児童虐待 先生向けマニュアル…文科省作成
児童虐待を早期に発見し、被害児童へのサポートをすみやかに進めようと、文部科学省が初めて教職員向けの教材を作成した。
児童虐待は福祉の問題と考えられがちだが、教職員は学校で子供たちの異変に気づきやすい立場にあり、正確な知識を身につけることで適切な対応を取れるようにする狙いがある。
教材は、児童虐待に関する基礎知識を紹介する「基礎編」と、虐待がありそうだと思った場合にどんな行動を取るべきかを示す「実践編」から成る。
基礎編では、虐待を受けた子供が学校でとる行動の特徴として、〈1〉教職員らに極端に甘え、ささいなことで攻撃的になる〈2〉暴行や暴言など家庭で親に受けたのと同じ行為を同級生に行う〈3〉落ち着いて物事を考えられず学習内容が定着しない〈4〉万引きや火遊びを何度も繰り返す――などを例示。教職員がこうした行為を見かけて「不自然だ」などと感じた場合には、そのままにせず継続的に観察するようアドバイスしている。
実践編では、学校に虐待を疑われる子供がいた場合、たとえ確証がなくても、疑いがあれば児童相談所へ相談するよう求めている。子供に事情を聞く際には、「お母さんがたたいたんでしょ」といった誘導的な質問や、「答えてくれるまで教室に帰さない」といったきつい言葉を使わないよう例示した。
また、1人の教師が問題を抱え込んでしまうと判断ミスや思い込みにつながりやすいので、養護教諭やスクールカウンセラーもまじえて学校全体で対応することの重要性を強調。実際に虐待が判明した児童に対しては、「学校が安全な場所と感じられるように接する」とした。
厚生労働省の調査では、全国の児童相談所が受理した児童虐待の相談件数は1999年度に1万件を突破。その後も年々増加し2007年度は約4万件に上った。教育関係者の間では、いじめや校内暴力、不登校の背景にも児童虐待があるとの指摘がある。文科省は負の連鎖を断ち切るには教職員の役割が大きいとして、内容を収録したCD―ROMを3月までに都道府県教委を通して配布する予定だ。
教材作りにかかわった宮城教育大の関口博久教授(児童精神医学)は「教職員が一から学習できる内容になっている。学校側が自覚を持って、虐待の早期把握に取り組めば多くの子供たちが救われる」と期待している。(渡辺光彦)
【2009年2月20日 読売新聞】

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