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札幌シンポジウム報告 

        札幌シンポジウム報告
 
            札幌シンポジウム大成功!!
 
 
 本年10月25日(土)、午後1時30分から、「コミュニケーションと教育の接点」シンポジウムが開催されました。
札幌シンポジウム 001司会の開会の言葉 
 
今回のシンポジウムは「いじめから子供を守ろう!ネットワーク」と「日本コミュニケーション学会北海道支部」の共催で開催されたものであり、当NPOとしては、北海道で初めてのシンポジウムとなりました。
また、「いじまも」と他の学術団体と共催のシンポジウムも初めてであり、より広く啓蒙する機会となりました。
これも皆様のご協力のたまものと、心から感謝いたします。
 
会場の北海道医療大学サテライトキャンパス中研修室は、札幌はじめ北海道の「いじまも」サポーター、教育関係者、学会の研究者の方、学生等で、ほぼ満員。
会場受付では、プログラム等の他に「いじまも」のポスター、パンフレット、チラシをお配りしましたので、学会の研究者の方にも「いじまも」を知って頂くことが出来ました。
シンポジウムには北海道教育委員会と札幌市教育委員会から後援を頂きました。
以下、シンポジウムの様子を簡単にご報告いたします。
 
◆活動DVDの上映
◆開会の言葉    司会・塚越博史氏(北海道医療大学教授)
◆開会挨拶「現代のいじめの実情について」
    矢内筆勝(「いじめから子供を守ろう!ネットワーク」代表)
札幌シンポジウム 004矢内代表開会挨拶  
私は自分の子供が実際にいじめられて、いじめ問題に関心を持つに至った。現代のいじめの実態を知ってそれが昔のいじめと全く異なる状況であることに気づき、「いじめから子供を守ろう! ネットワーク」を立ち上げた。会の活動には、①シンポジウム開催やポスター掲示等、いじめ問題の啓蒙、②電話相談、メール相談を含むいじめ相談、いじめ問題の解決、③教育改革、の三つの柱がある。いじめは昔からあった、いじめを経て人間は強くなる等の意見があるが、現代のいじめは昔のいじめとは異なり、極めて悪質で、残酷で、巧妙であり、その多くが犯罪に該たる。現在の学校教育では、子供はしていいことと悪いことの善悪の区別を教えてもらうことなく、そのまま大人になってしまう。私たち大人が「いじめは絶対に許さない」という毅然とした態度をとることで、いじめがなくなるし、子供たちに善悪を教えることができる。
 
◆基調講演「いじめ-どう克服するか-アメリカの対策に学ぶ」
加藤十八氏(中京女子大学名誉教授)

札幌シンポジウム 008基調講演加藤氏

 
いじめの世界的権威であるノルウェーのダン・オルウエズ博士の最新論文を紹介したい。この論文は、スカンジナビアで15万人以上に調査した結果、いじめに全く関与しない生徒は10%に過ぎず、ほとんどがいじめたり、いじめられたりを経験している、としている。また、いじめの原因は、成績の競争による学校でのプレッシャーなどによるという、ありきたりの意見は正確ではなく、1.性格が凶暴である、2.きれやすい、などの性格を持つ子供がいじめを行なうのであり、このことを明らかにすべきである、と報告している。
いじめ防止には、監視、生徒とのミーティング等、子供だけに任せず、大人がいじめ問題に取り組まなければならない。適切なプログラムを持てば、いじめを縮小できる。とダン・オルウエズ博士は論文で述べている。私はこの意見に賛成である。
 
(次に、加藤氏が研究のために渡米した際に、アメリカ各地の学校で撮影した写真を映して、アメリカのいじめ防止対策等を語られました)。

札幌シンポジウム 011アメリカの学校のスライド1

 
 
 アメリカの学校では、規律や善悪を教えており、たとえば、別教室に皆で移動するときは2列に並んで黙って移動する。そして、生徒が良いことをすれば誉め、悪いことをすれば、別教室に出すなどのお仕置き、さらには正規校ではなく、オルタナティブスクールで勉強させるなどの措置がとられる。このような教育は厳しいようだが、このような制度があっても一般の生徒には影響はなく、むしろ一般の生徒が勉強する環境を守っている。
 
(また、シンポジウムのために新たに作ってくださった「いじめを考える」というパワーポイントを用いて、いじめについて語られました)。

札幌シンポジウム 020加藤氏とパワーポイント

いじめは、学校規律と規範意識の乱れが原因ともなっている。学校規律を正す方法としてアメリカで採用された「ゼロトレランス(寛容さなし)方式」がある。ただ、現在のアメリカでは、ゼロトレランスよりも、「プログレッシブディシプリン(段階的累積的指導)」が採用されている。これは、「割れ窓理論」のように小さな違反を見逃さず、すぐに罰する、違反が重なれば罰を重くする、という教育方法である。さらに規範意識の醸成のためには善悪の判断を教えることが大切である。貧しさから泥棒をする行為をどう考えるか、などを生徒に問う、善悪をはっきりさせない「モラルジレンマ法」は排除すべきである。
いじめに対する考え方として、嫌がらせ(ハラスメント)は必ずある、しかし、いじめられて「生きる力」が出るなどという議論は間違いであり、健全な人間性の発展が大事である。学校は社会と違ってはならない。学校は自由と民主主義社会の経験の場であり、規則と自己責任の経験の場である。と述べられました。
 
◆パネルトーク「いじめは必ず克服できる!」
コーディネーター:塚越博史氏(北海道医療大学教授)
パネリスト:加藤十八氏(中京女子大学名誉教授)
二ノ田仙彦氏(札幌市学校教護協会幹事長)
矢内筆勝(「いじめから子供を守ろう!ネットワーク」代表)
井澤一明(「いじめから子供を守ろう!ネットワーク」事務長)

札幌シンポジウム 029パネルトーク2

札幌シンポジウム 052パネルトーク3 

札幌シンポジウム 041パネルトーク5
  
札幌シンポジウム 053パネルトーク4 
 
二ノ田氏は、現職の中学校の教諭でもあり、札幌市内の中学校の実態を語られました。
パネルトークでは、ゼロトレランス方式が日本の実情にあうかなど、が語られました。さらに、会場の参加者から質問を受けつけました。参加者が挙手して、各パネリストに直接に質問し、各パネリストが直接に回答しました。
 
パネルトークの後は、コミュニケーション学会の研修者からの発表がなされ、今回のシンポジウムは大変に学術的な雰囲気のうちに開催されました。
札幌シンポジウム 046聴衆 

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[ 2008/11/01 12:44 ] 活動報告&集い | TB(0) | コメント(2)

若者を育てて下さい!お願いします!

素晴らしいシンポジウムですね。様々な教育指導者が立ち上がってこの問題に取り組んでいるのは感動的です。

ただ、一つだけお願いがあります。どうか、若い世代の指導者を育ててあげて下さい。大学生、新卒、新米教師、この問題の核に触れていくには、若い世代の指導者の力がいると思います。

なぜか、それは、この時代の子供たちは生まれた時からデジタル・テクノロジー、サイバーネット世界に囲まれて育ったネット&テクノロジー原住民世代。方や、今の35歳以上の世代は学校で、仕事場でテクノロジーを駆使して生きる事を後から学んだネット&テクノロジー移住民世代。この二つの世代の間には目に見えない大きな溝があります。それを埋めてくれるのが、今の一番若い世代の教育指導者です。彼らをこの問題の解決者となるべく、育てていって欲しいと願う次第です。

期待しています。
[ 2009/10/26 14:16 ] [ 編集 ]

はじめまして。
記憶術 絶技!! のけんしろうともうします。
いじめ問題について、積極的に活動されているのですね。
大切な問題ですので、そういった問題意識を子どもや大人が持っていけるようになればと思います。
応援クリックさせていただきました。
[ 2008/11/02 00:37 ] [ 編集 ]

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