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■□子供の側に立った警察署の対応□■ 

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■□子供の側に立った警察署の対応□■


 いじめ問題解決のネックになるのは、証拠固めの困難さや学校の隠ぺい体質が上げられる。
 証拠集めは時間も忍耐も必要となる。いじめなど一度でもたくさんなのに、それを立証するのに証拠を集めるということは、何度も耐えないといけないことになる。
 そうして証拠を集めても、担任の対応が不適切であったり、学校が隠ぺいにかかったり、加害者側の親が強力である場合、被害者の泣き寝入りになることが多い。
 被害者の心に長く傷を残すことになるいじめ。解決方法の一つとして、警察の少年課に相談した事例を紹介したいと思う。

 岐阜県内の小学校に通う6年生のFさんは、帰宅後、上靴がないことに気が付いた。
 下校時は鞄(かばん)に入っていたので落としたのかと通学路を探すと、路上の植え込みに刃物で切り裂かれた上靴片方が隠されていた。甲に書かれた名前部分を半分に切られ、踵(かかと)も切れ裂かれていた。

 いたずらにしてもひどいが全く関係のない第三者の仕業の可能性もあるので、学校に連絡をしたものか迷った母親は、地域安全の関わりも無視できないとして、管轄の警察署の生活安全課に相談した。生活安全課は学校への連絡とよかったら少年課の職員による事情聴取を提案した。

 Fさんは4年生のときクラスの一部の女子からいじめを受け、母親が担任に連絡相談。加害者の親とも同じ町内で顔見知りであることから、仲裁が上手くいくものと思っていたのだが、担任に「どちらも悪かったんだから、はい握手」という善悪を把握してない対処をされたため、その後、いじめは潜在化していった。
 その経験から、学校の対応に失望していたFさんは学校への連絡を拒んだ。件の担任は他学年になっていたが同じ学校にいたし、中学校へは持ち上がりの地域なので、これ以上の状況の悪化を恐れたからである。

 そこで母親は、学校にまず連絡し学校の許可を得た上で、少年課に行くことを決意した。連絡を受けた学校は、「いじめとは無関係かもしれないし、警察にいじめ問題かもしれないと思われるのは迷惑である。ただ、切り裂かれた上靴があるのは事実だし相談に行くのを止める権利はない」とした。

 すぐに母親はFさんを少年課に連れていった。
 少年課は、女性職員を2人も用意し、優しくFさんを迎え入れてくれたので、Fさんはとても安心した。上靴も証拠物件として写真に残し誠意ある対応をしてくれた。

「お話を聞くので、1時間位おかあさんは近所の喫茶店ででもお待ち下さい」と言われ、1時間後迎えに行った時、Fさんはほっとした顔で出てきた。
「いじめか通りすがりかわかりませんが、私たちもしばらく近所の警戒をします。学校にもそのようにお伝え下さい。何でも変わったことがありましたら、またご連絡下さい。」と、職員は母親に言った。母親は学校にその旨を伝えた。

 帰り道母親はFさんに「どんな話をされたの?」と聞くと、
「いろいろすごく細かく聞いてくれた。分析が細かくて、学校よりすごく安心した、警察ってすごい。」と、嬉しそうだった。

 3日後、路上で切り裂かれたもう片方の上靴が見つかった。母親は学校に連絡し、警察に上靴を持って行き話をした。しばらくの間下校時に巡回してくれる警察官の姿があった。
 対応してくれた少年課の2人の女性職員は、何度も学校周辺の見回りに来てくれていた。
「大丈夫? 学校に行くのに不安はありますか?」などフォローをしてくれたことで、Fさんはとても心強く、学校に通い続けることができた。

 その後、Fさんの持ち物がなくなるということはなかった。
 それ以上に、Fさんに対する潜在的ないじめ(一部の女子が無視する、仲間にいれにくくする、影でひそひそ言う)が少しずつ消え、中学時には完全に消えた。

 警察の少年課の役割の一つに「被害者少年の保護」がある。その職務に適切に対応してくれた職員さんに、母子は高校になった今でも感謝している。

 これは、幸運な一例にすぎないかもしれない。地域によって対応が異なるかもしれない。
 だが、いじめ問題が文科省でも認知され統計がとられるようになり、都道府県やNPOでもいじめの相談機関ができている現在、そのネットワークでいじめの解決と子供の未来を守ることができるようにならないか、知恵と勇気を集めたいと思っている。

担当:興梠 規和


 

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[ 2012/02/26 07:07 ] メッセージ | TB(0) | コメント(0)

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