いじめから子供を守ろう! シンポジウム
いじめは絶対に許さない!勇気と知恵が子供を守る
深い愛に支えられた毅然とした精神に 感動! 去る6月6日(土)、神戸ポートアイランドにある国際会議場において、「いじめから子供を守ろう!シンポジウム『いじめは絶対に許さない!勇気と知恵が子供を守る』」が開催されました。
朝からの曇天も、開催時間が近づくにつれ晴れ渡り、多くの方々の祝福と期待を感じさせる素晴らしいスタートになりました。


12時の開場とともに来場者が続々と入場、最終的には690人の方にご参加いただきました。
今回はホールとは別室に母子スペース設けられ、子供たちがはしゃぎ回る中でも、モニターテレビを通じて多くのお母さんたちが演者の話に聞き入ることができました。
開会宣言の後、この集いに駆けつけられた議員の方々の内お2人から、ご挨拶をいただきました。
浦上忠文議員は、50年前足の不自由だった友人に関わるエピソードにふれられ、「神戸教育委員会の教育目標は、“人は人によって人になる”という言葉です。現代は、そういった考え方が薄くなっている。しかし、そのような時代の課題を、どう考えて、変えてゆこうか?それを考えて行動することが、人間の喜びであり、また社会の仕事ではないか?世の中が元気になるように、今日は勉強させていただきたい」と語られました。

村野誠一議員は、 「いじめも震災と同じく初動活動が大事。市の文教経済委員として、いじめ問題にも積極的に取り組んできた。その中で感じたことは、大人の信用の問題。必ずいじめを解決してくれると信じられる大人がいれば、子供はいじめを告白することができる。そして、いじめは絶対駄目だ!ということを大人が毅然としてメッセージを発しなければいけない。大人自身が卑怯な社会をつくっているようでは説得力がない。”私のような大人になりなさい“と自らの背中を見せれるように、まず大人が変わらねばならない」とメッセージを発されました。
続いて、いじめから子供を守ろうネットワークの井澤一明代表より、
「いじめを無くしたい。子供たちを救いたい。子供たちの力になりたい。私たちの団体へは、保護者のみならず、学校教師、そして議員の先生も、そういった熱い思いで集っていただいています。しかし、いじめは減らないのです。寄せられた相談は、2年で1千件の電話相談。メールを含むやりとりは、3~4千件及んでいます。今、いじめはあまりマスコミに報道されなくなっていますが、決して無くなったわけではありません。むしろ、陰に潜み、さらに陰湿化、陰険化、悪質・残虐な方向に動いてさえいる。私どもは、現実に相談を受ける中で、そのように認識している」
現在のいじめの実態について具体的な事例を話し、
「今の子供たちは、人が苦しむ姿を見て喜ぶ子供が増えました」という、恐るべき現状報告。
「そこで、私どもといたしましては、いじめ防止条例、いじめ防止法として、いじめはいけないのだということを社会のルールとして、全国民・市民の皆様に認識していただけるように、それも学校に特化したいじめ防止条例として作ってゆきたい。それをお願いしています。被害者が、そして、現場の教師が、共通のルール、その共通基盤を持ちたい。それが、今、私たちが願うものです」
いよいよ、今回の基調講演、いじめ問題に関して活発に講演、行動をしておられる義家弘介先生(元教育再生会議担当室室長、参議院議員)が登壇。「君はひとりじゃない」と題して、熱烈なお話をいただきました。

「昔あれほど騒いでおきながら、今、新聞で、テレビで、いじめについて扱うことは皆無に等しい。抜本的解決の方法を示さず、ただ大変だと騒ぎ立て、やがて『そんなこともあったね』と流れてしまう世論に対して、多くの子供たちが失望している。そのことを受け止めなければならない」
「いじめか、いじめでないのかという前に、はっきりさせなければならないことがあるだろう。弱いものを虐げることは許さん。見て見ぬふりをしていることは人として恥である。正しいことを正しいと言えずして何が人間か。もしも力があるならば守ってやらなければならない。いじめは絶対に許さない。その前提があいまいの中で、子供の信用は得られない」
義家先生ご自身の具体的な体験をいくつか語られ、実体験を踏まえた生徒たちとの生の触れ合いを語っていただきました。
子育て四訓、さらに、茨木のり子さんの“自分の感受性ぐらい”という詩、ご自身の座右の銘をご披露されたのち、この会場に足を運んだ若者たち、子供たちに対して、熱いメッセージを伝えられました。
「これから先の人生で、誰も信じられなくなる日がきっとあるだろう。裏切りの前でひざまづき 足さえ見えなくなる瞬間がきっとあることだろう。でも、その日が来たならば、今日この場所この会場で考えたことを、大人たちの姿を思い出してみて欲しい。みんなのまわりには、今出会っていないだけで、こんなにもたくさんのいじめを憎む、“いじめを許さない”と、真に考える大人たちがいるんだということを、そして、大きな声をあげてほしい。だれかが必ず君たちのその叫びをキャッチしてみせるから。
お前たちは、俺の夢だ。お前たちの輝きを守るためなら、この救われた人生、いつでも投げ出そう。お前たちは、この会場にいるすべての大人たちの夢だということを忘れずに。今、不満があるなら、今日より少しでも不満の無い明日のために、一緒に歩いてゆこう。何度でも言ってやる、お前たちは俺の夢だ!」

会場では義家先生の情熱に打たれ、涙を流して聞き入る方もおられました。これをあなたたちの勇気にして欲しい!という、義家先生の熱く力強い思いに、会場の参加皆の心が呼応し、素晴らしい共感が館内いっぱいに広がってゆくのが感ぜられました。
第二部
第一部の感動の余波が冷めやらぬ中、第二部、パネルトークが始まりました。
パネリストは、義家弘介先生、教育コンサルタントの中野一秀さん、いじめ克服を体験された帽田智子さん、そして、ネットワーク代表の井澤一明。そして、コーディネーターは、法政大学講師である田中順子さんが務められました。

パネルトークに先立って、現実にいじめ被害にあった中学生のA君が登場、田中順子さんのインタビューに答え、勇気をもって自分のいじめの体験を話してくれました。

続いて、A君のいじめ克服に関わった帽田智子さんから、事なかれ主義で、無意識に責任を回避する教育現場の現状や、いじめ被害者の側に責任転嫁して被害者の口封じをするという隠蔽体質の現実が語られました。
中野一秀さんは、以前は、人間の尊厳を否定するようないじめを甘んじて受け入れた生徒に対して、なぜ戦わないのか、と思った。しかし、彼らは洗脳されている部分があるのだとわかった。いじめられる側にもいじめの原因があるとか言う意見があるが、そこが分からないことが原因である、と指摘。

それに対して義家先生からは、教員が駄目なものを駄目と頑張ると、往々にして孤立してしまう。それに耐えきれない教員は、生徒と妥協し始め、問題を避け隠蔽するようになる。親がそれに抵抗しようとすると、問題が大きくなってしまうので、PTAからの親いじめが始まったりする。問題解決には、共通の物差しが必要である。

井澤代表は、正しいことは正しい、間違っていることは間違っている、これを学校でしっかり教えていないことに根本的な原因がある。このような現状において、自分の子供がいじめられたら、その現実から親は逃げないこと、そして、子供を信じ、お父さん、お母さんがお前を命懸けで守るからと子供に宣言し、子供を守り抜くことが大切、と。
中野さんからは、大人の世界の価値観が、子供に大きく影響をしている。嫉妬社会、嫉妬心がいじめの大きな原因となっている。お互いに祝福できるような教育が必要。
義家先生は、父権、父親、なぜか男性、ご主人の姿が見えてこない。世間体があるから、仕事が忙しいから、子供たちの自主性に任せておけば解決するだろうと安易に考え、逃げを打っている。父は、子が乗り越えるべき壁として存在することが必要だと。

いじめ問題が、今、日本の国自体に“気概”が失われている姿と、非常にダブってくることが理解されました。いじめ問題の根は深く、それは、この国の在り方、そして、戦後教育の中で大切なものが失われてきたことが明確になったのではないでしょうか。
今回のシンポジウムには、数多くの議員の方々、市民の方々にご参加いただきました。是非とも、思いを共有する人々が力を合わせて、いじめ防止条例、いじめ防止法を制定し、教育現場に立ちこめる暗雲を払拭してゆく力となることを、心から願うものであります。
“ならぬものはならぬ”という厳しさ、それは、人間としての気概であり、また国家としての気概そのものであり、そのような深い愛に支えられた毅然とした精神が、会場全体に大きな感動をもたらしていました。

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