★☆ 義務教育学校がスタート ☆★ 

160410 黒板と机

★☆ 義務教育学校がスタート ☆★

新しい年度が始まりました。
4月は、学校や仕事、周囲の人間関係など環境が大きく変化する時です。子供たちはもちろんのこと、私たち大人であっても、期待と不安が入りまじる時期なのではないでしょうか。

先日、私の妹が、保育園に通っている3歳の息子を4月から新しい保育園に転園させる話をしていました。
私はその甥っ子に 「新しい保育園に行くんやね。楽しみ?」 と質問してみました。すると甥っ子は、しばらくの沈黙の後 「・・・友達、誰もおらへん。」 と不安げに答えました。
3歳の子供にとっても 「環境の変化」 というのは大きなことなのだと実感しました。

昨今、教育界において 「小1プロブレム」 「中1ギャップ」 「高1クライシス」 、更には 「小4ビハインド」 という言葉をよく耳にします。これらの用語は、進級や進学などの子供たちの教育環境が大きく変化する時期に起こりやすいリスクを示す言葉です。(注1)
環境の変化に馴染めずに不登校やいじめ、学力の低下に直面する子供たちが急増するという教育課題への関心は、年々高まっています。

このような課題を解決する一つの手段として、近年、公立の 「小中一貫校」 が注目を集めています。小中一貫教育は全国211市区町村で1,130校が実施しており (平成26年5月現在)、これらのほとんどで 「中1ギャップ」 解消などに、実際に成果があったとの報告が上がっています。(注2)

このような流れの中で、昨年6月、「学校教育法」 が改正され、「小学校」 や 「中学校」 に加えて 「義務教育学校」 というものが認められました。
「義務教育学校」 とは、9年間で小学校から中学校までの義務教育を一貫して行う学校です。今春からスタートしています。

義務教育学校の特色としては、9年間の義務教育期間を 「6・3制」 にこだわらずに 「4-3-2」 や 「5-4」 など柔軟に区切ることが可能となり、一人の学校長が一貫して指導することによって、小中一貫校よりも 「中1ギャップ」 の解消に効果があるのではないかと言われています。また、学習内容なども学年に縛られずに前倒しで教えることも可能となり、学力向上にも大きな期待が寄せられています。

一方でいくつかの課題もあります。
義務教育学校の教員は、小学校及び中学校の教員免許状が両方とも必要です。
ただ当面は、小学校免許状で小学校相当課程 (前期) のみ、中学校免許状で中学校相当課程 (後期) のみを教えることが認められています。現在は有資格者を増やすべく小中の教員免許状の併有を勧める施策がとられています。
このような中、実際に中学校の教員に小学校の全科目を担当することができるか、中学生を相手にしてきた教師に 小学校1年生のクラス運営、たとえば、トイレの使い方や給食のお世話、さらには、おもらしの後始末ができるのか という疑問が投げかけられています。

さらに、転校に関わる課題もあります。義務教育学校はそれぞれの学校が柔軟に学年や学習内容を設定することができますので、普通の小中学校から転校した場合、授業の進み具合がすり合わないということが起こることが予想されます。

このような課題はありますが、子供たちの環境の変化に柔軟に対応できる体制を整えることは重要であると思います。

一方で、最大の課題ともいわれている 「中1ギャップ」 そのものに根拠がないという研究結果を公表しているところもあります。(注3)
いじめや不登校、学力低下などの問題を説明するために 「便利に」 用いられている「中1ギャップ」 という用語ですが、「中1でいじめなどが急増することはない」 という声も大きいのです。

私の意見としては、冒頭に述べたように、人間にとって環境の変化は常に起こるものであり、子供のころにこの環境の変化を乗り越える経験も一つの教育であろうと思います。
したがって、学校や教育制度だけに頼らず、家庭での教育も大切だと思います。
 
その上で、文科省側としては、「いじめ」 や 「不登校」、「学力」 などといった教育課題を 「環境の変化」 のせいにのみせず、解決していくための方策を提言していくべきです。
そのためには、教育行政の規制を緩和していくこと、自由で柔軟な教育が行われていく方向に日本の教育行政も変化していく必要があると強く思います。

担当 和田 みな

【注1】
「中1ギャップ」 とは
小学生から中学1年生になったとき、学校生活や授業のやり方が今までとまったく違うため、新しい環境 (学習・生活・人間関係等) になじめずに、不登校となったり、いじめが増加するという現象。
原因として、授業形態の違い (小学校では学級担任制、中学校では教科担任制)、生徒指導方法の違い (中学校は小学校と比較して生徒に課せられる規則が多く厳しい生徒指導がなされる傾向)、各児童生徒の小学校時点における学習上の問題や生徒指導上の問題が中学校と十分に共有されていない、上級生や教職員との人間関係も小・中学校間で違いがある等が考えられる。

「小1プロブレム」 とは
小学校に入学したばかりの小学校1年生が、集団行動が取れない、授業中に座っていられない、話を聞かないなどの状態が数か月継続する状態。
これまでは1か月程度で落ち着くと言われていたが、これが継続するようになり就学前の幼児教育との関連や保護者の養育態度が注目され出した。

「高1クライシス」 とは
高等学校進学後、学習や生活面での大きな環境変化に適応できず、生徒が不登校に陥ったり、退学したりする現象。クライシス というのは 「危機」 のことで、ケースの大半が高校1年時に集中していることからこのように言われる。

「小4ビハインド」 とは
算数・数学の基礎基本が、ほとんど小学4年生までに集約されていることから、小4の段階までに身につけていないと、小5以降の算数や、中学校での数学の習得が困難になること。

【注2】
「小中一貫教育等についての実態調査の結果」 (平成27年2月 文部科学省初等中等教育局)

http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/ikkan/__icsFiles/afieldfile/2015/05/08/1357575_01.pdf

【注3】
生徒指導リーフ「中1ギャップ」の真実 (平成26年4月 文部科学省国立教育政策研究所)

https://www.nier.go.jp/shido/leaf/leaf15.pdf

 

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[ 2016/04/11 12:00 ] メッセージ | TB(0) | コメント(0)

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