◇◆ 学校ストレスをのり越えるためには ◇◆ ゴールデンウィークを間近にして、夕方の中学校の校門前では、それぞれが異なる制服を着た、先月卒業したばかりの女子高校生たちの姿を見かけることがたびたびあります。
下校時の声かけや部活指導中の馴染みの先生に声をかけ、嬉しそうに新しく始まった高校生活を報告しているのです。その成長した姿を観て、頼もしく感じています。
しかしなかには、独りで校門の壁に寄りかかりながら、スマホ片手にうつろな目をして寂しげにしている子がいます。じっとたたずんで部活動が終わるまで待っているのです。知り合いの先生や後輩たちと話をするためなのでしょう。
「新しい環境に溶け込めているのかしら」、
「急激な変化にとまどっているのではないかな」、
ふと心配になって、さりげなく声をかけてみます。
在校中は、そんなにじっくり話をしたことはないのですが、にっこりと笑顔になって、長い時間いろいろと話をしてくれます。言葉の端々に、緊張疲れやストレスが感じられます。やがて彼女は 「少し話せてスッキリした」、と述べ、その後は、いつもの先輩の顔になって、後輩たちや先生を迎えていました。
新学期は、子ども達をとりまく環境や人間関係に大きな変化がある時期です。それまで心身に大きな変調がなく、親や周りから見て、心配のない子と思われていた子どもであっても、「もしかしたら負荷がかかっているかもしれない」 と配慮してあげる必要があります。
また、保護者からも、初めてのご相談が寄せられる時期が今頃なのです。
「新1年生になって、元気に制服姿で登校した息子が、しょんぼりして帰宅したので聞いてみると、『ボタンを一個かけ忘れていて、みんなの前で叱られた、もう学校に行きたくない』 と言っている」 という相談や、
ある女子生徒さんの親御さんからは、
「やはり小学校とは違いますね。娘は大人しい子なので誰にも迷惑をかけるような子ではありませんが、体育館で朝の集会中に態度が悪かった生徒が居て、大勢の前で先生から大声で怒鳴られている姿を見て 『こわい』 と感じたようで、それ以来、朝、登校する前に具合が悪くなるのです。特に月曜日は青ざめて手を震わせています。行かせないほうがいいのでしょうか」、という相談もありました。
早めに相談される方は良いのですが、なかには、心身に重い症状が出るまで気が付かないケースもあります。
家では話はするものの、学校ではいっさい話ができず、だまってしまう 「場面緘黙 (ばめんかんもく) 」 的な子どももいます。
また、クラスのだれとも話ができなくなり、「授業を受けるのが怖い、人の目が怖い」 と保健室に行くことを訴える子もいます。
ランチをクラスメートたちと一緒に食べることができず、支援員さんと個室で食べる子、精神不安定でクリニックにかかる子もいます。
人の輪に入れない子の中にも、頑張る子どもたちがいます。
「勉強がしたい」、とわざわざ廊下に机を置いて授業を受けている子もいます。
がんばって学校に通うのは、「親に心配かけたくないから」 というのが大きな理由です。中には、「家に居場所がないから学校に来る」 という子どもも居ます。
このような子どもたちの回復のためには、ある程度の時間と専門家の援助が必要になります。
それは、「薬を飲んだらすべて解決」 ということではありません。
子どもを取り巻く環境を変えることが出来ないのであれば、これから未来を生きていくために、学校においても、心の教育やストレス・マネジメントを考えてあげる必要があります。その上に、進路指導やキャリアガイダンスがあるのではないでしょうか。
誤解のないように条件付けしますが、ここまで述べてきたことは、あくまで通常生活の中におけるストレス・マネジメントであって、今いじめを受けていて苦しんでいる子どもたちのためには、「いじめを解決してあげる」 ことが大前提です。
いじめ事案を解決することなく、「その子自身の心の持ちようだから」、というのは、責任からの逃避と言えますので、ご注意いただきたいと思います。
スクールソーシャルワーカー 村崎 京子 (仮名)

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