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増える自殺 子どもに何が・・・ 

特集ワイド
増える自殺 子どもに何が…


 子どもの自殺が増加傾向にある。今月、国が公表した2008年の学生・生徒の自殺者数は972人で、1978年の調査開始以来過去最多となった。子どもたちに何が起きているのだろうか。【山寺香、根本太一】
縮小自殺グラフ
 「自殺対策白書」によると、08年に自殺した学生・生徒の内訳は▽小学生9人▽中学生74人▽高校生225人▽大学生536人▽専修学校生等128人だ。昨年よりも99人多い。
 原因・動機については▽学校問題337人▽健康問題284人▽家庭問題81人▽男女問題77人▽その他73人だった。
縮小自殺動機
 若者に接する大人たちはどう考えているのか。
 「感じない子ども こころを扱えない大人」(集英社新書)の著者で、カウンセリングルーム「プリメイラ」代表の袰岩(ほろいわ)奈々さんは、「死にたい」という多くの学生の相談を受けたことがある。子どもの自殺が増え始めた00年ごろから数年間、都内の大学の学生相談室でカウンセラーを務めた。

 袰岩さんは学生たちのことを「寄る辺のない子どもたち」と呼ぶ。「深刻なうつ症状を呈しながらも『親には絶対に言わないで』と言う学生が多くて驚いた。自分の弱さや駄目さ、ネガティブな感情を家族に出せない。優しい母親、頼りになる父親、かわいい子どもという家族の楽しい雰囲気を乱してはいけないと思っているようです。自分で何とかしないと……と強く思っているので、何とかできない自分には価値が無く『死ぬしかない』となってしまう。聞いていて本当に痛々しい」

 袰岩さんは理由の一つとして、親世代の心理的安定度の低さを挙げる。子どもの気持ちが揺れると親がそれ以上に動揺し、子どもが思い悩む余地やネガティブな感情を吐き出す余地を与えないというのだ。「本来親には取り乱す子どもを『何とかなるよ』となだめる幅が必要だが、それが低下している。家庭は、子どもが学校などで感じた傷つきや落ち込みを治す場所でもある。社会全体がギスギスする中で親の余裕が失われれば、そういった思いを家族間で吸収することができなくなってしまう」

 親子や夫婦の家庭問題を取材している作家、石川結貴さんも「自分の理想を押しつける親が増え、可愛らしさ、優しさ、強さ、賢さなど多くのことを求めすぎるようになった。すると、子どもは親に気に入ってもらうために自分を使い分けるんです。親が今どんな自分を求めているかを探ってキャラ替えする」という。子どもは学校用、先生用、親用とキャラクターを使い分けているが、親は鈍感だから気づかないのだという。「『うちの子はこんないい子なのよ』って決めつけるから、親に悩みを言えなくなり家庭に居場所がない。自己肯定感が低くなり、家庭にとって親にとって本当に自分が必要とされているという実感が無い子が多くなるのです」
  ■
 08年の子どもの自殺の特徴に、硫化水素自殺の多さがある。警察庁によると、07年中に硫化水素で自殺した人は29人。08年になると1056人に急増した。年齢別に見ると、年齢が低いほど硫化水素を用いる率が高く19歳以下では17・5%、20代では14・0%に達している。

 子どもの自殺に詳しい精神科医で防衛医科大教授の高橋祥友さんは「子どもは暗示にかかりやすく、報道などの影響を特に強く受ける。実際に、昨年の硫化水素自殺は報道が相次いだ5月にピークを迎え、その後は減少した。四川大地震が起きてメディアの関心が移ったことが無関係ではないだろう」と指摘し、具体的な手段を事細かに報道しない配慮が必要だという。
 それにしても、子どもたちが一線を越えてしまうのはどうしてだろうか。
 「一線を越えるというよりもむしろ一線がない。我々が思っているよりもハードルは高くはないのではないか」と話すのは、プレーパークせたがや理事で大正大学人間学部特命教授の天野秀昭さんだ。遊びをとおして子どもたちとかかわってきた体験から「10代の自殺者は『死にたい』と強く思って死んでいるのではないと思う。生きている実感が乏しく『生きなくてもいいかな』って思ってしまう。風景で例えるなら、天気のいい日には鮮やかに照らし出される部分と影の部分がくっきりしているが、曇りの日には境界がぼんやりしている。命もそんな感じなのではないか」

 大人が決めた時間割に従い、大人が選んだ塾に通い、時には「安全のために」とGPS(全地球測位システム)携帯を持たされる子どもを、天野さんは「主体を乗っ取られた子ども」という。

 「人からの評価によって自分を保つことになり、自分がどうしたいのかが分からない。自分を生きているという実感は感じにくくなる。生きている実感があれば、一線を越える時に生と死を強烈に意識するが、それがぼやけているのではないか」
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 高橋さんは「最初に子どもの自殺が大幅に増えたのは98年。大人の自殺が急増した年でもある」と指摘する。国内の自殺者数は、山一証券など大型破綻(はたん)が相次いだ翌年の98年に一挙に約8000人以上増え初めて3万人を突破。その後08年まで11年連続で3万人を超えている。子どもは大人ほど直接的に経済的要因にさらされることはないが、子どもの自殺も大人の変化と無関係ではないと高橋さんは言う。

「98年は中高年の自殺者が急増した。自分の親くらいの年代の自殺者が増え、未成年も同じくらいの割合で増加した。子どもの自殺は家族の病理を表すと考えれば、親が動揺している時期に子どもの自殺が増えてもまったくおかしくない。社会の閉塞(へいそく)感が大人だけでなく子どもにまで及んでいることの表れではないでしょうか」

 そして一つの例を挙げた。
「例えば小さな商店をやっている家で、近くにスーパーができて経営が苦しいなんて話を両親がしているとする。それを聞いた子どもは翌朝からご飯を食べる量を減らしたりするんです。私たちが考えているよりも、子どもは大人に起きていることにすごく敏感に反応するんですよ」

 今年の全国の自殺者数は9月までに2万4846人で、過去最多を記録しかねないペースで推移している。国は長引く不況で年末に向けて自殺者が増えることを警戒し、失業者向けに心の健康相談窓口を設ける緊急対策を実施する。民間団体が行う遺族への聞き取り調査などで大人の自殺の実態解明は始まっているが、子どもの自殺に関してはまだない。高橋さんは子どもの自殺予防について「個々のケースについて原因を詳しく分析するシステムを作ることが第一歩だ」と話している。

【2009年11月27日 毎日新聞】

 

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目の前の子どものためにできること。

「09年版自殺対策白書」には、子どもの自殺を減らすには、子どもが悩みを打ち明けたいときに打ち明けられるシステムづくりが重要、と記載されていますが、以下の記事では、子どもの声に耳を傾けられる大人が増えれば、「システム」に頼らずとも、孤独な子どもや悩みを抱える子が減っていくのでは、という提案がなされています。

子どもの自殺が増える日本。いま、目の前の子どものためにできること。
http://greenz.jp/2009/12/01/childline/

身近な子どもの話に耳を傾け、受け止めてあげること。大切だと思います。
[ 2009/12/04 13:38 ] [ 編集 ]

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