◆◇ いじめの空気 ◇◆ 「いじめの原因は空気だ。解決するには、みんなが親友になること。笑顔の大切さを忘れずにいたい。」
3年前にある中学3年生男子は、そう作文に残している。その後彼はいじめを苦に自らの命を絶った。いじめられても笑顔でいじめを乗り越えようとしていた少年のことを思うと胸が痛む。
自分が積極的にしたいわけではなくても、そうせざるをえない雰囲気。それがいじめの空気だ。
そして積極的にその空気を作り出す子供もいる。不平不満を抱える子供たちだ。そんな子供は 「○○ってウザいよね」 といじめのスタートを切る。そう言われると、多くの子供は 「あ、そうだよね」 と同調してしまう。仮に 「私は、そうは思わないけど」 と返したなら、今度はその子自身が 「ウザいよね」 と言われる対象になりかねない。
これはある意味では、「いじめる」 か 「いじめられるか」 の選択の踏み絵を踏むということかもしれない。
いじめの空気の根底には、自分がされるかもしれないという不安がある。
昔のいじめは、されやすい子供がいた。現代のいじめは全ての子供がターゲットになる。誰しもが 「自分もいじめられるかも」 という不安を抱えながら過ごす。その不安定な人間関係は、いじめのターゲットを設定することで安定する。誰もがいじめられたくないと思いながらも、いじめを止められない。
それがいじめの空気だ。そしていじめる側の罪の意識も驚くほど希薄なものとなってしまう。
自分は違うと思っても、同意せざるをえない雰囲気。これを同調圧力と呼ぶことがある。
同調圧力の大きさを示す、あるアメリカの実験がある。
あるカードに描かれた線分と同じ長さの線分の描かれたカードを探すというものである。その際に被験者の中にサクラを用意し、明らかに違う線分のカードを揃って選んでいく。するとその後に選ぶ被験者の75%が、明らかに違っているカードを一旦選ぶという。
自己主張や個性を尊ぶアメリカでさえこうなのである。アッシュの同調実験と呼ばれるこの実験は、同調圧力がいかに強い力を持つかを物語る。
人は快を求め不快を避ける。本能のままに生きたのなら、自分を守るためにいじめる側に回り、そこで楽しみを得るのかもしれない。しかし本能のままに生きる人間から尊厳を持った人間に変える方法がある。それは教育だ。
来年度から小学校、翌年からは中学校で、道徳が特別な教科 「道徳科」 となる。そこで質の高い教育が行われたのなら、いじめ防止の一助となるだろう。
守矢 光児

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