◇ 警察を動かすためには ◇ いじめで不登校になったというお母さんから相談をいただいた。
「外食や買い物にも出かけられないんです」。もうすぐお正月という子供たちには楽しい季節なのだが、このA君には無関係だ。
A君は、昨年度からいじめを受けていた。最初は言葉のいじめだったが、4月のクラス替えでいじめグループと同じクラスになって以来、空き教室などで、複数の生徒たちから毎日のように、殴る、蹴る、つねる、放尿される等の暴力を受けた。
5月末に先生がいじめに気付いてすぐに加害生徒に謝らせたが、先生がいないところで、「どうして俺が謝らなくちゃいけないんだ」 とすごまれた。
学校は加害生徒たちの保護者を学校に呼び出し、謝罪の場が持たれた。しかし、いじめ被害事実を聞かされた加害生徒の父親は恐縮するどころか、「先生の前で、そんな言い方するな。うちの子が悪いみたいじゃないか」 とA君のお母さんを怒鳴りつけた。別の加害生徒は、反省文に、「A君が委員の会合に出ないので殴った」 と全く嘘の事実を書いて来た。
「全然反省していない」、「次にはもっとひどい目にあう」と、A君は怖くて学校を休みがちになった。勇気を出して学校に行けば、「おまえ、学校休んでばかりで、家でママに甘えてんのか」 などと攻撃された。
学校の話題になるとぽろぽろ涙をこぼすようになり、二学期からは全く学校に行けなくなった。9月に小児科を受診し、「いじめによるPTSD」と診断された。学校に相談したが、「謝罪は終わったのだからこれ以上は何もできない」と突き放された。
A君のお母さんは、最後の手段として、被害届を出そうと近くの警察署に行った。受付で「被害届を出したい」 と言っても、警察署1階のオープンスペースの長椅子でしか対応してもらえなかった。担当した女性警官は、「なんで、被害届を出したいんですか?」 などと、被害の内容については聴く耳を持ってもくれない。被害届を受け取る気は最初からなかったようである。
このように、警察は子供のいじめに関わりたくないということをあからさまに態度で示すことが多い。
このような警察を動かすためには、第三者が同行することが効果的である。さらに、被害届に関する条文や、いじめで被害届が受理されたという記事のコピーなどで理論武装することや、いじめ被害事実を書面化していくことなども重要である。被害事実が書面になっていると被害者側も冷静に説明することができる。
このケースでは、現実に、私たちが同行して警察に行ったところ、警察はきちんと部屋に通してくれて、話を聴いてくれた。被害届は受理しなかったが、加害生徒たちを警察に呼んで事情を聴くことを約束してくれた。
A君は転校が決まり、三学期から転校先の学校にいくことになった。新しい環境で、1日でも早く心の傷が癒えるようにと、これからもお母さんと連絡をとっていきたいと思う。
私たちはいじめについて、様々なご相談に応じています。お気軽にご連絡ください。
いじめから子供を守ろう ネットワーク
松井妙子

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