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平成20年度「いじめ認知件数」の発表について 事務長メッセージ 

平成20年度「いじめ認知件数」の発表について

先日11月30日に、文部科学省から平成20年度「児童生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査」が発表されました。
(http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/21/11/1287227.htm に記載)

この調査発表によりますと、小・中・高・特別支援学校における、
いじめの認知件数は約8万5千件、
前年度(約10万1千件)より約1万6千件減少(約16%減)、
前々年度(約12万5千件)より約4万件減少(約32%減)しております。

この発表が、真実ならば、私たちとしても、とても喜ばしい事だと思います。
しかしながら、同時に、小・中・高等学校における、
暴力行為の発生件数は約6万件と3年連続で増加しており、
(前年度約5万3千件、前々年度約4万5千件)
小・中学校においては、過去最高の件数に上るとの発表でした。

皆さんは、この結果を見て、どう感じられますでしょうか?
私はとても違和感を感じました。

【いじめ認知件数減少の不思議】

今回の発表で、いじめ認知件数がトップになったのは熊本県でした。
その件数は、7,053件(千人当たりの認知件数 32.7件)、
そして、生徒間の暴力件数は、181件でした。

この結果に対して熊本県教育委員会は自信を持って、次のように答えています。
「実態を把握できているということ。いじめを見つけられない方が問題であり、
県内の状況が悪いとは考えていない」と発表していました。
実は、熊本県においては、暴力行為の千人当たりの発生件数は1.4件で
全国平均の4.2件を大きく下回っているのです。
いじめをきちんと把握し、その対処をすることにより、
いじめが暴力行為に発展することを未然に防ぐことが出来ているのではないでしょうか。


では、暴力行為が過去最高の件数になっているにもかかわらず、
なぜいじめ認知件数が減っているのでしょうか?
暴力行為のすべてとは言いませんが、いじめの延長線上に暴力行為が存在する可能性は、
非常に高いと思われます。
その可能性から考えると、決していじめ件数は減っているとは思えないのです。

また、いじめの様態の中に、「ひどくぶつかられたり、叩かれたり、蹴られたりする」という
項目があるのですが、この件数が、5千8百件程なのです。
生徒間暴力の件数である、3万2千件から考えても、
この数字の開きは、とてもおかしいと思いませんか?

積極的にいじめを見つける努力をしている学校ほど認知件数が多い傾向があり、
都道府県別の1000人当たりの認知件数は最大40倍の開きがあります。
また、「いじめゼロ」だった学校は、個別面談や家庭訪問の実施率が低い傾向にありました。
「仲間から心理的・物理的な攻撃を受け苦痛を感じる」などとする
文科省が示す定義の解釈は学校や教育委員会によって温度差があり、
結果が実態を反映しているかどうかはとても不透明だと言えます。
まだまだ、学校のいじめ認知に関する考え方が正しい方向に向いていない現状では、
文科省がいじめ認知件数を発表しても、各教育委員会の体質を改善しなければ、
いじめ問題の解消には、程遠いものと思います。

【いじめ対処が出来ない学校】

さらにもっと大きな問題がこの発表には潜んでいました。
それは、個々のいじめへの対応です。
いじめる児童生徒への対応として、本来、最も大切にすべき行為であると思われる、
「いじめられた児童生徒やその保護者に対する謝罪の指導」という項目が
4割にも満たない
状況でした。
それに引き換え、「学級担任や他の教職員が状況を聞く」という項目が
トップの8割以上にもなっています。
指導をするところまでいかず、状況を聞くというレベルで終わってしまっているのです。
また、対応方法で最も回答が多かった項目が、私たちが最もしてはいけない行為としている、
「当該いじめについて、被害、加害双方の児童生徒同士の話し合いを実施」
という項目であり、
実に半数近くの件数でした。
児童生徒同士の話し合いがなぜ危険かといいますと、
力の強い加害者が力の弱い被害者を追い詰めてしまう結果になってしまうからです。
加害者が自分の行為を棚に上げ、被害者のここが悪いからいけないんだ、
というように加害者が被害者を攻め立てる場になってしまう
のです。
その結果、被害者が次の日から不登校になってしまうという事例が何件もあります。
いじめに対する本当の対処を、まだまだ学校現場はわかっていないことに、悲しみを感じます。
報告数字では、いじめが解消しているという項目が8割を越していますが、
「状況を聞く」と言うレベルの行為で、いじめが解消したと判断している現場の甘さが伺える報告です。

今回の報告を踏まえ、まだまだ私たちの活動を
広げていかないといけないと、痛切に感じました。
この報告の裏に、誰にも何も言えなくて、一人、耐え忍んでいる子供がたくさんいるのです。
一日でも早く、この子供達を救えるよう、がんばっていきたいと思います。
皆様のご協力も、よろしくお願いいたします。

いじめから子供を守ろう!ネットワーク
事務長 丸山秀和

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[ 2009/12/03 14:30 ] メッセージ | TB(0) | コメント(0)

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