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書籍 「THE 説得 ~生徒指導編~ 」  

150611 教師力説得生徒指導

書籍 「 THE 説得 ~生徒指導編~ 」

 関東地方も梅雨入りしました。6月になっていじめ相談も増えてきています。
 先日のご相談は、
「いじめが止まらなくて困っています。学校にいじめを相談したら、加害者たちに謝罪をさせてくれました。でも、その後、別の子まで加わって、いじめがひどくなってしまって。どうしたらいじめが収まるのでしょうか」 というものでした。

 このようなご相談も数多く来ていますが、結局、教師に 「叱る力」 が足りないのです。 「叱る」 ためにもノウハウが必要なのです。
 子供たちに 「自分は悪いことしていたんだ」 と納得させる 「説得力」 を持たなければなりません。この 「説得力 」は、教師だけでなく保護者にも必要なものです。

 ここに 「子供たちをどのように説得するか」 ということを中心に書かれた書籍があります。
 「THE 説得 ~生徒指導編~」 (堀裕嗣編 明治図書刊) は、小・中・高校の現職の先生方20人によって書かれた、生徒指導の決定版と言ってもよいかと思います。いじめから子供を守ろうネットワークでもお世話になっている千葉孝司先生も筆者のお一人です。

 本書の編者である堀先生は、子供を説得するための教師の武器は二つしかないと言います。
 一つは 「言葉」 ともう一つは 「表情」。この二つで、教師は子供たちを導くのであると 「まえがき」 の中で述べておられます。

 本文の中から、磨きぬかれた 「生徒指導のコツ」 の一部を紹介したいと思います。

 山田洋一先生は、「説得上手は説得しない」 と逆説的な説得のコツが提示されています。
 子供はコントロールしようとすればするほど思い通りにならない。常に 「答えは子供の内側にある」 と指摘し、その答えを引き出すコツは 「子供の話に耳を傾けること」 にあること。つまり、「いま考えるとどう感じている? 自分でできること思い浮かぶ?」 と問いかけて、子供自身から答えを引き出すことが、効果的な納得を得ることになると教えてくれています。

 小学校教諭の糸井登先生は、子供が同じことを繰り返すのは納得していないからだと指摘しています。
 そのためには 「子どもの心に届く言葉 」を出せる教師になること。そのために一番大切なのは 「子どもの心をつかむ関係をつくること」 だと述べています。
 さらに糸井先生は、教師からの一方的な指導ではなくて、「問答をする」 指導方法の有効さを述べています。

 中学校教諭の千葉孝司先生は、「問題をかかえる生徒はWANT(こうしたい) しかない」 と言います。このWANTに付き合い、耳を傾けるところから説得が出発するとしています。
 具体例として、生徒が 「腹が立ったから殴った」 と言っても、「腹が立ったからといって殴っていいのか」 と返さないで、「殴りたいほど腹がたったんだ 」といって、話を聞く例を挙げています。
 子供の挑発的言動にも穏やかに返すこと。同じ土俵に上がらず相撲を取らせないこと。
 どうしても、教師が怒りを抑えきれない時には、「用事を忘れていた。ちょっと職員室に行ってくる。すぐ戻るよ」 と席を離れ、深呼吸して笑顔をつくって戻ってくることなど、生徒指導の現場でのあり方が提言されています。
 また、「説得はスタートにすぎない」、「『分かった』から『できる』とは限らない」 という言葉も大変参考になります。

 それぞれの先生の 「説得のコツ」 が満載されています。
 そして、何より本書に裏にあるものは、生徒に対する限りなく優しい教師の目であり、生徒を理解しようと努力している素晴らしい先生方の努力なのだと思います。


150611 教師力説得教室指導 先生方には、この本を参考にして 「叱り上手」、「指導上手」 な先生になっていただきたいと思います。
 本書の姉妹編として 「学級指導編」 も発刊されております。こちらも大変参考になることと思います。
 保護者の皆様にも、「良い先生」 を知るうえで、役に立つ書籍だと思います。

 私たちは、子供たちを取り巻く大人の愛情こそが、子供たちをいじめから守り、学び舎としての本来の姿を学校にもたらすものだと考えています。

 いじめから子供を守ろう ネットワークではいじめ相談を受けています。いじめを発見したら、あるいは不安に感じたら、ご遠慮なくご相談ください。

いじめから子供を守ろう ネットワーク
松井妙子


 

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[ 2015/06/12 10:30 ] 書評、書籍紹介 | TB(0) | コメント(0)

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