中学生の不登校
孤立してはいけない
昨年度、中学校を三十日以上欠席した「不登校」生徒は2・86%と過去最大の割合だった。一クラスに一人という数だ。家族だけで苦悩させず、多様な方法で対応しなくてはならない。
文部科学省によると、不登校の中学生の割合は現行の調査方式に変わった一九九一年度から増加した。二〇〇一年度に2・81%となったが、翌年度からの四年間は2・7%台にとどまっていた。
しかし、昨年度は三十五人に一人と、過去最多の割合だった。一クラスに一人は不登校の生徒がいるというのは深刻な問題だ。
学校に行こうと自宅の外に出たとたんに足が動かない。朝を迎えると吐き戻してしまう。同級生と会うのが怖い。「学校に行かなくては」との思いがあるから苦しみは深い。
親も苦悩する。登校している子の親から励ましの言葉が寄せられても圧力と感じてしまったり、近所の目や世間体を気にする親もいるだろう。子供が不登校になると、その家族が地域から疎遠になりがちだ。
不登校の児童・生徒が多いだけに、いまでは全国各地に親の会やネットワークができている。同じような境遇の人たちとつながることは救済への手だての一つとなる。家族だけで孤立しない方がいい。
不登校にはさまざまな要因がある。教育委員会や学校は生徒を復帰させるために多種多様な手をつくさなくてはならない。スクールカウンセラー体制や教育支援センター(適応指導教室)はさらに充実させるべきだし、場合によってはスクールソーシャルワーカー(学校社会福祉援助技術者)の配置も必要だろう。
夏休み明けは不登校の生徒が増える時期だ。兆候をキャッチし、早めの対応をとらなくてはならない。
文科省の調査では今回初めて、「不登校となったきっかけ」(複数回答)の項目に「いじめ」が増設された。小学生では七百五十九人、2・5%で、中学生は三千九百二十九人、3・3%だった。
これは実態を示した数字なのだろうか。昨年、全国の警察がいじめに起因する傷害などの事件で摘発・補導した中学生は三百五十二人だった。事件にまで発展したいじめの加害者数と比べると、文科省のデータは少ない感じだ。
先生と親に贈る
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