◆◇愛をもっていじめを叱る◇◆
いじめをなくす方法は、加害者をなくすことである。被害者を変えるのではなく加害者を変える。そのためには、いじめをきちんと叱ることが必要である。
しかし叱るのは難しい行為である。
いじめ研究の第一人者D・オルウェーズ氏によると、いじめる子は小さい時から規範意識や他者への思いやりなどが育成されていない場合が多いという。
規範意識が育成されていなければ、叱られても、「なんでそんなことで叱られるのか」と反発する。また他者への思いやりがなければ、いじめられた側の心の痛みよりも、叱られたことの不快感を心に残す。
「なんで他の人もやっているのに、自分だけ嫌な思いをするんだ。これはひいきだ。あの先生はダメな先生だ。自分をこんな嫌な目に合わせた○○には、復讐しなければならない」
叱りが加害者の心に届かなければ、そう感じるであろう。
いじめを叱るためには、次のことが必要である。
① いじめをしてはいけないという明確なルールが提示してあること
なぜ叱られるのか分からないではなく、それをすると叱られるということを繰り返し伝えておく。そして例外をつくらず、いつもきちんと叱ることが大切である。
② 感情的に「怒る」のではなく、具体的な行為を叱る。
叱る際に、「それだから君はダメなんだ」といった感情的な言動は、反発や憎しみを招く。それは「叱る」ではなく「怒る」ことである。怒りのバトンは、別の子供に渡されるだけである。
どの行為がいけないことなのか? それがいけない理由は何か? そうしないようにするためには何が必要か? 具体的な行為を振り返らせることや人が気づいていない盲点について気づかせること。それが、反省へとつながっていく。
③ 根底に愛情を持つ。
人間はときに過ちを犯すもの。子供ならなおさら。ただ突き放すのではなく、行為は叱っても気持ちは受け入れる必要がある。
「イライラして人に嫌なことを言ってしまう気持ちはわかるよ。でもそれはしてはいけない行為だ。君がもし他の人に同じことをされたら、とても腹が立つし、悲しくなるし、絶対に許すことは出来ない。それと同じ理由で、君が他の人にそうするのも許さない。やっていることは必ず返ってくるもの。だからもういじめはやめなさい」
思いやりの気持ちの育っていない子供に、「思いやりを持ちなさい」と叱ったところで、思いやりの気持ちは芽生えない。思いやりを育む唯一の方法は、その子供に思いやりをもって接することである。
愛情のない叱りは、見捨てられたくないという不安をあおる。不安は怒りに転化し次のいじめのエネルギーになる。
ビートルズは、「愛こそは全て(All You Need is Love)」と歌った。いじめ対応も愛が全てだ。
愛があるからいじめが許せないのであり、愛があるから叱るのである。この原点を忘れてはならない。
担当・ 守矢 光児

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