長野シンポジウム、ご報告♪ 

いじめから子供を守ろう! シンポジウム
長野県大会  ご報告


 2009年5/16(土)“日本のおヘソ”長野県諏訪市(諏訪市文化センター)において、長野県下では初の「いじめから子供を守ろう!シンポジウム」が開催されました。シンポジウムの様子を、私、「いじめから子供を守ろう! ネットワーク」長野県代表・中村健二がご報告させていただきます。

090612 のぼり

090612 入り口

090612 受付

 当日の会場は、“教育県長野”を象徴し、教育に関心の高い方々600名以上も集う大集会となりました。実は、終了後2週間が経つ現在も、「次回の予定は?」との問い合わせが続いております。
 地元ケーブルTV局(LCV)や、地元新聞社(長野日報、信濃毎日新聞、諏訪市民新聞、“おはよう”)等のマスコミ報道陣も取材に駆けつけ、その模様が後に報道されました。(LCVニュースは現在もインターネットで配信中)(^^)v 
090612  長野県議
 冒頭は、当ネットワークにおける全国活動DVDの上映で始まり… 

 続いて来賓の長野県県議会議員の今井あつし先生のご挨拶では、「国家百年の大義を考えると、この問題は決して外せない問題である」と、いじめ問題が、日本の未来にとっていかに深刻な問題であるかが訴えかけられました。

 次に井澤一明「いじめから子供を守ろう! ネットワーク」代表挨拶では、江戸時代から、日本一寺子屋の数が多かったと云われている「教育県長野」で、この度、子供を守るためのシンポジウムが開催されるということは、大いなる意味があるのではないかと語りました。

 
090612 井澤


さらに、現代のいじめの実情と、その深刻さを、具体的事例とともに紹介。そして、現在までに、「いじめは犯罪!絶対にゆるさない!」のポスターが、全国の多くの小中高等学校に掲示されていることも紹介されました。





090612 観客


 そして第一部のメイン、ヤンキー先生こと義家弘介先生の基調講演。
演題『君はひとりじゃない!』と題して情熱あふれるメッセージが贈られました。

090612 義家たて
 様々な実態を持つ“いじめ”。3年前は連日報道で「いじめはいけない!」と、マスコミや、新聞で騒がれていたが、今は過去にあった出来事のようになってしまった。しかし、いじめは、現在もなお、子供を育てる場(学校)で行なわれている。現実はまったく変わっていない。「いじめは、いかなる理由があろうとも絶対にゆるさない。それが、どんなに悲しいことであるか判らぬならば、朝まででも君達に徹底的に伝えよう。生涯消えないような心の傷を相手に負わせて良い理由などない。まずそれを心に刻んでほしい。…」と、若者達へメッセージが投げかけられました。

 昨年、恐ろしく過激な内容をはらんだ曲(歌詞)でも、平気で全国ロードショーの主題歌として使われてしまった事例をあげ、「それらを見聞きする若者達への影響も考えた上で大人達や社会はまず、教育再生を1からスタートすべきである。苦しんでいる人間が「苦しんでいる!」と言えない世の中をつくったのは大人達である。」そして、いじめられている子供達を先生や大人が守れない教育構造として、次のようにご説明されました。

…いじめている生徒といじめられている生徒では明らかに加害者側の生徒の方が多い。ゆえにクラスの影響力も加害者側が握っている。そこへ教師がホームルームで「いじめは絶対ゆるさない!」などと厳しく指導をしたとしてもそのクラス中のほとんどの生徒から“総スカン”に遭ってしまうし、子供(加害者側)の断片的な話しか聞いていない保護者達も『うちの子は先生に嫌われているのだろう』ぐらいにしか思って貰えないと分かっているだけに教師は手を出したがらない。ゆえに、加害者側に“教育”をするのではなくヤサシク諭すだけ(懺悔させない)となる。更に、『チクられた』加害者側は反省がないため被害者に更なる報復を始める図式となる。…と指摘。

090611 義家

 教師は、『たとえクラス全体から反目に遭おうとも駄目なものは「ダメ!」、ならぬものは「ならぬ!」と教える覚悟』を持つべきなのだ。しかしそれを放棄し、あちこちに迎合しているうちにそのコントロールは不能となり学級崩壊を招く。結果、真っ当な子供達の学びの場まで失われる。教師がいじめ問題解決のために介入する場合、本気で介入してこそ、その本気さが伝わる。いじめに加担した生徒だとて大切な生徒であることには違いない。その子供達にこの問題の悲しさを教育すべき。

 現代の悪質な事件や、現代の青少年問題、モンスターペアレントは現代の教育が創り出している。“駄目なものはダメ、ならぬものはならぬ”人としてあるべき姿を一切語らない戦後教育の罪はあらゆる場面で影を落としている。ニートという悲しい問題に対しても、「もう充分に頑張ったのだから、頑張らなくていい」などとアドバイスする人もいるが、それは、「そのまま苦しんでいなさい」と言っているのと同じこと。また、『ゆとり教育』というのも、簡単に言えばドレミも教えず「作曲をしろ」という無責任な教育に他ならない。「人は、昨日までの罪を背負い続けながらも夢に向かって生きていくためには自らが成長して行かなければならないのが現実なのだから「頑張らなくてもよい」などという“綺麗な言葉”は実は残酷な教育である。現在は、『価値観の押し付け』を嫌う考えも増え、二宮金次郎像を置く学校もわずか1%ほどになってしまったが、彼(二宮尊徳)の遺した『努力して学び、公共のために頑張れば幸福になれる』という報徳の思想は正しく伝え続けなかればならない。」ということを、自らが“どん底の状態”から “学び”を通じて立ち直った体験談も織り込みながら熱く語られました。

090612 義家右
 教師の世界では、本当の正義のために走り回る先生ほど妬まれたり、陰口を言われて浮いてしまうが、そこに対して「駄目なものはダメ」と言える権限の持ち主を教育委員や校長、市議会議員、政治家などに立てないと『正直者が馬鹿を見る教育現場』が、作られて行く。その象徴が愛知県半田市で起きた中学生による『先生を流産させる会事件』。“犯罪” と“いじめ”の区別もつかない曖昧な環境の中できちんとしたことも教えられず、いじめられた子はしっかりと守ってももらえず、卒業証書を手にしているのが現状である。…これが、いじめが無くならない学校現場の実態である…と指摘。

 いじめを解決する一番大切な方法は、『小さなダメ』の状態を発見すること。

 いじめは“大人の見ていない場所”で起きているので、教師は休み時間に生徒用のトイレを使うなどして眼を光らせるべき。『駄目なことを「ダメ」と言われる環境』を。道徳も教科化すべき。そして、「いじめがはびこり、駄目な事を「ダメ」とも言えない学校や家庭は不幸な子供しか育てられない。」と断言されました。

090612  義家登場
 講演の最後は、魯迅の『故郷』にある最後の一節を用いながら…
『志を同じくする多くの者達の一歩が、この地に重なるならば、子供達の目の前には必ず希望へと続く道が拓かれるだろう』と締めくくられました。

第二部はキャンペーンソングayanoさんの『未来、(あした)』での始まりました。


090612 あやの小
090611 あやの

 続いてパネルディスカッション。
 テーマは『今、大人たちができること』 「いじめは絶対にゆるさない!子供達の未来のために ~学校に安全と安心を~ 」

コーディネーターは、田中順子先生 : 法政大学講師
パネリストの皆様は以下の方々です。
義家弘介先生 : いじまもアドバイザー、元内閣官房教育再生会議担当室 室長
森口朗先生 : 教育評論家
藤原由美子さん : いじめ被害者の保護者の代表として
伏見之孝先生 : 現職中学校教諭
井澤一明 : いじめから子供を守ろう!ネットワーク代表

090611 パネル

田中 : マスコミ報道がなくなった今、いじめ問題は終わったかのように思われている反面実態は何も変っていない。“いじめ”は『見よう』と意識しなければ見えず、判りにくいため、このトークがそのきっかけになればと思います。
090612 田中氏マイク

090612 森口
森口 : 現代のいじめ被害者のタイプは “典型的弱い子”ばかりでなく、スポーツ万能な子、頭の良い子、喧嘩の強い子、ヤクザの子…まで対象になって多種多様。また、テレビでの“いじられキャラ的な存在”と洗脳されていて、被害者本人も意識していないが、実は深く傷ついているケースもあり大変認識しづらい。手段においても、ネット、売春サイト系へ成りすましの書き込み、アイコラ…など多様。さらに、加害者の意識も非常に軽薄で、罪の意識を持っていない。イメージとしては、(教室内で)4~5月がTVのバラエティー番組に出て来るキャラ(キャラクター)の取り合い状態。そこで、キャラ作りに失敗したKY(空気が読めない)の子がいじめに遭っている。

田中 : 周りの者が見かねて訴え出るような酷いいじめに遭っていても、思春期の子供達の多くは『親や家族に心配をさせたくない』と考え、又は、次の報復を恐れるばかりに『いじめられている』と認めず、申し出てな来ないほうが多い。 ゆえに、本人から相談がないという事で“証拠”が無い事を理由に、気付いていても「いじめは無かった」とか、『本人の責任だ』という主張が通ってしまっている。

藤原 : 授業参観ではじめて娘の異変に気付いた。それまで娘は我慢して何も言わなかったので知らなかったが、ほとんどクラスメイトから酷いいじめを受けており、残りの2~3人は見てみぬ振り。止めに入る者は誰もおらず、担任も対応が悪いうえ遅い。一年間は我慢して登校したが、頼りの校長、教頭は他校に異動し、教科担任も変わり…不登校に。娘は精神が不安定になり、子供返りするように…。私も見ていて辛い…。
納得できないのは、いじめの加害者は学校で当たり前のように授業を受けらる環境が用意されているのに対し、『世の中のために頑張りたい』と願っている娘は学校にも行かれなくなってしまったこと。
090612 藤原3人

伏見 : いじめのとらえ方の問題は、周りの人間が『これぐらいはいじめではないだろう』と考える事が多い。しかし、加害者側は“見えない場所”で、実に巧妙な手口を使って『いじめではない』かのように見せかけている。入学したばかりの中学1年生は、4~5月にかけて自然に数人の仲良しグループを結成しようとするが、その際『自分を気に入って欲しい』という思いの反面『自分だけで他はどうでもよい』という思いからいじめが発生しやすい。

田中 : 母親は、たった一日の授業参観日の空気でいじめを発覚できたのに、なぜ毎日接している先生には気付けないのでしょう。

090612 義家パネル
義家 : 中学生以上になると教科担任制となるために、自分の受け持ちのクラスだからといっても教科によっては授業を持っていない場合も往往にしてありうるため、難しい場合もある。しかし、体育の授業を観察すると子供達の人間関係が顕著に判る…1時間目から6時間目まで6人の先生方と連携するとよいと思う。
 『いじめは絶対許さない』をスタートラインにすること。そして、学級委員長に正のリーダーをつくり、5月までにサポート体制をつくる。真っ当な先生が報われる環境作りが必要。全員の教師にカリスマ性やリーダーシップを求めるのではなく、連係プレーが出来るようにすると善い。

田中 : …そんな中、「いじめから子供を守ろう! ネットワーク」ではどんな活動をしていますか?

090612 井澤パネル

井澤 : 大半のいじめは、学校が中心に発生しており、ネットなどにも派生している。「いじめから子供を守ろう! ネットワーク」としては、ポスター掲示活動の他に“いじめ防止法”、“いじめ防止条例”の制定を提言しています。

田中 : ここからは、『では、どうしたらいじめが止まるか』を考えましょう…

藤原 : いじめの発生時には早期対応すべきだと思う。また加害者に対しては、場合によっては出席停止等の処分も必要。教師は生徒に善悪を教え、謝罪させることが必要。さらに、未来を育むという点で、この問題を『他人事』ではなく一人一人が取り組んでこの運動を広げていくことが望ましい。

田中 : 被害者の心は深く傷ついているが、学校側は『犯人探しをしない』『処罰してしまうのではなく、(加害者を)立ち直らせる教育的指導をする』と言う先生も多いなか、では「被害者はどうする」の問題について…

090612 伏見
伏見 : いじめ解決と言えるには段階がある。…(ここからは実例を元に話された。)
事件発覚後、志を同じくする先生方の協力とともに加害側生徒を同時に個別室へ呼び出す。被害者への報復を避けるため『誰が言ったのか』は加害者に絶対に伝えない。その後、教師が集まり検証。…目的は被害者が安心して学校に戻って来られる環境をつくるため。加害側の自己満足に終わらぬよう安易な形での謝罪は絶対にさせない。心から反省の涙を流せるようになるまで教育する。…保護者との対話。

田中 : 安心して通える学校を取り戻すために必要なことは…

義家 : いじめ加害者とは必ず一対一で対応。頑張る教師の足かせになるのは、自らの天下り先の確保のため保守的になっている校長。歳若く頑張っている先生が校長となり、10年くらいのビジョンを持って出来ることが望ましい。せっかく生徒のことを覚えた担任が続けて教育できる環境が必要。見て見ぬ振りをしている生徒に『それは罪である』と情をもって教育する。被害者にとっても、安心して成長し、勉強が出来る場所であることが大切。常に保護者と連絡を取り合っていることで学年全体に伝わる。

森口 : いじめ防止条例の中によい先生のノウハウ等も盛り込み、いじめの対処法の研修を義務化するなどして教師全員が対応出来るようにするとよい。 いじめを隠蔽する校長等には罰則規定も必要。戦後の価値相対主義の教育で、『優れた者』に対し尊敬しないような風潮があるが反省が必要。

井澤 : …まず、今、“学校”で何が起きているか、どんな教え方や、道徳規範をもっているかもっと多くの人に関心を持っていただけたら幸いです。

田中 : 最後にメッセージを。

藤原 : 私達一人一人『いじめから子供を守ろう!』という思いで関心を持ちましょう。

伏見 : 子供達の世代で事件が起きたからといって、それで絶望してしまうのではなく、諦めないで、彼らの心に響く何か訴えることで、彼らも世の中を変えていくはずと信じています。

森口 : 今、“旬”とは言えない“いじめ問題”の会合にお集まり頂いた皆さまに感謝と敬意を表します。若い先生は辞めかけの先生と異なり、まだまっ白く、汚染されていません。そういう先生を皆で守り、育てましょう。

090612 義家3人

義家 : 今、この会場に来ている子供達へ。これからの人生で『誰も信じられない、誰も頼れない、そのような孤独な時』もあるだろう。しかしその時、今日のこの場所に真剣な、真っ当なたくさんの大人がいたことを想い出して欲しい。諦めず、大声をあげた時に、君の想いを必ず誰かがキャッチしてくれるだろう。「お前達は俺の“夢”だ」お前達を困らせる如何なるものに対しても俺は闘ってやる。お前達を守れるものならば、この人生総てを投げ出してやる。だから、諦めて自らの手で自分の人生を断つことだけは決してしないで欲しい。そして皆さん、子供達を“我々の夢”として守ってあげましょう。

井澤 : 『私がお前(子供達)を守る!』と自分の子や周りの子供達に声をかけてやって欲しい。

090612 田中笑い 田中 : いじめはこの国の、そして、人類の未来を奪ってしまいます。被害者は夢を失い取り戻すために大変な労力を伴い、加害者はそのまま大人になり同じことをするでしょう。いじめを止められなかった子供達は、大人になっても自分の利益だけを考える人間になるでしょう。子供の世界のいじめが止められなかった。そしてそのまま大人の社会が出来上がった。そう考えると“関係ない人”など誰もいないはずです。自分には関係ないと思う人こそ、実は自分の利益のためではないから
強いのです。せめて、そういう人達が『いじめはいけない、救わなければいけない』といって行動を起こしてこそ社会が変わって行きます。『自分なんか…』と思わずに、今日から一歩を刻んで行きましょう。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 続いて、シンポジウムのきっかけとなったエピソードの紹介がありました。
090612 中村
 …ある少年が、クラスで起きていたいじめを止めようとして…加害者となっていた友人と関係がもつれ学校を辞めてしまいました。少年はやり場の無いその想いをインターネットのあるサイトに投稿し悲痛な叫びを訴え、答えを求めておりました。
 しかし、絶望していた少年の胸に希望が宿り復活。ネットの中で、「いじまも!長野県代表」のコメント(投稿)を見つけベストアンサーに。また、自分を励ます多くの存在がある事をを知り彼は生まれ変わったのです。
 彼のコメントの一部です。『…もう過去は変えられないし学校にも戻れませんが、僕はその学校の教師を目指して頑張ろうと思います。色々な子供達のために自分の人生を捧げたいと思います。本当にありがとうございました。』

 閉会の言葉は、私、いじまも!長野県代表 中村健二が挨拶させていただきました。

 …この日をきっかけに長野県民が本気で立ち上がろうとしている実感を掴みました。明らかに善い方向へと進みつつあります。これからもいじめ根絶への動きを推し進め、正義の通る学校を一日も早く取り戻し、子供達に素晴らしい希望の未来を贈り届けたいと願っています。 

報告 「いじめから子供を守ろう!ネットワーク」長野県代表 中村健二
Photo by Masanobu Mimura
   & by Tadashi Muroga

 

 

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[ 2009/05/31 19:00 ] 活動報告&集い | TB(0) | コメント(1)

ayanoさんの歌

CD出ませんかね?。それからオンラインでも購入できるようにして欲しいですね。
[ 2009/06/12 22:50 ] [ 編集 ]

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