
不登校、いじめ防止 広島で研究スタート 市教委に広大協力
広島市教委は、小中学校での不登校やいじめを未然に防ぐ指導方法について研究をスタートさせた。これまで、児童、生徒が不登校になったり、いじめにあったりした後の対策はあったが、予防に重点を置いた取り組みは初めて。市立小中10校を実践校に指定し、広島大の協力も得て研究を進めており、来年度中に教員向け指導プログラムを開発し、成果を全市へ広げていく。
指導プログラムの核となるのは、「子ども同士の交流」。コミュニケーションの希薄さが、いじめや不登校の要因と考えられることから、教師と子どもの間や、子ども同士の交流の場を積極的に作ることで、人間関係を築く力をつけさせることを目指す。具体的には授業やホームルームなどで、1日30分以上、グループでの意見交換や共同作業などの時間を盛り込む計画。
市教委によると、昨年度、30日以上欠席し不登校とされた子どもは小学6年の95人に対し、中学1年は217人と約2・3倍、いじめの認知件数も小学6年の25件に対し、中学1年は67件と2・7倍の開きがあった。中学進学時に人間関係の多様化など環境の変化が引き金となって、様々な問題が顕在化する「中1ギャップ」が指摘されている。
このため、実践校に指定された二葉中(東区)、井口台中(西区)、宇品中(南区)、落合中(安佐北区)の4校と、その校区内の6小学校では、小・中学校間の連携にも力点を置いて研究を進めている。
このうち宇品中では7日、中学2年の約200人が、サッカーや野球など16の部活動ごとに、宇品東小と元宇品小の6年約240人を指導しながら交流した。女子体操部でダンスを教わった宇品東小の田村菜穂さん(12)は「初めは中学校に怖いイメージを持っていたけど、中学生に優しく教えてもらった」と笑顔を見せた。同中学の立畑薫校長(54)は、「子どもたちが人間関係の作り方を学び、『自分はいなくてもいい人間だ』なんて思わなくなるようにしたい」と話した。
各実践校は週1回程度会議を開き、不登校とまでは言えなくても欠席が続いたり、様子がおかしかったりする子どもについて報告し、指導プログラムに沿った対策を講じていくという。
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