☆★ 職責と愛情 ★☆ 北海道旭川市で、2月13日から行方不明になっていた14歳の女子中学生が、凍死の状態で発見されたとの報道がありました。2019年6月にも、自殺未遂を図ったことがあるとのことでした。
メディアからの情報しかありませんのでその上で申し上げますが、自殺の理由は、女子生徒が、複数の男女の生徒たちからのいじめに遭い、自分の不適切な画像や動画を送らされ、それがSNSなどで拡散されたことなどを苦にしたものと見られるといいます。
いじめについては警察も厳重注意しており、とうてい許すことはできません。
さらに、校長の対応が、
「いじめの事実はなかった。男子生徒らのいたずらが過ぎただけ」
と述べるなどし、
また教頭も、
「わいせつ画像の件は校外で起きたことだから学校として責任は負えない」
「加害者にも未来がある」
と発言したと報じられています。
生徒の自殺未遂の後、教頭は被害者の保護者に、「いじめの証拠があるのなら見せてほしい」と言い、LINEの不適切な画像等を見せられると、自分の携帯で撮影までしているのに、その後放置していたことが報道されています。
これが本当ならばとんでもないこです。
自殺未遂があったのならば、その段階で本人の状況を把握するように努めなければなりません。これは、教頭だ、校長だ、などということは関係ありません。
自分の学校に通う生徒が何らかの原因で苦しんでいるのであれば、ひとりの人間として、大人として何とかしてあげたいと思うべきです。カウンセラーを要請したり、保護者とも連携し、あらゆる手段を講じて本人の苦しみを取り除くようにするべきだと思います。
特に、「校外で起きたことだから学校として責任は負えない」という発言は、聞き捨てなりません。校外であっても、被害者が自分の学校の生徒であれば絶対に見過ごせない、放置できない問題です。
「いじめ防止対策推進法」においても、いじめ防止等への対策は、学校の内外を問わないとされています(同法3条)。この重要な法律さえ知らないと言い張るつもりなのでしょうか。
要するに、問題に対応しようとする気持ち、気概がなく正義感もないとしか思えません。
確かに、管理職としては「億劫に」感じることでしょう。様々な用務に負われ心身共に疲労しているかもしれません。
しかし、放置するから問題は悪化するし、不幸を拡大してしまうのです。
校長・教頭の目先の自己保身が、自己中心主義が、事が起きてからの訳の分からない弁解につながっていると感じます。
何か事件が起こったら、「誠意を以て、即対応」が鉄則です。それが結果的に問題を良き方向に導き、学校に対する信頼をいただけると思います。具体的な事例は出しませんが、今までの経験からこれは実感です。
一般論ですが、管理職は教育委員会に阿(おもね)らないことが大事です。生徒のため、その生徒のために頑張る先生達のために、尽力するのが現場の管理職の基本だと思います。
最後に一言申し上げます。今回の旭川の管理職の対応をみていると、今の日本政府や一部の政治家の姿勢とダブって見えてなりません。
英国やアメリカが、中国が新疆ウイグル地区でジェノサイド(集団殺害)をしていると批判しているのに対して、日本では、外務省がジェノサイドとは認めない姿勢を示すなど、へっぴり腰の、見て見ぬふりをする態度に終始しています。
学校も、国政も、見たくないものは見えないことにする「ダチョウの平和」では立ちゆかないのです。(注)
元公立高校校長 清川 洋
(注)「ダチョウの平和」
ダチョウは身に危険が迫ると砂の中へ頭を突っ込み、危険を見ないようにして安心する習性がある、との迷信から、不都合な事実を認めようとしない、安全保障上などの危機や外国の脅威等を直視しようとしないことを、「ダチョウの平和」と呼ぶ比喩表現がある。

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