脱いじめへ ~1万3千人のアンケートから 

 いじめ加害者の心理的背景に、家族による虐待などのストレスがあるにしても、いじめを正当化する理由にはならない。いじめは、間違いなく、いじめる側に問題がある!「いじめをしない。いじめをさせない」意思を貫く勇気ある子どもたちを応援します! by Y.H.


〈こども 脱・いじめ〉


傷つき、いじめる側に 1万3000人の声から



 いじめについて、考えたい。なぜ起きるのか。どんな場合に、特に深刻になるのか。それを知り、克服の手がかりを得たいと思うからだ。朝日新聞社はアスパラクラブの会員を対象に3種類のアンケートを実施し、計約1万3000人から回答を得た。回答してくれた人の体験や研究者の指摘、各地の取り組みなどをもとに、いじめの構造と対策をみていきたい。まずはいじめの「理由」から。


 「あいつ、変」


 「近くに来るとくさい」


 陰で言いふらし、仲間と盛り上がった。本人が声をかけてきても無視した。


 東京都内の大学1年生の男性(19)は高校時代、同級生をいじめたと明かす。


 近寄っていったのは自分からだ。2年に進級したあと、いつも一人でいたその同級生が気になった。声をかけると、自分のあとをついて回るようになった。


 同級生は、急にジャンプするなど、ちょっと変わったところがあった。一緒に弁当を食べていると、周囲に「無理しなくてもいいんだぞ」と冷やかされた。その子と体育の授業でペアを組んだ他の同級生から「交代してくれ。お前らで組めばいい」と言われた。


 一緒にいると、自分も孤立していくように思えた。悪口を言い始めたのはそれからだ。やがて同級生は自分から離れ、また一人で過ごすようになった。


 「当時はいじめだとは思っていなかった」と男性はいう。今は後悔し、いじめた理由をこう考えている。


 友だちがあまりできず、いじめられた経験もあった。友だちが欲しくて声をかけたのに、クラスの中で2人とも異質な存在として排除されるのでは、と不安やいらだちが募った。「それを彼のせいにして攻撃し、自分の方が『上』だと示してストレスを解消していたのかも知れない」


 2人には別の個性があると周囲に認めさせることができれば、友だちとしてつきあえただろう、と思う。


   ■  ■ 


 いじめた相手は、仲の良かった幼なじみだ。


 京都府内の高校1年の女子(15)は、中学に入学した時、幼なじみに誘われ、一緒に運動部に入った。


 運動が苦手で、部員数人から「へたくそ」と悪口を言われ、嫌なあだ名をつけられた。同じように苦手だった幼なじみと、「相手にしないで、がんばろうね」と励まし合った。


 2年になり、幼なじみは部活を休みがちに。「自分から誘っておいて」とイライラした。中心になって、「うざい」「どんくさい」と言い、無視した。一緒にいじめた4人の中には、自分をいじめていた子もいるが、一緒に悪口をいうと仲良くなれた気がした。


 今は、いじめた理由をこう思う。「いじめられてむしゃくしゃし、私より運動が下手な子にぶつけ、自分より『下』がいると思いたかったのかも知れない」


   ■  ■ 


 10代・20代向けのアンケートでは、「中心になっていじめたことがある」と答えた人の8割がいじめられた経験も持っていた。「中心」以外の人に比べ、いじめられたという割合がずっと高い。「中心」には、家族による虐待などの被害経験を書き、そのストレスをいじめではき出したと振り返る人もいた。


 北九州市立大の楠凡之(くすのきひろゆき)教授(臨床教育学)は、いじめが起きる理由は加害者の「傷つき」だと指摘する。「傷つきを理解、共感されない時、他者を攻撃してしまう。相手の弱さや不完全さを攻撃し、自分の弱さを否認しようとする」。虐待や夫婦間の暴力などで深く傷つき、学校でしつこくいじめる例も多いという。


 いじめのない社会の実現をめざすNPO法人ジェントルハートプロジェクトの武田さち子理事は「いじめは、いじめる側の問題だ。いじめられる側にも原因があるという思い込みは根強いが、それならその子がいなくなれば、いじめは終わるはず。でも、実際には別の子をいじめる」と話す。


   ■  ■ 


 福岡県飯塚市の古賀洵作さん(当時16)は、98年12月、同級生から現金を要求され、直後に自殺した。母の和子さん(57)は、いじめは人権侵害であり、ひきょうな行為だと訴えるとともに、いじめる子のつらさに向き合うことが大切だと唱えている。


 「9年間、いじめの現場をみて分かったのは、いじめる子もいじめられた経験があるということ。学校でのいじめは対象がクルクル変わり、多くの子が最終的にいじめる側に回る。でも、自分の意思通りに生きようとする子は、いじめる側に回らない


 この9年は、「いじめられる子は弱い子」という誤解を払拭(ふっしょく)する戦いだったという。


 


 ■いじめへのかかわり方と、いじめられた経験の有無はどう関係?


 ●中心になっていじめた人


 いじめられたことがある 80.7%


 いじめられたことはない 19.3


 


 ●いじめに加わった人


 いじめられたことがある 64.5


 いじめられたことはない 35.5


 


 ●面白がった・見て見ぬふりをした人


 いじめられたことがある 48.2


 いじめられたことはない 51.8


 


 ●止めようとした人


 いじめられたことがある 52.3


 いじめられたことはない 47.7


 (アスパラクラブ会員アンケートから)


 


 <アンケートの方法> 朝日新聞の無料会員サービス「アスパラクラブ」のホームページで、6月13日から18日まで実施。10代・20代対象のアンケートには2601件、親対象には8885件、教師・元教師対象には1630件の回答を得た。回答者の一部に、直接取材した。


朝日新聞 2007年08月28日


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