関西シンポジウム速報 

 
01 鶴見区民センター玄関 
NPO関西シンポジウム 報告
 
8月2日(土)に、NPO関西発足後初の
「いじめから子供を守ろう! シンポジウム」
が開催されました!
 
◆テーマは【いじめは許さない!】
子供たちの未来のために -学校に安全と安心を-
会場の大阪市・鶴見区民センター2Fのホールは200人の定員を超え、立ち見の方も出るほどの満員となりました。

05 会場2

 
第二部のパネルトークでは、当日参加された皆さんから寄せられた質問や意見が紹介されましたが、実際にいじめられた体験を持つ方の声もあり、関西でのいじめ問題への関心の高さや取り組みの必要性を、改めて感じました。
◆今回のシンポジウム開催にあたっては、大阪府教育委員会の後援を得ることができたことで当NPOの信用度が増し、兵庫県・尼崎市教育委員会が、同市内の全小中学校へのポスター掲示をOKしてくれました
 
 <いじまも関西シンポの詳細>
1.NPO活動状況DVDの上映
2.開会宣言
3.来費挨拶
ご自身のお子さんがいじめ被害を受けて不登校になられた体験を持つ、大阪・豊中市議会議員の栗原貴子氏から、ご挨拶をいただきました。

07 栗原貴子氏

 
また、大阪府PTA協議会会長・坂口一美(ひとみ)氏がお越しくださいました。
 
<第一部>
4.「現代のいじめの実情について」
  「NPOいじめから子供を守ろう!ネットワーク」代表 矢内筆勝

09 矢内代表 

 
 
現代のいじめは、極めて悪質で、残酷で、巧妙になっているが、子供たちは、「いじめは悪いこと」だと思わずに、遊び半分でやっている。大人が「いじめはいけない」と注意しなければいけない。
そこで、アメリカでの成功事例をお手本にして、ポスター掲示などで啓蒙を行ってきたが、今年に入ってから、全国の教育委員会の協力を得て、学校内にポスターを貼ってもらえるようになり、ついに、埼玉県では全小・中・高校に掲示することができた。現在、4千校に掲示されているが、これは全国の学校の1割強にあたる。
子供たちは、日本の国の宝です。子供たちの心を破壊するいじめを、大人は決して見過ごしてはならない。「なんとかしよう!」と、私たち大人が立ち上がって、日本中の子供たちを救う活動をしましょう!
 
5.基調講演「いじめ-どう克服するか- アメリカの対策に学ぶ」
  中京女子大学名誉教授 加藤十八氏

11 加藤十八先生

 
 
加藤十八先生は、「先ほど、“いじめ問題の専門家”と紹介されましたが、もともとは物理の教師で、高校で長年生徒指導に関わっていたが、“いじめの専門家”ではない」と前置きされつつ、いじめをなくすには、アメリカで実施されている「ゼロトレランス(寛容さなし)方式」の、規律正しさを重視した教育が必要であると、研究のためにアメリカの学校を回られた時の写真などをスライドで紹介しながら、熱心にお話しくださいました。
 
◇過去の失敗を建て直したアメリカの学校教育
1970~80年代に、アメリカでは子供中心主義の非管理教育が導入されたあと、子供たちの荒れ方はひどかったが、その後、建て直しをして、現在は非常に規律正しい学校になっている。
◇危機管理対策と善行を褒めることと
 アメリカの学校で実際に行われている対策
 ・登校時に、学校の玄関で身体検査や持ち物検査をする
 ・セキュリティオフィサー(警官)が学校を巡回する
 ・授業開始前に、国旗(国家)に忠誠を誓い、心を鎮める
 ・クラスルールを決め、それを破ったらディテイション(お仕置き)を与える
 ・キャラクター・エデュケイション(人格教育)を行う
 ・善行者を全校放送で発表して、ご褒美を与える
◇中途退学者がいないアメリカ
日本では、「嫌なら無理に行かせなくてもいい」と、中退や不登校の児童・生徒が多いが、アメリカでは、18歳までの義務教育期間の中退者はいない。
レギュラースクール(正規校)で問題を起こした生徒は、オルタナティブスクール(代替校)へ、45~90日間、あるは一つの学期の間送られる。
◇アメリカで大失敗した教育法を導入した日本
昭和63~平成3年頃に、旧文部省が「生徒の自主性主体性を尊重し、校内暴力やいじめは、校則だけに頼らずに対応する」、「頭髪、服装などは家庭のしつけの問題であって学校で指導しなければならないのか疑問を感じる」など、校則見直しの指導をした。
教育学者にも「カウンセリングによる指導」などと言っている人たちがいるが、それでは教育はできない。
◇ようやく方向転換した日本
安倍総理の時(平成18年)、文部科学省は、「生徒に対して『してはいけない事は、してはいけない』」と指導し、「ゼロトレランスとプログレッシブ・ディシプリン(段階別の規律指導)を導入する」という方針を打ち出した。
いじめなどの、問題行動や非行などに関しては、あらかじめ規則や罰則を定めておいて、それによって対処することが必要。
◇機能していない日本のいじめ対策
国は「いじめ対策費」として多額の予算を投入しているが、そのほとんどは「カウンセラー派遣」に使われており、いじめの対処に忙しいのは、現場の担任だけであるというのが実情である。
◇「いじめは必ずある」という認識が必要
いじめに関する世界的な基礎研究はほぼ終わっており、今は「いじめ対策」に重点が置かれている。
1987年にハーバード大学での研究会で発表された「いじめ防止5つのプログラム」では、「若い頃にいじめの加害者であった者が、大人になってから犯罪者になることが多い。学校でのいじめの早期防止は、社会を守ることになる」という項目がある。
いじめには、大人が介入しなければならない。「いじめの授業」によって、「いじめられたら逃げる」ことを教えるなど、被害者を訓練することも必要である。
いじめを根本的に直すには、「子供中心主義」をやめること。学校の規律を見直し、「ゼロトレランス方式」で、いじめたら必ず罰則を与える。道徳教育の見直しも必要。
 
 
<第二部>
シンガーソングライターのayanoさんが、猛暑の大阪へ駆けつけてくれました。

14 ayanoさん2 

 
「いじめから子供を守ろう!ネットワーク」のキャンペーンソング『未来、(あした)』の熱唱と皆さんの手拍子で、会場は大いに盛り上がりました。
 
 
6.パネルトーク
 「いじめは許さない!子供たちの未来のために -学校に安全と安心を-」

16 パネルトーク1

 
 コーディネーター
  井澤一明(「いじめから子供を守ろう!ネットワーク」事務長)
 パネリスト
  加藤十八氏(中京女子大学名誉教授)
  中野一秀氏(教育コンサルタント、元高校教師)
  堀田利恵氏(保護監察官)
  田圃 泉氏(いじめ体験者)
  矢内筆勝 (「いじめから子供を守ろう!ネットワーク」代表)
 
今回のパネルトークは、当日参加された皆さんから、休憩中にご質問・ご意見を書いていただき、それに対してパネラーが答える、という形で進められました。
 
まずは、最近のいじめの実態について----
○田圃(たんぼ)氏
私の息子は、運動会の練習の時に担任の先生から酷い暴力を受け、それに対して謝罪が無いばかりか、息子を無視するという態度をとられました。息子はひどいケガを負い、精神的にも大きなショックを受けたので、学校側に訴えましたが、校長をはじめ、学校ぐるみで「あれは事故でした」と隠ぺいされました。
事態が良くならないまま、日が経ちましたが、息子が「お母さん、僕のことはもういいよ。でも、ほかの子にこんなことが起きないように、僕から先生に話をする。後からくる子たちのために、学校を良くしたいから」と言って、担任の先生に話したところ、学校側の態度がガラリと代わり、心を開いて謝罪してくれたのです。
 
○堀田氏
いじめは低年齢化していて、早い子は小学校1~3年の低学年で体験しています。加害者と被害者の立場は入れ替わったりもますが、ずっと「加害者」である子は、攻撃的な傾向があります。
保護監察官として接するのは、14歳以上の子供たちですが、彼らに話を聞いてみると、
「学校では叱られたことが無かった」
「音楽室などに入れられたが、身だしなみを注意されることもなく、金髪のまま、教室でタバコも吸い放題だった」と言います。
大人になって同じことをすると警察に逮捕されるようなことが、学校内で行われています。
 
----会場からの質問「ゼロトレランスの有効性について」
○加藤氏
70~80年代のアメリカの学校は荒れ放題だった。それを、当時のレーガン大統領が「国家的な危機」であると認識した。
シアトルのタコマという町でも、生徒たちが荒れていて、教師たちも怖くて授業ができない状態だったので、教師たちが「ゼロトレランス方式を導入してほしい」と学校に訴え、実施された。「問題行動を起こした生徒は、理由のいかんを問わず放校(オルタナティブ・スクール送り)にする」という方針を実行したところ、なんと町の犯罪件数が、2千件からたった4件にまで激減した。
学者などが提唱したのではなく、現場の教師たちが行動を起こして始まったのです。
1~2名の生徒が起こす非行は、学校全体に及びます。これは、「9・11テロ」の時のニューヨーク市長であったジュリアーニ氏が導入した「破れ窓理論」です。ニューヨークは、それによって、犯罪が激減しました。
 
----同「学校では体罰が禁止されているが、どうやって子供をしつけたら良いか?」
○中野氏
学校内の力には二種類あって、一つは、子供同士の「ヨコの力」で、もう一つが、「人としてあるべき姿」を示す存在である指導者(先生)の「タテの力」です。指導者というのは、子供たちに目標を示したり、動機付けをしなければならないのですが、それを実行しようとすると、負荷がかかるので、先生が、タテではなく、「友だち関係」のようなヨコの力に流れてしまうのです。学級崩壊の原因は、先生が「タテの力」を出せないことです。
子供を叱らないと、状況は悪化してゆきます。子供たちに、善悪を一つひとつ根気よく教える必要があります。教室の中で「文化」を作り、教室の中の安全を作ってゆく努力が必要です。
○井澤
いじめの相談を受けて、多くの学校へ行っていますが、問題が起きる学校は「掃除ができていない」という共通点があります。保護者が掃除をしている、という学校もあります。
○矢内
今の学校現場には、価値基準が無い。善悪の価値判断が、原則、教えられていないのです。それは、文科省から「指導ではなく、支援をすること」という明確な指導が出ているからです。善悪の価値判断を、教師が教えていないのです。
ある中学校の道徳の先生に話を聞くと、「道徳の授業には教科書が無い」というので、どういう授業をしているのかと尋ねると、「お母さんが病気になりました。でも貧しいので薬が買えない。そこで薬を薬局から盗みました----こういう場合、どう考えればいいでしょうか」というような、モラル・ジレンマの授業をしている。
生徒たちは、それぞれに意見を出すが、先生は「いろんな意見が出ましたねえ。じゃあ、今日はここまでにします」で終わらせてしまう。
これでは、「していいことと悪いこと」が教えられず、善悪の判断ができないまま、子供たちは大人になっていこうとしています。学校内が無法地帯になっている。
「外の世界でしてはいけないことは、学校内でもやってはいけない」ということを教えなければならない。
 
----同「子供がいじめられていますが、親としてどうしたらいいか?」
○田圃氏
母親の立場から言わせていただくと、家庭は「癒しの場であるべき」だと思います。
父親が仕事のストレスから、家で母親にあたる、そうすると母親もストレスがたまって、子供にあたる、母親にあたられた子供は、学校へ行って弱い子をいじめるようになります。
いじめられている子供には、よく話を聞いてあげて、「お母さんはあなたの味方だからね」ということを伝えてあげてほしいと思います。
○井澤
まず、「親が子を守る!」という覚悟をして欲しい。
○堀田氏
学校に介入した経験がありますが、それは、いじめが「犯罪」の域に入った時です。
その時は、「5W1H」で客観的な事実を明らかにして、毅然とした態度で対処します。親が毅然とした態度で行動することが重要です。
被害者の親御さんたちに共通した思いというのは、「加害者に謝罪して欲しい」ということです。犯罪であるならば、今の法律で十分に対処できます。なぜそれが、学校内でできないのか、それがおかしいのです。
 
----同「子供のいじめに、どのようなタイミングで、どう介入すればいいのか悩む」
○中野氏
いじめの渦中にある子供たちだけでは、解決できません。
気づいたらすぐに介入してもらいたい。
私の娘も、小6の卒業間際にいじめられました。当時は今のようにケータイが無いので、手紙が大量に送りつけられてくる。それに、「キモい」「ウザい」「死ね」「消えて」とか書かれてあるのに、捨てられない。捨てたら「なんで私の大事な手紙を捨てたの?」と言われるのが怖くて、捨てられないのです。
娘の様子がおかしいので聞いたら、そういうことだったので、「よし、3日で解決する!」と決意しました。実際には10日ほどかかりましたが、子供の苦しみを早くなくしてやりたいと思った。親や先生に言えない、という子供の気持ちを分かってあげてほしいです。
それで、担任に話をしたら、「もうちょっとしたら卒業だから、我慢しておきなさい」と言われました。
こういう対処をしていると、モンスターペアレントのような、「二次クレーム被害」が起きる可能性があるが、先生にしてみれば、同僚たちから「また○○先生のクラスでいじめ?!」と責められるのが怖くて、なかなか言い出せないという事情もある。
保護者は、「絶対に解決してやる!」という覚悟が必要です。
その親の覚悟が、子供に勇気を与えます。すぐに介入してください。
 
----同「ゼロトレランス方式は日本でも可能か?」
○加藤氏
日本の教育界には「徳治主義」の傾向があって、「教師の徳によって子供を教育する」というのは美点でもあるが、昔のアメリカのように、子供に善悪の価値判断をさせていてはいけない。
アメリカでは、スクールポリスに危機管理を任せているが、駐在しているだけで荒れが止まります。アメリカの学校で、スクールボリスに「忙しいですか?」と尋ねたら、「ぜんぜんヒマです」と言っていました。
大阪市では、平野区の加美(かみ)南中学で、「ゼロトレランス」の研究をやって、実践されている先生方がいますから、一度見学に行かれてはどうですか。
 
----最後に、パネラーからひと言ずつ…
○矢内
アメリカでは、50州の内32州に「いじめ防止法」が制定されています。
5月に、埼玉県に「いじめ防止条例」制定の要望書を提出しました。
「いじめをなくす」ということを目的に、「対策プログラムを作る」「先生に研修を義務づける」「いじめをなくす授業のカリキュラムを作る」などの項目を掲げています。
「いじめは起きる」ものです。いじめがあることは悪くない。だから「いじめをなくすために努力する」ことが必要です。
○加藤氏
いじめられた子は、「いじめられた」と、先生や親に言う義務があります。
○中野氏
「いじめは犯罪」という認識を作り、価値観を変えてゆきたい。
○矢内
いくつかの学校で、子供たちに話をして回っているが、子供たちは、「していいことと悪いこと」を教えてもらいたいと思っています。そして、「いいことをしたい」「いいことをして褒めてもらいたい」と思っているのです。

22 中野・田圃

 

 

 

19 堀田・加藤 

 

 

 

18 井澤事務長 

 

 

 

 

7.閉会の挨拶

 「NPOいじめから子供を守ろう!ネットワーク関西」代表 泉 章子
 

26 泉代表

今日は、会場に200人もの方が来られて、話を聞いてくださいましたが、皆さんが、ここで聞いた話を、どうか5人の方に伝えてください。そうすれば、1000人の方が、同じ話を聞いたことになります。

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また、ポスターもたくさん掲示できるように、皆さまのご協力をお願いします。
 
(レポーター:こみや なおこ)

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[ 2008/08/06 07:07 ] 活動報告&集い | TB(0) | コメント(0)

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