子供を守る出席停止
いじめを理由にした出席停止の措置は有効なのか。
「出席停止は生徒を懲戒して見放すことではない」 慎重な言い回しに徹していた西日本のある県教育委員会の責任者が、身を乗り出して力説した。「事の重大さを知ってもらい、その後のフォローで生徒を立ち直らせることが主眼だ」
この県では一昨年、いじめで複数の中学生を4日間の出席停止とした。期間中は毎日、担任らが家庭訪問し、課題学習をさせたり、日誌を書かせたりした。その後は3か月間、全職員がローテーションを組んで別室で個別指導した。特別養護老人ホームや果物農園での体験学習も課した。スクールカウンセラーは被害・加害生徒だけでなく保護者の教育相談にもあたった。
加害生徒の学級復帰は、学年が変わるタイミングでされた。地元の教育委員会は、心理学的にも改善がみられ、生活態度もおおむね良好との評価だ。被害生徒も当初はおびえることもあったが、徐々に平静を取り戻したという。
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いじめは、教育相談週間に、担任が男子生徒の態度で気づき、同級生たちから呼び出されて暴力を振るわれていたことが分かった。県教委の担当者はいじめの具体的中身を明かさないが、通院するような身体的被害はないものの、「心の傷が深かった」。誰の目にも重大な被害だったという。
加害生徒への聞き取りで全員のいじめ行為を確認。被害生徒には登下校に教師が付き添って安全を確保した。地元の教育委員会担当者も交え、保護者に聞き取り結果や出席停止に向けた説明をした。加害者側から特に異論はなく、被害者の親子に謝罪もしたという。
相談から出席停止まで約10日間。素早い決定について、責任者は「被害生徒には大人が守るという姿を、加害生徒には毅然(きぜん)とした態度を示すことが必要という判断だった」とする。
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関東のある県では、5年前、同級生だった中1男子生徒3人を、いじめを理由に2週間の出席停止にした。入学当初から授業妨害や教師への暴力も繰り返し、度重なる指導で改善されないため、2学期に発動した。ただ、地元教委の評価は「効果は一時的」。加害生徒の1人は、2年時にも教師への暴力を理由に10日間、出席停止がされた。
県教委の担当者は「学校が安全だと他の生徒たちに示すとともに、基準が明確でないため反撃もできない教師を守るため、厳正な処分が必要だった」とする。
同じ年度に中学生2人を出席停止にした中部地方の県の場合も、いじめだけでなく、周りの生徒への暴力や恐喝、教師への暴力や授業妨害もあったという。
いじめでの出席停止を巡っては、活用を促す提言が繰り返されているが、教育効果を疑問視する声や、集団による無視のような場合の適用の難しさを指摘する声がある。
「若手の教師には、機械的に適用を求める声も多いが、教師がそれを言ったらおしまいという思いがある」とある市教委幹部。教師の思いも、出席停止の活用を阻むハードルの一つになっている。(野口賢志)
出席停止 学校教育法で市町村教育委員会は公立小中学校の児童生徒の保護者に命じることができると定めている。2001年の法改正で、「他の児童や職員に傷害、心身の苦痛、財産上の損失を与える」「施設や設備を損壊する」「授業その他の教育活動を妨げる」といった行為の場合と具体的に示された。05年度までの9年間で適用されたのは428人。いじめが主因の例はすべて中学生で24人。
( ニュースソース:読売新聞 2007年5月9日 教育ルネッサンス いじめと教育委員会(7))
http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20070509us41.htm
出席停止を発動するルールを明確にして、
「注意勧告3回で出席停止1日」
など、頻繁行使で、いじめ被害者救済を優先してほしい。
問題を起こす子供に対する厳しさは、その子ども自身をも立ち直らせる指導でもある。
正義のルールを教育現場で貫くべきだ。
特派員 Y.H.
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