧めします。心がけることは「自立できる子」です。

古人曰く(いわく) 「艱難(かんなん)汝を玉にす」。

こしがやじろう


 

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[ 2018/06/16 14:27 ] メッセージ | TB(0) | コメント(0)

◇ 代表メッセージ (2018年6月) ◇◆ 教師には人格者であることが求められる ◇◆ 

180609 あじさい

◇ 代表メッセージ ◇
◆◇ 教師には人格者であることが求められる ◇◆


6日、近畿、東海、関東甲信地方も梅雨に入りました。
子供たちも雨の中をぬれながら登校していました。

さて、世間では、組織の体面を守るために、真実を覆い隠そうとする事件が相次いでいますね。
いじめ問題でも、神戸で、市教委と学校長によるいじめ隠蔽が明らかになるという事件が起きています。

2016年に神戸の中3女子生徒が自殺した事件で、「いじめられていた」 という他の生徒からの聞き取りした調査メモを、市教委の首席指導主事が学校側に指示して隠蔽していたと、市教委が3日に公表しました。
当時、校長は 「メモは存在しない」 と説明し、第三者委員会や裁判所に対しても提出していませんでした。
市教委は関係者の処分を検討し、新たな調査委を立ち上げる意向を表明しています。

今回、明らかになったのはそれだけではありません。
実は、2017年の8月には新しい校長から、メモが存在することが市教委に連絡されていたのです。
その現校長が今年の3月に再度、報告して、市教委は4月に遺族に謝罪したというのです。
またその後の報道によると、学年団教員の9人、および校長、教頭、スクールカウンセラー、派遣されていた市教委の指導主事を含めた席上で、メモのコピーが配布され、聞き取った教員から説明があったことが判りました。
それだけではありません。
8月の現校長の報告を受けて、前教育長も把握していたのに何らの指示もしていなかったのです。
他にも課長、部長も把握していたと報道されていますが、この姿勢にはあきれるしかありません。
まさに学校、教育委員会をあげて組織ぐるみの隠蔽という図式が浮かんできます。

今の校長が繰り返し訴えなければ、この事実は闇に葬られていたことと考えられます。

組織を守るという考え方も、場合によっては大切な考え方になることもあります。
しかし、そのために隠蔽を正当化することがあって良いはずがありませんし、隠蔽は、組織を守るどころか、組織そのものを破壊する行為となります。
「モラルなど守らなくてよい」、「犯罪を犯してもかまわない」、「手段も選ばない」 というのでは本末転倒、世の中そのものがおかしくなってしまいます。
社会の一員として、個人においても組織においても、「社会に貢献する」 という考え方を失ってしまったら、存在する意味などなくなると思うのです。

ましてや 「教師」 という職業には、一般の会社員よりも一層、強く 「高潔さ」 や 「人格、品格」 が求められるものなのです。
子供たちを教え導くという崇高な仕事に付随するものだと言えるのではないでしょうか。
先生は子供たちに「うそをつくな。正直になりなさい」と指導します。
その教師が 「うそをつく」、「事実を隠す」、これはだめでしょう。

文科省は、「教師の役割」 について、
「教員に求められる資質能力について 1.教員に求められる資質能力」
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/old_chukyo/old_shokuin_index/toushin/attach/1315387.htm) では、
「学校教育の直接の担い手である教員の活動は、人間の心身の発達にかかわるものであり、幼児・児童・生徒の人格形成に大きな影響を及ぼすものである。」
と明記されています。
同ページには 「教員の職務から必然的に求められる資質能力」 として以下の三点が挙げられています。

1. 幼児・児童・生徒や教育の在り方に関する適切な理解
2. 教職に対する愛着、誇り、一体感
3. 教科指導、生徒指導等のための知識、技能及び態度

結局、「教師として誇りや使命感を片時も忘れない」 ことが教師を教師あらしめているのではないでしょうか。
その奥には、子供たちへの深い愛の心があるからこそ「私は教師です」と胸を張って言えるのです。

先生方の中には負担に感じられる方もいらっしゃるでしょうが、子供たちは 「先生の背中」 を見ながら育っていきます。
大人になった今でも、素晴らしい教師との出会いは心に強く残っているものです。
是非とも子供たちの期待に応えてあげていただけたらありがたく思います。
やはり、隠蔽を主導する教育委員会、隠蔽する校長、荷担する教員は、教師としての資格を 「自ら投げ捨てた」 と言えるのではないでしょうか。

私たちが永年、訴えておりますように、こんな教師は懲戒すべきです。
それは言葉だけでなく、具体的に法制化して、国としての態度を明確にしなければなりません。
そのためにも 「いじめ防止対策推進法」 を改訂し、教師に対する処罰、懲戒規定を盛り込む必要があると思っています。
私たちは 「頑張っている先生」 や 「熱意ある先生」、「いじめを解決できる先生」 には大変お世話になっています。
そのような素晴らしい先生もたくさんいらっしゃいます。
この先生方を応援するためにも必要な法整備であると思っています。

6月、いじめが起こりやすい時期です。
不安に感じましたら、早めにご相談いただければと存じます。

一般財団法人 いじめから子供を守ろうネットワーク
代表 井澤一明

井澤一明ブログ:
http://ameblo.jp/kzizawa/
Facebook: http://www.facebook.com/kz.izawa
Twitter: @kzizawa

 

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[ 2018/06/09 10:25 ] 代表あいさつ | TB(0) | コメント(0)