☆ 「子どもを社会で育てる」 という意味 ☆ ネット上の 「保育園落ちた日本死ね!!!」 という言葉で象徴される待機児童の問題が、次の選挙の争点の一つになりそうだ。
「一億総活躍時代」 と銘打ち女性が活躍する社会を提唱している安倍政権。
それを支えるためには、子供たちの養育や保護を親に代わって世話をしてくれる施設や保育士が必要となる。しかし、その方々が不足しているため、困っている人たちが多いということらしい。
世論の高まりを受けて、現政権も保育諸問題に取り組みを始めるようだ。
だが、親以外の世話を必要としているのは、乳幼児だけではない。年々増え続けているといわれている“不登校” (あるいは “非登校”) の子供たちのことである。彼らは、いったいどこで毎日を過ごしているだろうか。
乳幼児の場合、親が、仕事その他の理由で、保育所などに預け入れることに疑問を抱く人はいない。
しかし、学校にいけない子を迎え入れてくれる施設は少ない。フリースクールなどの施設がいくらかは増えたといえ、親が家庭で世話をしているのがほとんどではないだろうか。
不登校の子の多くは、後ろめたさや恥ずかしさを感じている。特に学校にいるべき時間帯には、家の外に出られない。
親もまた、近隣の人たちから、「どうして、お宅のお子さんは学校に行かないのか?」 と問われると、説明することができない。えてして自分の子が 「普通の生活ができない」 ことに罪悪感や自責の念を感じ、図らずも隠してしまうものだ。
不登校が社会問題として認知されてきたとはいえ、偏見とも言える 「子供がフツウの状態でないのは、母親の育児方法が間違っているから」 という批判が、日本の社会にまだまだ根強くある。
学校での集団生活ができない子供に対しては 「社会性が育たない」 「わがままになる」 などという思いこみもなくならないようだ。
十数年前になるが、私自身も、「子供が登校しないのは、あなたが甘やかしているから。毎日、引きずってでも、学校へ行かせるべきだ」 と、自分の親兄弟から責められ続けた。
身近な者としては、「学校に行かせてあげたい」 という親切心もあるのだろうが、身内が “常識の枠” からはみ出してしまうことへの世間体を気にした発言も多い。
近親者の無理解は、精神的にかなりきついし、ますます親は追いつめられてしまう。
やはり、周囲にいる者としては、不登校児を抱える親の苦しみや不安を理解し支えてあげて欲しい。
さらに、親は学校側の理解や協力を得ることにも気を遣わなければならない。
熱心な担任だと、自宅に様子をうかがいに来てくれるが、子供自身が会いたがらない場合もある。それがまた、「社会常識の無い親ではないか?」 「親が虐待しているのではないか?」 という “疑惑” を招いて対処に苦労することになる。
私自身は、幸い、PTAの役員を務めたていたため、校長・教頭をはじめ、教職員とのコミュニケーションがうまく取れて助かったところがある。
それでも、「一度は、スクールカウンセラーの指導を受けてほしい」 と言われ、校区の中学校まで出向いたこともある。
「不登校は親の責任」 という考えが常識全として存在しているのだと感じたものだ。
ちなみに、カウンセラーが常駐しているわけではないので、その時は、事前に予約しても実際には面談まで、3ヶ月以上待たなければならなかった。
もう一つ、不登校問題で、意外となおざりにされがちなのが、学習面でのサポートだ。
自分の教室に入れない場合、保健室や支援学級で過ごせる場合もあるが、それぞれの子に合った学習指導や個別指導はしてもらえない。自習やプリントがせいぜいだ。
したがって子供の学力を考えると、親が家庭で教えるか、学校外の塾などに通わせたり、通信教育を利用せざるをえない。
ある時、突然登校できるようになっても、授業内容が理解できないのでは、それがまた苦痛になり悪循環になってしまう。
不登校になった場合、精神的なケアも必要であるが、学習指導の面をおざなりにしてはならない。
さらに、学習障害や発達障害をかかえている場合は、適切な学習環境を探すのにさらに苦労する。
フリースクールも認められ始めているが、絶対数が少なく、小学生が毎日一人で通える距離に無いことの方が多い。
学校外の学習施設を利用する場合は、当然、余分に学費がかかることになり、親の経済的負担も重くなる。
不登校になる原因は、いじめ以外にもさまざまあるだろうが、子供自身はもちろんのことだが、社会として親の精神的ケアやサポートも検討すべき時代が来ている。
子供が産まれた瞬間に、「完璧な親」 になれる人は一人もいない。また、親自身の親 (子供の祖父母) も、20年以上子育てを経験してきたからといって、「完璧な子育てのお手本」 になれるとも限らない。
政治的にも、核家族が大多数を占める日本社会において、子育て期にある親子を孤立させず、互いに支え合える多様な仕組みを考えることは、少子化対策にも直結し、重要であると思う。
担当 小宮直子

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