書籍
『オルヴェウス・いじめ防止プログラム』 いじめ問題は、日本だけではありません。
世界各国でも大きな問題として取り組みが進んでいます。
その世界のいじめ問題を語るには、ノルウェーのベルゲン大学のダン・オルヴェウス博士の存在を忘れてはなりません。博士は、日本ではさほど有名ではありませんが、世界では、世界一の権威と言われています。
先日、訪問した政令指定都市の教育委員会の指導主事の先生方も、まったく知りませんでしたが、ノルウェーのベルゲン大学の教授を長年務め、35年以上も、子供のいじめ問題に関して、理論面および教育現場での実践面の両分野から取り組んで来られました。
オルヴェウス博士が提唱する「いじめ防止プログラム」は、ノルウェーはもちろん、EU、カナダ、オーストラリア、ニュージーランド等、世界20か国の学校で導入されています。特にアメリカでは、約8000校もの学校で導入されています。結果、平均して20パーセントから70パーセントもいじめが減少したと報告されています。
このほど、『オルヴェウス・いじめ防止プログラム』の翻訳書が日本で発刊されました。博士の「いじめ防止プログラム」が詳細に解説されています。
「いじめ防止プログラム」は、いじめを防止するために、いじめに対する従来の考え方を変えること、及び、いじめを取り巻く学校の環境を改めることを目的としています。
まず、博士は、次の4つのいじめ防止ルールを学校に掲げることを提唱しています。
1. 私たちは、他の人をいじめません。
2. 私たちは、いじめられている人を助けます。
3. 私たちは、一人ぼっちの人を仲間に入れます。
4. 私たちは、もし誰かがいじめられていれば、それを学校の大人や家の大人に話します。
このルールをポスターなどにして、学校の至るところに貼り、いじめは許されない行為であると、はっきり伝えると効果が出ると述べています。
いじめの発見には、無記名アンケートが有効であることを訴えています。「無記名でなければならない。教師に知られないということで子供たちは本当のことを書く」と無記名であることを重視しています。
さらに、教師等による「校内生徒見守り制度」の充実も効果的であると指摘しています。
結局、子供たちを見守る大人の態度が重要であること、もしも、いじめに気付いても介入せずに放置すれば、いじめを許容したことになるという指摘は重要です。
さらにより具体的に、どのように介入したらよいのかという点についても、事前によく話し合い、決めておくことが必要と述べています。
また教師は、子供たちに対してロールプレイングを通して、どのような行為がいじめにあたるのか、そのとき、反いじめルールによれば、どのように対処すべきかを子供たちに「納得させる」ことが重要だと説明されています。
日本のいじめも世界のいじめも、基本的な対策は同じであるとも言えます。
学校全体でいじめ防止に取り組む、いじめ防止ルールを徹底する、いじめへの介入の仕方を事前に決めておく等、この書籍に紹介されているいじめ防止策は、今すぐにでも実行できるものではないでしょうか。
いじめから子供を守ろうネットワーク
松井 妙子

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