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いじめから子供を守ろう シンポジウム 開催報告 

教室に希望を。子ども達に未来を。
開催概要はこちら


 4月29日、名古屋伏見ライフプラザにて「いじめから子どもを守ろう!シンポジウム」が開催された。テーマは「教室に希望を。子ども達に未来を。」GW連休のはじまりではあったが、保護者や教育関係者、学生など約350名の参加者で場内が埋まった。

 第一部では、10年前に中学生の息子をいじめ自殺で失った「いじめ被害者の会」代表・大澤秀明氏が、悲惨ないじめを放置し自殺にまで至らしめている教育現場の現実と、学校での安全配慮義務の徹底を切実に訴えた。

続いて、中京女子大学名誉教授・加藤十八先生による基調講演「ゼロトレランスがいじめ問題を解決する」では、アメリカで行われた「ゼロトレランス方式」による教育改革の成果が映像をまじえて紹介いただいた。整然と廊下に並ぶ生徒達、校内を見回る安全官、警察とのホットラインができている高校など、学校の秩序を完全に守る管理体制。比べ、今なお時代遅れの教育仮説にこだわり、善悪を教えることができず、生徒達を管理しきれない日本の学校こそが、いじめという犯罪行為を放置し助長している。解決のためには「寛容さなし=ゼロトレランス」の厳しさが必要であると力強いご講演をいただいた。

 第二部は、加藤十八先生、「いじめから子どもを守ろう!」ネットワーク・矢内筆勝代表、聖学院大学コミュニティ政策学科准教授・鈴木真実哉先生、保護観察官・精神保健福祉士の堀田利恵氏、コーディネータに元ニュースキャスターであり大学講師でいらっしゃる田中順子先生をお招きしての、パネルディスカッション。

会場からも「いじめ隠蔽」に遭遇した生の声が寄せられた。これをふまえパネルでは、現代のいじめの陰湿な実態と、解決に向けての様々な提言がされた。矢内代表は、いじめによる人格崩壊の事例など報告し、「誰にも相談できず」追いつめられている子ども達の姿と、いじめを隠蔽する教育現場の実態を示した。

堀田氏は、過去の相談事例から親がいじめを知っても地域の人間関係上訴えることができないことが多いことを示した。また少年院内でのいじめの場合、迅速にいじめた側への措置をしていると報告した。

鈴木氏は、教育サービスの欠陥がいじめであるととらえ、問題を解決できる教師や学校現場にするために、外部のチェックが必要であると語った。
加藤氏は、マスコミや父兄に対して、ただ管理教育と批判するのでなく、元来教育とは「管理」から始まるものであり、真摯な教師が情熱を失わないような環境作りに向けて声をあげてほしい、と訴えた。矢内代表は、NPOとして今後、多くの人にいじめの実態を伝え、教育現場を変えていくための啓蒙活動をしていきたいと語った。

 最後に、NPOのアドバイザーでもある鈴木准教授は会を閉じるにあたり、サッチャー元首相の「経済で国が滅びることはないが、教育で国が滅びる」という言葉を引き合いにだしながら、

「日本の基礎を創った義務教育ではあるが、現在は子供たちが教育を受ける権利を失っている。今、いじめたりいじめられたりして傷ついている多くの子ども達が10年・15年後、日本を背負う大人になっていきます。善悪を知らず倫理観を身につけない大人たちが、どのような社会を作ることができるのでしょうか。
将来の日本に貢献する人物をつくっていくために、今私たちがなすべきことは、教室に正義の秩序を回復し、子ども達が正しい倫理観を身につけることができるよう、教育改革をすすめることです。世界に貢献する日本をつくるために。
教育現場がいじめをなくすことは、日本全体の国運の問題である。国家の繁栄は教育に始まる。ひとりひとりの子供に応じた学力の向上とその子供が楽しく教育を受ける環境が必要です。我々大人達やマスコミなど多くの人が声を上げていくことが必要です」
と締めくくられた。

 回収されたアンケートには、「いじめの実態を知った」「人ごとではない。自分ができることを考えたい」「ゼロトレランスを学校で取り入れて」など、多くの反響が寄せられた。


特派員 関野


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[ 2007/04/30 06:27 ] 活動報告&集い | TB(0) | コメント(5)

ありがとうございます

この記事は、このブログの中の素晴らしい記事の中でも5本の指に入るくらい共感を覚えました。私の胸のうちのわだかまりを適切な表現できっぱりと言ってくださってありがとうございました。
[ 2008/05/02 16:51 ] [ 編集 ]

いじめも多種多様なのだから

一人の実践だけで、すべてがカバーできるはずはないですね。
加藤十八氏のようなアプローチもあり、大澤秀明氏のようなアプローチもあり、その他の方のようなアプローチありと、いろいろなアプローチがあって、総合的に、いじめ問題の解決に向かっていくのだと思います。

私としては、先生方は優秀ではありますが、総合学習の創意工夫とか、自分で考えることが苦手な方が多くなっていると感じています。子供達より先生の方の生きる力作りが先のように思えるのです。特に若い先生方。それと、パスコンのスキル自慢のような学級通信に力を入れるとか、本末転倒な方も増殖中ですね。見栄えばかり良くて、中身がない。気持ちが伝わらない。そんな感じです。で、いじめの解決も中身がない、形だけで良しとしてる方が増えてます。こういう方々は、自分が当事者になっても形だけで済ませるのかしら?
特に被害者となっても形だけの謝罪とかで納得されるのかしら?
[ 2007/05/02 08:14 ] [ 編集 ]

友人と行ってきました。
大澤さんだけでも、加藤先生だけでも、鈴木先生だけでも
解決には結びつかない、のね~と。
智恵を集めないとできない、のね~。
そこに堀田さんが入られたり、コーディネートしてくださる方がいらっしゃったり。
現場でちゃんと機能しているかどうかは、会場にいらっしゃってる方がフィードバックをしないと、お上が立派なことやってくれました~になるのかな?
外部のチェックって官僚が一番嫌がる事だけど、どうするのかな?
と、ぼけた頭では、具体的にはどうなってるのか、
よくわかりませんでした。
賢いかたがあんばようやってくれるとは思うのですが。
お願いいたします。
[ 2007/04/30 15:10 ] [ 編集 ]

高校の先生をしている友人ふたりと、
行ってきました。

こういうシンポジウムですから、
いじめを放置している学校とか先生を
もっと非難する場かと思っていたら、

きちんと現実を話した上で、
「どうすればいいのか」を
きちんと提言していて、
いじめ解決につながる有用なシンポジウムだと思いました。

いじめは、
いじめられた子だけでなく、
その家族やまわりの人達
加害者やその家族、
見て見ぬふりをしている子供達や先生たち、
みんなの心を
ものすごく傷つけていることが
よくわかりました。

それらをふまえた上での、
「解決に向けて」のパネルディスカッションのまとめ。
とっても良かったです。

いじめ解決に「希望はある」と思います。

また、近くであるときは、教えてください。

お友達も、
「先生方に、もっと声をかけて、
一緒に参加したい」と言ってます。

マクロ的に、
「いじめはある」として、
「どう解決したか」に注目するシステムに変え、
校長、教育関係者などを、
透明化した公平な評価をしていくことで
いじめ隠しの「隠蔽体質」を改善し、

ミクロ的には、
「いじめは、許さない」
私たちがそう思って、
「自分にできる行動」をしていくことが、
それがちいさなことであっても、
いじめから子供を守る力に
なっていく。ということなのですね。

システムの改善には
政治的な力が必要ですが、

自分のなかの
「正しいこと」を
きちんと、見つめて行動することは、
今すぐできることですね。

「自分もなにか、したい!
 自分にも、なにか、できる!」

と思えたシンポジウムでした。
[ 2007/04/30 08:45 ] [ 編集 ]

祝!大成功!

名古屋でのシンポジウム大成功おめでとうございます!
 350人も来て下さったのですね!
 私は独身の20代の時、とある演奏活動をする会に入ってましたが、だいたい500人収容の会場で350人も来て頂くと舞台からは、ほぼ満席に見えましたから。
 価値のあるシンポジウムが実現して素晴らしいです!v-254
 
[ 2007/04/30 07:44 ] [ 編集 ]

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