地獄の怖さを生々しく伝えるには、有効な絵本の一冊であるのは確か。
しかし、怖がらせすぎ。
「もしそういう生き方をしていたら、そんな地獄に堕ちるかも知れない」という因果応報の相場感が無いので、「一度でも嘘をついたら大変な責め苦に逢わなければならないのか」と怯える子どもに、真実の霊界法則を教える手間を掛けることができる大人がそばに居なくてはならなくなる。
絵本を書いた人は伝統日本仏教の人だろうが、スウェーデンボルグや近代スピリチュアリズムなどが伝える霊界の法則の真実を何も知らない。
なので、子ども騙しにこそなれ、青年期以降の大人がこの本を読んで生き方を悔い改めるほどの説得力は無いだろう。
マルクス主義者が、宗教を大衆支配のための洗脳手段と主張するなら、残念ながら本書もその実例に挙げられることになるかも知れない。
せっかくなら、地獄極楽の存在すら信じない大人をも悔い改めさせられるだけの説得力がほしかった。
コメントの投稿