都教委が優秀教員をリクルートへ
地方と提携、共通試験で“救済”
団塊世代の大量退職に伴い、教員の大量確保を目指す東京都教育委員会が、採用試験などで地方の教育委員会と協定を結び、全国規模で教員確保に乗り出す方針であることが19日、分かった。
地方教委と試験日や受験問題を共通にすることで、競争率の高い地方枠で落ちても、成績次第で都教委の選考に合格できる仕組みだ。こうした試みは全国初で平成23年度の導入を目指す。首都圏では採用試験の倍率が低下し、優秀な人材確保が課題だけに、都教委の取り組みは論議を呼びそうだ。
都教委によると、現在、都内の公立学校は約2200校。教員は約5万9000人いるが、これから10~15年にわたって毎年2000人以上の大量退職が続く見込みという。特に小学校教員が多く、採用実績も12年には350人だったが、21年には1350人と急増している。
都教委では、今後の採用は「公立学校全体で毎年2300人くらい」とみているが、一方で、採用試験の競争率は下がっており、21年度の都内の小学校教員の競争率は2・5倍だった。首都圏でも同様で、神奈川では2・6倍、埼玉は2・8倍、千葉でも2・9倍と、人材の質と量の確保は深刻な問題となっている。
これに対し、地方の競争率は高く、鳥取27・7倍、秋田22・2倍、青森19・7倍、岩手14・7倍、長崎13・7倍などで、首都圏より児童数の激しい減少に加え、中途退職する教員が少ないことなどが“狭き門”になる理由とみられる。
こうした地域事情を踏まえ、都教委では競争率の高い地方の教委と個別に協定を結び、共通の採用試験を実施することで全国から教員を採用するための本格検討に乗り出した。
仮に、受験生が共通問題で第1希望の地元教委の1次選考に漏れたとしても、ある程度の「成績」次第では、都教委の2次選考に進むことができるのが最大の特徴だ。さらに、採用後は「東京でキャリアを積んで、将来的には地元に帰れるシステムの構築も目指したい」(担当者)としている。
人材確保に向けて都教委では、これまでに、東北地方に在住する小学校教員志望者を対象に都内公立小学校の日帰り見学ツアーを開催し、東京の教育現場をPR。さらに、7月には、大学受験における「地方試験」と同様に仙台市で初めて採用の1次選考を行う。
こうした地方試験は、埼玉や千葉、横浜市なども東北地方で実施しているが、「首都の強みや待遇面で勝る東京の地方進出は驚異。学生の争奪戦はますますエスカレートする」(教育関係者)との声も上がる。
都教委幹部は「東京の児童や生徒は今後も増加傾向にある。教員の大量退職が続く中、採用教員の質と量は保たなければならない」と危機感を強めている。
【2009年5月20日産経新聞】

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