◆◇ 教育現場で経験した 「虐待」 問題 ◇◆ 子供の成長には大人の関わりが欠かせません。
保護者の方がどんな想いで、どのように接するかで、その子供に多かれ少なかれ、良きも悪しきも影響を与えるものだと思います。子供は愛情を食べて生きているともいわれます。年齢相応の愛情が必要なのだと思います。
そう考えている中に飛び込んでくる虐待のニュースを聞くと、つらくなります。
一番頼りたい大人からひどい目にあわされる。重傷を負わされたり、殺されてしまうこともあります。体や心、そして魂にどれだけの傷を負ってしまったのだろうと、心配で仕方ありません。
保護者の方も、悩みがあり、生活していく上での御苦労もあるかと思いますが、大人が子供に愛という 「水」 を注ぐことで、その子供がきれいな花を咲かせることになると思います。
心の水や栄養をあげて育まなければ子供という 「花」 は枯れてしまいます。もちろん、優しいだけではいけないと思いますが、「しつけ」 に名を借りた体罰、虐待は戒めるべきです。叱るときは 「愛情に裏打ちされた厳しさ」 であるかを自らに問いかけることが必要と考えます。
私は十を超える高校に勤務してきました。その教師生活において、何件かの虐待の現実をみてきました。高校生の場合は、「ネグレクト」 というべきケースが多かったように感じます。
家庭訪問をすると、荒んだ生活環境、つまり、家の中が雑然としている (我が家も雑然ですが、比べものにならない程の尋常ではないありさまです) ケースが多いのでした。
生活に追われていたり、保護者の方が怠惰であったり、その両方だったりしていました。御家庭に光がないように感じました。
ある御家庭を訪問したときには、
「この環境で 『前向きに努力しなさい。ちゃんと学校へ来なさい』 と子供にいっても無理だ」
と強く感じました。子供がホッとできる場所がないのです。
心配なのは、子供 (生徒) が学校に来て、頑張って勉強して針路を決めて卒業し、経済的自立が果たせるかどうかということです。今の環境に挫(くじ) けて、不幸の拡大再生産をしてしまわないことを切に願いました。
私は、根がおせっかいなので、極力生徒の苦しみの原因に関与し、介入しました。
児童相談所にも相談しました。児相の方も案件を多く抱えていらっしゃり、お忙しいご様子の中で、お話を聞いてくださったり、本人と面談をして下さる方もいらっしゃいました。しかし、多くの場合は 「様子を観る」 ということが多かったように記憶しています。
そのため、私は別件を装い家庭訪問をして、保護者の方とお話ししたり、生徒と連絡先を交換し、緊急時や困ったことがある場合は連絡をもらえるような関係を築くようにしていました。
微力ながらも力になれて、退学寸前の生徒が卒業できるようになったケースも何件かありました。
ただ、残念なこともありました。
ある保護者は自分は働かずに、高校生の子に働かせ、そのお金を生活費、遊興費に使っていました。しかも、その保護者は健康に何らの問題もないにもかかわらずです。
その子はアルバイトを複数掛け持ちさせられ、学校を辞めざるを得ませんでした。
何度も家庭訪問し、父親とも話し合いましたが埒(らち) があかず、児童相談所でも、「保護者と一緒に住んでいる高校生」 ということで対応していただけませんでした。その生徒のことは今でも気になっています。
前回の泉先生のメルマガから学ばせていただいたのですが、いじめや家庭環境で悩み苦しむ児童生徒のために、教師をはじめ大人が正面から向き合って、問題解決に尽力することが、その子供の励みや支えになるのではないかと、思うところです。
虐待をする親の多くは、自分自身も子供のころ虐待を受けた経験を持つともいいます。
負の連鎖を断ち切るために、子供の幸せと日本の発展のためにも、多くの皆さんに関心を持っていただき、力を合わせて虐待をなくしていきたいと思います。
清川 洋

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