◇ 代表メッセージ ◇
◆◇ 夏休みを前にして ◇◆6月中に梅雨が開けてしまうとは思ってもいませんでした。
今年は、猛暑が長く続きそうだと思っていたら、7月に入ったとたん、戻り梅雨という言葉も出てきてしまいました。
不安定な天気ですね。
さて学校は、まもなく夏休みに入ろうとしています。
しかし保護者としては不安になるようなニュースが入ってきています。
CBCテレビのニュースによりますと、7月5日、名古屋市の小学校で、男子児童が友達を負ぶって遊んでいたところ、転倒し、顔面を骨折する大けがをしました。ですが、学校が救急車を手配しなかったというのです。
男子児童は、保健室に行き、目がぼやけて焦点があわず、嘔吐もしたにもかかわらずです。
結局、学校に駆け付けた母親が救急車を呼びました。
その後、児童は、目に約3センチのプレートを2枚重ねて入れる緊急手術を受けるほどのおおきな怪我を負っていたことが判明したのです。
児童によると、20代の女性養護教諭から「目をぶつけたのになんで吐くのか」などと言われた、ということですし、保健室には校長も立ち会っていたと名古屋市教育委員会は明らかにしています。
昔と違って、最近の学校では、小さな擦り傷でも保護者に連絡してくださるようになっています。そのような中でのこの学校の対応にはあきれるしかありません。
頭、顔面を強く打った後に「嘔吐する」ということの重大性に、養護教諭を含めた複数の教員が、気付けなかったとは残念でしかたありません。外傷が少なかったためと話していたようですが、言い訳しているだけとしか受け取れません。もしかしたら、親に任せて、責任を逃れたいという気持ちが働いていたのかもしれませんが。
まだまだ新型コロナは収束していませんし、その中でのこの判断能力の低さには危機感しか感じません。
また、共同通信やダイヤモンド・オンラインによりますと、2022年3月、大阪府泉南市で中1の男子生徒が自殺してしまいましたが、市教育委員会の調査が事実上ストップしているとのことです。
7月12日の共同通信の記事では、
「いじめの有無や教師の対応の検証を求める遺族と市教委の信頼関係が構築されず、有識者による第三者機関が改善を促す報告書を作成したが、市長は受け取りを拒否。死亡から4カ月近くたっても具体的な対応が取られずに放置される異例の事態になっている。」とあります。
また、ダイヤモンド・オンラインによりますと、
「母親の手記には、少年が同級生から「少年院帰り」などとからかわれ、担任に助けを求めたことや、教員が「誰が言ったか分かるまで学校側は指導しない」といった趣旨の発言をしたことなどが記されている。この問題の真相を究明すべく、泉南市長の附属機関「泉南市子どもの権利条例委員会」が検証を行った。
しかし検証後、泉南市の山本優真市長は、委員会からの報告書の受け取りを拒否した。31歳の山本市長は“全国最年少市長”として注目を集める人物だが、なぜ不可解な対応を取ったのか。」とあります。
いじめ事件では、旭川市の凍死事件のように、教育委員会が学校と共に隠蔽を図るような事例が起きることがあります。その場合に、政治主導で市長などが第三者委員会を設置し、問題の解決、真相の糾明にあたることがあります。
しかし、調査委員会の報告を市長自ら拒否するような事案は初めてのことではないかと思います。
内容に問題があると言うのなら、市長が主導して糾明すべきです。何も言わずに拒否するだけでは、納得する人などいません。
ご遺族に泣き寝入りしろと言わんばかりの対応であり、誠実さが伺えません。
多くの人の信任を受けて市長になられたのでしょうから、信頼できる市長としての行動を期待したいものです。
子どもたちを安心して預けられる学校であっていただきたいのです。
学校は、毎日毎日、多くの尊い生命を預かっているということを自覚し、いじめ問題のみならず、子どもたちの学校生活に対して責任を果たしていただきたいものです。
さあ、夏休みが始まります。
GIGAスクール構想による一人一端末が浸透してきている現在、SNSがより身近になりました。夏休み中でもSNSを通して子どもたちは繋がっています。子どもたちの間には、休みに関係なく様々な情報が飛び交うことになります。
保護者の皆様は、子どもたちの日頃の生活だけでなく、SNSを介したネット生活にも目を配らなくてはいけなくなってしまいました。
小さなトラブルから大きな事件になってしまうこともあります。
おやっと感じましたら、ご遠慮なくご相談ください
一般財団法人 いじめから子供を守ろうネットワーク
代表 井澤一明
井澤一明ブログ: http://ameblo.jp/kzizawa/Facebook: http://www.facebook.com/kz.izawaTwitter: @kzizawa

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◆◇ 教員志望者の減少に思う ◇◆
埼玉県公立学校の教員採用選考試験の志願状況が発表になりました。(注1)
小中学校、高校、特別支援学校の志願者総数は5,868名となり、前年度の6,279名から411名の減少です。
倍率は、小学校1.9倍(前年度2.4倍)、中学校は4.0倍(前年度も4.0倍)、高校では4.4倍(前年度4.8倍)となりました。
倍率が高いと感じる方も多いと思いますが、志望者の減少には危機感を覚えます。
かなり昔ですが(笑)、私が埼玉県の高校教員採用試験を受けた際は、もつと志望者も多く、倍率は高かったように思います。また、その後でも2000年頃まではかなりの高倍率であったと記憶しています。
ある年に、勤務校に地歴・公民科に初任者が配属されてきました。この方の、その科目の採用倍率は何と70倍。70倍の難関を突破したのかと思うと、「口きいてもらえるのかな?」と思ってしまいました(笑)。
ところが最近では、上記のように採用試験の受験者が減少傾向にあり、「教員不足」が危惧されています。
それゆえにか、私は定年5年目ですが、私と同年齢位の非常勤の方が多くなっています。個人としてはそれはありがたいことですが、教育界全体のことを考えれば、良いことではないと思います。
文部科学省はこの状況を受け、令和3年2月2日に、「『令和の日本型学校教育』を担う教師の人材確保・質向上プラン」を発表しました。(注2)
同プランでは、
・小学校の免許状を取りやすくする
・学校における働き方改革の推進、教師の処遇の在り方等の検討
・教師のICT活用指導力を一層向上させる
・現職教員が学校現場を取り巻く変化に対応して学び続ける環境を充実
・教員免許更新制の在り方の見直し
などを提言しています。
これで志望者が増えるかどうかは疑問ですが、文科省の危機感は伝わってきます。
受験者減少の理由を考える際に、若者の声を政治に反映させることを目指す一般社団法人「日本若者協議会」の調査結果が参考になります。同協議会は、教員志望者減少に関するアンケートを、教員志望の学生(高校生・大学生・大学院生)を対象に実施し、令和4年4月11日、その結果を公表しました(回答211名、複数回答可)。(注3)
「教員志望の学生が減っている理由は何だと思いますか?」という設問に対して、199人(94%)が「長時間労働など過酷な労働環境」をあげています。
その他の理由として、「部活顧問など本業以外の業務が多い」163人、「待遇(給料)が良くない」141人、「保護者や地域住民への対応が負担」121人、と続きます。
実際、部活動の顧問として、指導経験のない競技の顧問を任されることも多くあります。そうすると土日に指導のために出勤しなければなりませんし、教材研究を行う時間の確保もままならず、仕事に追われることになります。
さらに担任になればそれに伴う職務があり、校務分掌上の仕事、学校行事の仕事にも従事しなくてはなりません。
加えて、「いじめ」をはじめとする生徒の問題行動が発生すれば、当然ながら最優先で対応することが求められます。
この様な現実を学生も知っているため、「94%」という数字が出てくるのでしょう。
しかし、多忙な現状はこれまでもありました。
昨今は、「働き方改革」が叫ばれ、休暇の取得を管理職から勧められます。タイムカードも導入されましたので、管理職が、教員の勤務状況が把握できるため、負担を減らすように対応できるようになりました。
まだまだ不十分ではありますが、加重負担を回避しようとする意識はやや改善されていると思います。
誤解を恐れずに申し上げれば、近年、「職務上の注意・配慮事項」が多くなっています。
たとえば、児童・生徒への「呼び名」には男女問わず「さん」付けにすることや、人権尊重、人権への配慮等が求められています。確かに大切なことではあります。
しかし、例えば、環境問題・差別・貧困・人権問題等を、2030年までに解決しようという目標“SDGs”や、“ポリティカル・コレクトネス”、政治的・社会的に公正・公平・中立的で、差別・偏見を含まない用語を使うべきという考え方が、無批判で押し付けられているとも感じています。
生徒や保護者と会話をする際には、教師は必要以上に、言葉を慎重に選びつつ、考えながら話さざるを得ないのが、現在の潮流です。
セクハラや尊厳を傷つける言動が良くないのは、当然のことです。しかし、「育てる」という観点から考えた時、教師が「とにかくミスをしない、減点されない」というような安全運転に徹しているだけでは足りないように思います。
この辺の感覚は、微妙であり、私個人の感性かもしれませんが、教師と生徒または教師同士、立場は異なっても、人間としての関わり合いに、温かみや親しみがあることは大切なことではないでしょうか。人間関係に「遊び」が少なくなっているように思えます。
職務上の問題に悩んで閉塞感があるとき、なにげない同僚との笑い話で、気分や視点の転換ができることもあります。
本来、教員は等しくやりがいのある素晴らしい仕事だと思っています。
それ故に教職志望者の減少は残念なことです。「日本若者協議会」のアンケートでも、回答した学生の21%が教職を志望していたが断念した、37%が迷っていると答えています。
学生に「教師」を選択してもらえるように伝えていくことも、我々の大切な仕事であると思います。
教職は聖職であり、未来の日本や政界に貢献する人材に良き影響を与え、育てていく職務です。
日本を取り巻く諸問題(国防、経済、少子化など)がある中で、志のある人材を育てていく使命は崇高なものであると思います。
清川 洋参考
(注1)「令和5年度埼玉県公立学校教員採用選考試験志願状況」→
https://www.pref.saitama.lg.jp/documents/217497/r5shiganshasuu.pdf
(注2)「『令和の日本型学校教育』を担う教師の人材確保・質向上プラン」文部科学省(令和3年2月2日)→
https://www.mext.go.jp/content/20210201-mxt_kyoikujinzai01-000012476-1.pdf
(注3)「教員志望者減少に関する教員志望の学生向けアンケート結果」一般社団法人日本若者協議会(令和4年4月11日)→
https://youthconference.jp/wp/wp-content/uploads/2022/04/fa63de44232d08d37e0aa6e5672639cc.pdf

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