※ 「いじめから子供を守ろう!ネットワーク」のシンポジウムに、パネリストとして参加していただいた、伏見之孝(ゆきたか)氏(中学校教諭)の「いじめ」対応への取り組みが注目を集めています。【長野県諏訪郡】いじめ対応教員チームで
注目集める富士見中・伏見教諭ら取り組み▼徹底して被害生徒の側に立つ
▼校内で未然に防ぐ素地つくる
大津市の中2男子自殺を受けて再びいじめが社会問題化する中、諏訪郡富士見町富士見中学校の伏見之孝(ゆきたか)教諭(46)らの取り組みが注目されている。生徒からいじめの悩みを聞き出せなかったというショックをきっかけに、同僚教員と試行錯誤して生み出したのは、教員がチームを組んで事実を把握し、徹底的に被害生徒の側に立つという対応だ。
伏見教諭が経験した事例から、いじめに気付いた際の初期の対応をモデル化して示した=表。
伏見教諭は、まずこの初期の事実確認と教員同士のチームによる対応が重要だと言う。ただ「いじめなんてとんでもない」と怒鳴って表面的に謝らせても、加害者は反省しない。生徒に自分のやったことの重大さを認識させるためには、この後の対応がさらに大切になる。
加害生徒はすぐに謝ろうとするが、少なくとも数日は謝らせない。「被害生徒はずっと嫌な気持ちを抱えてきた。すぐ謝って楽にさせるわけにはいかない」からだ。被害者側に謝罪させた後は、加害者側もそのままにはしない。「いじめなんてしない良い人間に育てよう」という姿勢で、加害生徒の良い点を小まめに褒めるように心掛ける。
◇ ◇
伏見教諭がこの取り組みを始めたのは5年ほど前、前任校の諏訪市諏訪中学校時代だ。当時、自分が関わった生徒の中に元気のない子や不登校気味の子が数人いた。気になって理由を聞いても生徒は「何も-」と繰り返すばかり。いずれの場合も、その生徒が他の生徒から嫌がらせを受けていたことを、半年から1年ほどたってから、保護者を通じて知った。
自分が教師として信頼されていなかったと少なからずショックを受けた。少しずつ生徒から事情を聞くと、「先生に言ったら、(加害生徒は)表面的に謝るかもしれないけれど、後でもっといじめられる」という強い恐怖心があったという。一日の多くを学校で過ごす生徒にとって、生徒間の人間関係のトラブルは教員が思う以上に傷つく。伏見教諭は「被害者が何の不安も感じなくて済むように対応しよう」と決意。同僚の教員と試行錯誤を繰り返し、対応方法をまとめていった。
伏見教諭はいじめの構造について、直接の被害者と加害者だけの関係ではないと指摘する。「当事者の周囲にいる傍観者が見て見ぬふりを続ける限り、いじめを認めていることと同じ。決して無くなづらない」。まずは陰口や暴力などを「おかしい」と感じ、友達や教員に言える素地を学校全体で培い、いじめを未然に防ぐ素地をつくる必要を指摘する。
起きてしまった後の対応で大切なのは、教員が徹底して被害者側に立つこと。加害者側は「あの子がわがままだから」などと理由を付け、自分の行為をいじめだと認識していないことも多い。しかし、加害者側の理屈は決して認めない。教員が「いじめられている側にも理由がある」という視点を持つと、口先のうまい生徒が良い思いをする。
◇ ◇
伏見教諭が教育関係の集いで紹介したのをきっかけに、この対応法は、教育評論家のブログ(日記風サイト)などに取り上げられた。寄せられるコメントには、大津市の事件前は加害者側の人権に配慮するよう求める内容もあったが、事件後は「まだ生ぬるい」という内容も増えたという。
「この方法には賛否両論あるし、これが正解というわけではない」と伏見教諭。その上で、「いじめがない学校をつくるのは当たり前。まずいじめが起きる前に、教員と生徒の信頼関係をつくることが必要だ」と話した。(写真は、同僚教員と、被害者の側に立ち、徹底したいじめの対応に取り組んできた伏見教諭)
【2012年8月1日 信濃毎日新聞】
【写真】 伏見之孝(ゆきたか)教諭
「いじめから子供を守ろう!ネットワーク」のシンポジウムにて(於:長野県諏訪市)

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