海上自衛隊佐世保基地(長崎県佐世保市)配備の護衛艦「さわぎり」内で自殺した3曹(当時21歳)の両親(宮崎市)が、「自殺の原因は上官のいじめ」として、国に2000万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決が25日、福岡高裁であった。
牧弘二裁判長は、請求を棄却した1審判決を変更し、国に350万円の支払いを命じた。
原告弁護団によると、自衛官の自殺を巡る訴訟で、上官らの違法行為を認定し、賠償を命じたのは初めて。自衛官の自殺率は比較的高いと指摘されており、防衛省は新たな対応を迫られそうだ。同様の訴訟は横浜地裁などで係争中。
3曹は1997年、海自に入隊。99年3月、さわぎりに乗艦し、同年11月に艦内で自殺した。海自佐世保地方総監部は2000年2月、いじめを否定し、「職務上、要求される仕事ができず、悩んでいたことが自殺の一因」とする調査結果を公表した。
これに対し、両親は01年6月に提訴。「3曹は上官からいじめられ、うつ病になった。自殺する恐れがあったのに、上官らはそれを防ぐ安全配慮義務を怠った」と主張した。
1審・長崎地裁佐世保支部判決は、上官らが入手困難な焼酎の催促ともとれる言動をしたり、「バカかお前は。3曹失格だ」と発言したりしたことは不適切と指摘した。
しかし、「指導・教育として社会的に相当な範囲を逸脱していない。違法・不当ないじめ行為と認めるのは困難」と判断。「元気のない3曹の姿を見かけた可能性はあるが、うつ病に気づき、自殺の可能性を予見することは困難だった」として請求を棄却した。このため両親が控訴していた。(2008年8月25日13時26分 読売新聞)
昨日のこちらのブログで、「いじめを許さない教師の会」北海道代表・千葉孝司氏(中学校教師) が述べている「いじめを止める子供の割合は、学年が上がるにつれて減っ
ていき、どんどん傍観者が増えていく。それは大人に近づいていくから。大人が傍観者だから。子供の一番近くにいる教師が傍観者であることが1番の原因。」という言葉が脳裏をよぎった。
傍観者どころか、大人社会でもいじめは頻発している。この自衛官のような職場でのいじめ、家庭においても嫁姑問題は昔からあったし、最近は家庭で親が子供をいじめる虐待も増えている、、。大人だから社会で「鍛えられる」のは人間として成長していくよすがになることは多いだろうが、「行きすぎ」は何事も良くない。
ひと一人を自殺にまで追い込むほどの暴力的行為は、もはや指導とは呼べない。「行きすぎた行動をとった」と率直に反省し、被害者に謝罪をすることが大事ではないのか。。
学校でのいじめも、加害生徒は自分のした行いがどれほど相手を傷つけているのかを自覚せず、なかなか謝罪しないという現状があるが、この記事でも自分の過ちを認めることができない大人の姿が露呈されており、大人が子供たちの模範となる大切さを改めて感じると共に、いじめ問題は学校だけの問題だけではなく、社会問題なのだ、ということを再認識させられた。
その意味で、今回の「いじめを許さない教師の会」が発信した「いじめは絶対許さない。大人がしっかりするぞ!いじめの対処法をしっかり学ぼう」というメッセージは大きな意味があった、と確信する。
コメント by N.O.