■□いじめ対策海外に学ぶ~韓国③~□■
皆さま、こんにちは。
前回は韓国のいじめ対策として2004年「学校暴力予防及び対策に関する法律」制定のきっかけとなったいじめ事件が発生した公立中学校のその後のいじめ防止対策の取り組みについてご紹介いたしました。
前回は主に「いじめの事実に対する報告」に重点を置いた取り組みでしたが、今回はそれ以外の取り組み、教師と生徒以外の大人の取り組みについてご紹介したいと思います。
「いじめの事実の報告」に生徒たちが主体的に取り組むには、日頃から「いじめが発生したら報告しなければならない」という指導を行う必要がありますが、同時に「いじめ」とは何なのか、どういう行為について報告しなければならないかということを教える必要があります。
この一連のシリーズでご紹介している中学校では次のような授業を行っています。「押す」「家庭環境を笑う」「無視する」「嘲笑う」「宿題をやらせる」等の行為が書いてあるカードがあります。これらを生徒たちに4つに分類させます。分類は以下の通りです。
①身体的暴力②言語的暴力③仲間はずれ④非暴力
生徒たちに考えさせ、最後にディスカッション、そして教師がまとめを行います。最後には①~③の行為を発見したら教師に報告するように指導します。
また、「学校暴力対策自治委員会」という教職員、保護者の代表、地域警察、法律家がチームを組んだいじめに対応する組織を置いています。ここでは、いじめ被害者、加害者の話を聞き、場合によっては「紛争調停申請書」に基づいて調停も行います。
このように韓国では大人が子供のいじめ問題を社会問題として学校、地域、政府で解決しようという姿勢がみられます。以下は、韓国政府の取り組みです。
まず、予防として学校を巡回する人=ペクトチクミが、給食、休み時間、放課後に学校を巡回し、いじめの兆候を見つけたら積極的に指導します。これは2005年から政府が試験的に導入した制度です。
「いじめ撲滅キャンペーン」期間中は、警察も学校と連携し夜の見回りを行います。インターネットカフェなどを巡回し、ここでも子供にいじめを見つけたら報告することの重要性を子供たちに訴えかけます。学習塾など子供の集まる場所での情報収集・情報交換を行います。この期間中「いじめ撲滅大会」が政府・警察・学校主催で開かれ、大会後には大々的な街頭キャンペーンが行われました。
韓国がいじめを社会問題としてとらえ、撲滅しようという意思の表れとして定期的な調査が行われ、それに基づいた制度改正や法改正などがあることからもわかります。
具体的な例として、2008年から2011年の3年間の学校暴力加害者の退学・停学が6%で懲戒・奉仕が61%だったことから、2011年の12月では、学校暴力の加害者を転学させたら、被害生徒がいる学校に戻れなくする「学校暴力予防および対策に関する法律改正案」を成立させた。改正案は、「強制的なお使い」を暴力に含ませ、学校長に対しては自治委が下した措置を30日以内に履行するよう義務付けました。
また、2012年の新学期から学校暴力の加害者は事実を学生簿に記録され、小中で卒業後5年間、高校で10年間保存されることも決まりました。
そして今回、このシリーズの最初にご紹介いたしましたように、いじめ防止をより実効性あらしめるために「加害者の対する処罰の強化などを盛り込んだ根本的で厳しい学校(校内)暴力総合対策が発表される見通しとなったわけです。
これまで韓国のいじめ対策をご紹介してきましたが、「社会のルールを教えなければならない」という文言を随所で目にしました。
この日本でも「いじめいけないことである」という社会正義を子供たちにしっかりと教え、いじめ被害者の救済そして加害者や傍観者を増やさないために私たち大人は何ができるのか考えていく必要があると思います。
担当:小野田真里子(教育事業経営・3児の母)

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