未来への希望胸に、中学校で卒業式
【岩手県・県南】
東日本大地震の影響で延期されていた中学校の卒業式が15日、県南の各地で行われた。ライフラインが回復する中、卒業生は余震や物資不足に不安を抱えながらも完全復興と高校生活への希望を胸に学びやを巣立った。
このうち
花巻市では8校で行われ、
市立西南中(薄衣淳校長、生徒163人)では、卒業生54人と保護者、在校生らが出席。当初は同校体育館で行う予定だったが、地震の揺れで体育館が一部破損し、校内の多目的ホールに変更された。
冒頭、
震災で犠牲となった人たちに黙祷(もくとう)>をささげて開式。薄衣校長は「社会や世界は激しく動いている。皆さんの歩む道も平坦(へいたん)ではないが、今立っている道を休まず歩む姿が新しく道を開く。
この災害を乗り越え、希望あふれる社会を築いてくれることを祈る」と式辞を寄せ、生徒の未来と震災からの復興に期待を込めた。
市内11中学校のうち、16日は残る花巻、矢沢、石鳥谷の3校で卒業式が行われる。
奥州市水沢区の市立東水沢中(安倍静雄校長、生徒439人)では160人が卒業。挙行中の地震に備えて避難口に誘導の職員を配置したほか、式に先立ち、
出席者全員で黙祷をささげ犠牲者の冥福を祈った。
一人ひとりに卒業証書を手渡した安倍校長は「地震で厳しい状況を迎えているが、
こういう時こそ夢や目標が力を与えてくれる。夢、目標から逃げない心と体をつくり、これからの時代を乗り切ってほしい」と激励。
卒業生代表の石川緋香里さんは答辞で「地震の犠牲者の中には私たちと同じくこの春卒業を迎え、4月からの高校生活を夢に描いていた仲間がいたはず。震災を忘れることなく過ごしていきたい」と述べるとともに、「
きょうから私たちは夢に向かって自分自身で道を切り開く。つまずいたときは学びやで過ごした3年間を思い出して歩んでいく」と力を込めた。
同校では地震でテレビが落下したり、渡り廊下に亀裂が入ったりする被害があったが、けが人はなかった。卒業式は13日に予定していたが、停電などの影響で延期した。
北上・西和賀地方では
東陵、飯豊、和賀西、和賀東(以上北上市)、湯田(西和賀町)の5校で行われた。
このうち窓ガラスや体育館天井の一部などが破損した同市立花の
東陵中(平澤千麻子校長、生徒145人)は、会場から紅白幕と「祝」の掲示を外して挙行。開式前に全員で
被災者へ1分間の黙祷をささげ、卒業生50人が一人ひとり卒業証書を受け取った。
平澤校長は式辞で震災に触れ「命を落とされた人の中には、皆さんと同じ中学生もいた。
授かった命を大切にし、一日一日を精いっぱい大事に生きてほしい」と語り掛けた。
卒業生代表で答辞を述べた花海智典君(3年)は「予期せぬ悲惨な状況に見舞われたが、多くの人の助けで卒業式を迎えられた」と感謝。3年間の思い出を振り返り「地震によって3日遅れてしまったが、卒業することに変わりはない。
未来に向かって力強く踏み出していきたい」と決意を述べた。
【2011年3月16日 岩手日日新聞】
【写真上】多目的ホールに会場を変更して挙行された西南中の卒業式
【写真下】式に先立ち、地震の犠牲者に黙祷をささげる東水沢中の卒業生
東日本大震災:2日遅れの卒業式
【岩手県宮古市】
岩手県宮古市の市立第一中(伊藤晃二校長、生徒数337人)で17日、2日遅れの卒業式があった。
110人の卒業生を代表して奥勝也君(15)は
「苦しい状況をみんなで乗り越えるために、『わたしがやります精神』で自分から積極的に取り組んでいきたい」と誓った。
校舎はJR宮古駅から南西約1キロの市街地にある。11日の地震時は卒業式の練習中で、生徒や教職員は速やかに近くの高台にある神社へ避難し、難を逃れた。
伊藤校長は式辞で「
大変な状況だが、助け合い、励まし合いながら宮古市の力強い復興を誓い合いたいと思います」と述べた。【後藤豪】
【2011年3月18日 毎日新聞】
【写真】「このような環境の中でも卒業式の準備をしてくれた在校生、先生方に感謝したい」と述べる奥君(中央)=岩手県宮古市の市立第一中で2011年3月17日、後藤豪撮影
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