◇ 代表メッセージ ◇
◆◇ 入学式の春
GIGAスクールが始まる ◇◆昨日の電車、駅は入学式に向かう親子連れで賑わっていました。
そこはかとない緊張感も伝わってきますが、何よりも希望が溢れているようで、何となくうれしく感じました。
さて、コロナ禍2年目の新学期を迎えました。
残念ながら、変異ウイルスも蔓延し、おさまる気配をみせません。
保護者の皆様も大変に心配していることと存じます。
また今年度は、公立の小中学校を中心にGIGAスクール元年と言える年となります。
このGIGA(Global and Innovation Gateway for All)スクールとは、「高速大容量の通信ネットワークを整備」して、「児童生徒に1人に1台端末を配布」し、教育に取り入れようという文科省の構想です。
新型コロナの影響で、計画が3年も前倒しになったのです。情報化時代の教育改革ということなんだろうと思います。
やや表現が硬くなりますが、下記に文科省の資料を引用しました。
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●児童生徒1人1台コンピュータを実現することで、これまでの我が国の教育実践と最先端のICTとのベストミックスを図り、教師・児童生徒の力を最大限に引き出す。
●災害や感染症の発生等による学校の臨時休業等の緊急時における、児童生徒の学びの保障の観点からも、ICTを効果的にフル活用することが重要である。
●ハード面の整備だけでなく、ソフト・指導体制を一体とした改革を強力に推進する。
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とあります。ちなみに、
ICT(Information and Communication Technology)とは、情報通信技術のことです。
2021年3月に文科省は「GIGAスクール構想の実現に向けたICT環境整備の進捗状況について(速報値)」において、全国で97.6 %、1,769自治体が、2020年度内に納品を完了するとしています。
ということですので、もうすでにタブレットやパソコンという端末を渡されている子も多いかもしれません。
今年度、端末という「物」は与えられます。しかし、どのように使って、目標とすべき成果はどうあるべきでしょうか。本当に子供たちは良くなるのかについては、手探り状態でしかないようです。
新型コロナの影響で、いきなり前倒しされた「1人1台」です。教師自身が使いこなせていないのが現状です。
「日進月歩の中で何年間使えるのか」、「充電は?」、「通信できなくなった」、「アップデートはどうする」、「アプリを消してしまったらどうする」、「落として液晶が割れたら」、「紛失や窃盗」などなど。全てを先生が対応することになります。なんか怖いですね。
ましてや授業でどのように応用していくか、お手上げ状態の先生もいらっしゃるようです。
インターネット、特にSNS系のラインやツイッター、インスタグラムなどの事件は、毎日のように報告されています。誘拐や性犯罪、ときには死亡事故、その背後にネットが関係していたという内容が相次いでいます。
いじめにおいても、パソコンやスマホ等による、誹謗・中傷、写真や動画の拡散などなどのいわゆる“ネットいじめ”の認知件数は、前年度よりも1,590件増えて1万7,924件を数え、過去最多と報告されております。
このタブレット、あるいはパソコンという「道具」が小学一年であっても配布されてしまうという現実に対して、保護者としてはどのように受け止め、対応すべきか、考えなければならない点が多くあるように思います。
ネットは24時間、口を開けて何かのアクションを待ち続けています。ツールとしては便利ではありますが、別の意味では「罠」と捉えておくことも必要だと思っています。
ネット対策の基本は「自分の身は自分で守る」ことです。
ですから、このネットの罠にはまらないようにするには本人と家族が力を合わせていくことが一番の基本です。
確かに、教師や学校、さらには警察という外部の力もありますが、このような組織を頼ることも必要なことも出てくるでしょう。しかし、あくまでも基本は「自分」と「家族」です。
今回のメルマガでは気にしておくべき点を4点ほどお伝えしておきたいと思います。
1点目は、子供に情報教育を教えられるか、質問に答えられるかという「保護者側のスキル」です。
教師にばかり任せるわけには行かないはずです。宿題であったり、復習や予習など子供たちは保護者に質問してくるはずです。
ですから、子供たちがと一緒に学ぶ必要性が出てくるかもしれません。保護者としては、端末の使用方法はもちろん、ネット上のコンテンツの使い方など確認しておきたいところです。
そして2点目としては子供たちが危険にさらされる可能性は高くなるということです。
保護者が高校まではスマホを持たせないと頑張っていても、「学校」が強制的に配布してしまうのです。
端末の中だけで完結するような使い方は少ないはずです。インターネットに接続し、動画を見たり、情報を集めたり、ネット経由で話し合いをしたりするでしょう。
学校だけでなく家でも欲しくなります。当然ですよね。
となれば、子供たちがどのように使うかとか、どのような危険に身を晒すことになるのか想像がつきそうです。
したがって、ネットやSNSを使用することによる危険性や罠についても理解し、子供たちを守るための対策を立てておくことが必要だと思います。「フィルタリングしておけば良い」というだけでは抜け穴が生まれてしまいます。
さらに、3点目としては、万が一、子供がトラブルに見舞われた場合の対処方法についても情報を収集しておいてください。
どの対応ができて、どの対応はできないのか、知っておくことです。
特に「デジタルタトゥー」と呼ばれるように、一度流れ出てしまった情報の中には、消すことが「不可能」と思われるようなものもあります。
そして4点目、一番大切になるのが、使い方についてお子さんと共通認識を持っておくことです。
一般的ではありますが、使い方のルールを決めておくことから始まり、危険性の認知や、単に被害者になる可能性だけでなく、加害者になる危険性もあることについての教えること、さらには、過干渉になりすぎずに子供たちを成長させるにはどうするかなど、ぜひ、一考いただきたいと思います。
本人がSOSを出さないと見つけられにくいということもネットの特徴です。
トラブルになっても初期のものであれば大事にはなりにくいものですから、日頃から「困ったら相談してね。内緒にしなくていいから」ということを伝え、理解させておくことを心がけていただきたいと思います。
蛇足になるかもしれませんが、もう一点、付け加えておきたい点がございます。
ネットで情報収集は便利です。短時間で情報が集まってきます。しかし、その情報が事実、真実であるかどうかの判定が難しいのです。
特に教育で使用される場合、すぐに発表なり提出が求められることになります。したがって集めた情報を検証する機会はほとんどないでしょう。それらの情報は子供たちの体験、経験にまで昇華することもほとんどないと思われます。
それゆえ、GIGA教育で知恵が生まれる機会もそう多くはないはずです。
したがって、「よく考える」という時間を創り出し、「本物とは何か」を見る目を養ってあげることも保護者として気にしておく必要があると思います。
GIGA教育、これで「教育」は良くなるのでしょうか。
いじめは減るのでしょうか。道徳心はあがるのでしょうか。知力も体力もあがるのでしょうか。
新たな「何か」が生まれてこないと、教師も保護者も大変になるだけ、子供たちもネットが使えるようになっただけで終わりそうな気もします。
明治維新の「松下村塾」に負けないような教育が生まれるのでしょうか。考えなければなりません。
なお、ネットの安全な使い方を文科省が提示しています。動画もありますので、一度チェックしておくと良いと思います。
アドレスは、
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/zyouhou/1368445.htmさあ、新学期が始まりました。
早々に起きるいじめは少ないはずですが、何が起きるかわかりません。
なんらかの兆候や不安がございましたら、ご相談いただければ幸いです。
一般財団法人 いじめから子供を守ろうネットワーク
代表 井澤一明
井澤一明ブログ: http://ameblo.jp/kzizawa/Facebook: http://www.facebook.com/kz.izawaTwitter: @kzizawa

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