◆◇ 教師の体罰やパワハラから
子どもを守るには ① ◇◆ 体罰については、これまでも色々と意見が交わされています。
「体罰はいけない」、「暴力だ」、「スポーツのチームをよくするため体罰は必要だった」、「子どもから感謝されてきた」 等々です。
ここでは、かくあるべしの見方ではなく、別の視点でひも解いてみたいと思います。
〇体罰死について
体罰や教師による指導死は、これまでも学校の中で一定の割合で存在しています。
各報道によれば、今年4月、仙台市で、中学2年の男子生徒が飛び降りて死亡しました。
教師が授業中に生徒の口にガムテープを貼ったほか、自殺前日にも生徒の頭をたたくなどしたことを仙台市教委が市議会に報告しています。
また、記憶に新しい事件では、福井県池田町で、担任による厳しい指導を受けて、中学2年の男子生徒が自殺しています。
町教委の調査報告書では、叱責を受けていた際に、生徒が過呼吸の症状を訴えていたり、土下座しようとしたりするなど、精神的に追い詰められていたことが明らかにされています。
自殺した生徒は、母親に、「僕だけ強く怒られる。どうしたらいいかわからない」 と泣きながら訴えて登校をしぶることもあった、と報道されています。
逃げ場のない状況下でのこの生徒の気持ちをおし量ると涙を禁じえません。
さらに、保護者へのインタビュー報道の中で、「調査委員会の報告の中で、息子が発達障碍の疑いがあったことが言われているが、小中学校からそんなことは一度も指摘されたことはなく、家庭内でも問題はなかったので、今さらそのようなことを言われても・・」 という発言があったことが印象に残っています。
一般的に、いじめ自殺の時と同様に、体罰死においても、第三者機関が設置され、調査します。その調査では、『なぜ、教師がそのような指導に至ったか』 に対する分析よりも、『児童生徒やその家庭側にいかに問題があったか』 に、重点が置かれてしまうのが一般的です。
教育委員会や第三者委員会は、決して隠しているつもりはありません、もちろんそうでしょう。しかし、調査報告書を読むと、教師の資質や性格、クラスを崩壊させた経歴などに、読み手の意識が向かないようにできています。そういう意味で、教師は守られていると言えます。
民間会社で、重大な事故があったとき、会社側ではなくクライアント側ばかりに責任を求めるのはおかしいでしょう。
しかし、教育界においては、それが当たり前のように行われています。それぞれの問題点を深めてみましょう。
〇体罰に至る理由について
なぜ、教師は体罰に及んでしまうのでしょうか。以下のような理由が挙げられます。
① クラス運営は担任の責任で、クラスが荒れると力量がないとみなされる。したがって、指示に従わない児童生徒に注意を集中させることになる。
② 同じ指導をしているのに、素直に従う生徒が存在している一方で、指導に従わない、注意散漫や行動優先の子どもがいる。そのため、子どもに原因があると思いがちになる。
③ 児童生徒に理解させるスキルを磨く方向ではなく、排除の理論に向かう。注意や指導が重なり、徐々にエスカレートしていく。
教師の大きな声やアクションは、一時、生徒を畏怖させ、行動を中止させます。しかし、生徒には 「自分だけが怒られる」 と認知されるだけで、大方は効果を有しないのです。
これらの行動に走りがちな根底には、「自分は正しい。自分は悪くない。変わらない子どもが悪い。自分はこのやり方で成功してきた。」 という教師側のごう慢さがあったりします。
公立学校は一年間でリセットされる組織です。よほど優秀な上司がついて、軌道修正に当たらない限り、教師個人が反省したり、軌道修正されることはほぼない、と見ていいでしょう。
しかも、残念なことに、大きな事件になってしまっても、先生は、たいていは病休に入り逃げるのが常です。周囲の教員仲間も、「たいへんだったね、運が悪かっただけ」 と同情的です。
そこまで大きく報道されなくとも、小さな学級崩壊は日常的にあります。崩壊させた先生は、過去にも、別の学校で担任の時に崩壊させていることが多いのです。
授業参観してみれば、一目瞭然です。「授業がわかりにくい」、「指示が明確でない」 という特徴を持っている教師のクラスで学級崩壊が起きやすいのです。
コミュニケーションが児童生徒側に理解されているかどうかではなく、いかにも自分本位なのです。
( 続く )
教育委員会 スクールソーシャルワーカー 村崎京子 (仮名)
元教員、精神保健福祉士、社会福祉士 そして母親
※次回は、調査委員会等の問題について述べます。

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