いじめ事件 : 2・3倍
大津自殺で相談増 【警察庁調べ】
警察庁は21日、昨年1年間に全国でいじめに起因する少年事件が260件(いじめの仕返し8件を含む)あり、児童・生徒511人を検挙または補導したと発表した。件数、人数とも前年の2・3倍で、約75%が7月以降に集中。
昨年は大津市立中学2年の男子生徒が自殺した問題で7月に滋賀県警が学校などを家宅捜索した経緯があり、警察庁は「捜査を機にいじめ問題への社会的関心が高まり、警察に対応を求める人が増えた」とみている。
警察庁はいじめが社会問題化していた84年から統計を取っている。過去最多は85年の638件で、1950人が検挙または補導された。翌86年には、東京都の中学2年の男子生徒が、「このままじゃ生きジゴクになっちゃうよ」と遺書を残して自殺し、「葬式ごっこ」などのいじめが明らかになった。
警察が事件化するいじめの件数は社会の関心の高まりを反映する傾向があり、87年以降は200件未満で増減を繰り返し、いじめが原因とみられる自殺が相次いだ06年に233件と急増。その後は減少傾向が続いていた。
昨年は増加に転じ、26年ぶりに250件を上回る260件(前年比147件増)に上った。1~6月の65件に対し、大津の自殺が注目された7月以降は195件に上った。
主な罪名は、傷害122件▽暴行74件▽恐喝20件―など。ブログなどで実名を挙げて誹謗(ひぼう)中傷する「ネットいじめ」による侮辱と名誉毀損(きそん)が3件あったほか、携帯電話で同級生に、「死ね」などの嫌がらせメールを複数回送った迷惑防止条例違反もあった。
検挙または補導された児童・生徒は511人(前年比292人増)で、17年ぶりに500人を超えた。中学生が384人(同223人増)で大半を占め、高校生は91人(同53人増)、小学生は36人(同16人増)。
供述などからいじめの原因・動機を分類すると、「力が弱い・無抵抗」が206人、「いい子ぶる・生意気」が94人、「態度、動作が鈍い」が76人と多く、からかいや腹いせから事件に発展するケースがほとんどだった。
一方、被害児童・生徒の相談先は、保護者が188人、教師が88人、警察などが33人。また38人がどこにも相談していなかった。
いじめへの対応について警察庁は1月、学校との連携を強化して早期把握に努めるよう全国に指示。警察OBらが警察と学校のつなぎ役を担う「スクールサポーター」(現在43都道府県・620人)の活用などを勧めている。【村上尊一】
◇いじめの主な原因・動機◇
(供述などから警察が分類)
<面白半分・からかい>
・力が弱い、無抵抗206人
・態度、動作が鈍い76人
・肉体的欠陥がある12人
<腹いせ>
・いい子ぶる、生意気94人
・よくうそをつく39人
・家柄などを自慢15人
<違和感>
・転校生15人
・交わろうとしない10人
<その他>
・金を返さない7人
【2013年2月21日 毎日新聞】被害者、警察の意識変化
「大津いじめ」機に
【いじめから子供を守ろう!ネットワーク談】 いじめの検挙・補導件数が前年の2・3倍に急増した。いじめ問題に取り組む団体は、大津市で中学2年の男子生徒が自殺した問題を機に、被害者や警察の意識が変わったと指摘する。
保護者らでつくる「いじめから子供を守ろう!ネットワーク」の井沢一明代表(54)は、「大津の事件を機に、被害届を出すことにちゅうちょしなくなった」と話す。
これまでは、いじめ問題を公にしたくない学校側が、警察が入って大きな事件になることを望まない被害者側を懐柔。加害者がいじめを認めて反省し、謝罪すれば、被害届を出さないケースが多かったという。
また井沢代表によると、少年事件の捜査員も薬物事案などを優先し、いじめに関心を示さないこともあったが、警察庁が重大な事案は積極的に捜査するよう通達したこともあり、現場の意識が変わったという。
いじめ相談などに取り組む「全国webカウンセリング協議会」の安川雅史理事長(47)は、「いじめに対する日本中の目が厳しくなった」と指摘。「これま で学校や教育委員会は隠蔽(いんぺい)体質が多かったが、報道されていじめを認めざるを得ず、泣き寝入りしていた被害者が救われるようになった」と話している。
【2013年2月21日 時事通信社】いじめの事件化、
子どもの命を守るため
警察が昨年扱ったいじめを原因とする事件が260件となり、前年の2・3倍に上ったのは、警察と学校の連携強化も背景にある。
警察OBらが巡回して摘発につながったケースもあり、いじめで自殺した子どもの遺族らからは学校側に積極的に警察に通報するよう求める声が強い。ただ教員らの間では、問題解決を警察に頼ることへの戸惑いもある。
◆大津の遺族評価
警察庁によると、260件のうち195件は、大津市のいじめ事件が社会問題化してからの下半期(7~12月)に集中している。
「警察が真剣な思いでいじめに向き合ったということ」。大津市のいじめ事件で、自殺した中学2年の男子生徒(当時13歳)の父親(47)は件数が増えたことをこう評価する。「学校がその場しのぎで対応すると、しわ寄せをうけるのは子どもだ。警察がいじめの被害届を積極的に受理したり、悪質な事案を素早く事件化したりすることは、子どもたちの命を守る観点からも望ましい」と訴えた。
深刻ないじめを受け、昨夏、警視庁に傷害や暴行で4件の被害届を出した東京都内の男子中学生(14)の母親も、「私たちがいじめを乗り越え、前に進むためにも、警察には積極的な捜査を期待したい」と語った。
【2013年2月21日 読売新聞】

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