
いじめは「心配」、「克服」の例も 中高生と教育関係者ら意見交換
いじめ問題の解決に向け、県が進めている「こどもを地域で守り育てる県民運動」の東濃地区推進会議が二十四日、恵那市明智中学校で開かれた。六月に続く二回目の会合で、教育関係者と地元の中高生計約八十人が意見交換などをした。
運動は、瑞浪市など全国でいじめによる自殺が相次いだのをきっかけに本年度から県内五地域で実施。教諭とPTA、警察などで組織する「小・中・高生徒指導連携強化委員会」と青少年育成指導員らが参加している。
今回は明智中の道徳の授業を視察したのに続き、同校三年の鈴木愛未さんと中津川市第二中三年の寺嶋彰君が「友達がいたからいじめを克服できた」「あいさつが温かい社会への第一歩」とスピーチ。瑞浪市で自殺した女子生徒が通っていた塾の講師で、若者を支援する民間非営利団体(NPO)を設立した宮嶋健太郎さんも取り組みの内容を発表した。
この後、生徒と教育関係者らがグループ別に懇談。生徒らは携帯電話のメールや「裏サイト」の現状を説明しながら、「行政の相談窓口に電話をするにも勇気がいる」と率直に語り、「(問題処理に追われる)先生方の心の状態も心配」と気遣う声もあった。