「いじめを許さない教師の会」全国大会 ご報告 昨年12月19日(土)、「いじめを許さない教師の会」全国大会が、東京都大田区のライフコミュニティ西馬込で開催されました。同教師の会は「いじめから子供を守ろう! ネットワーク」の協力団体です。
大寒波による大雪で、前日に北海道から来る予定だった、千葉孝司氏の乗る飛行機が欠航となり、シンポジウム開始ぎりぎりに会場に到着するなどのハプニングもありましたが、年末の忙しい時期にもかかわらず、会場は来場者で満席となりました。学校現場の教員がいじめ問題に立ち上がったことに対する国民の期待の大きさがうかがわれます。
以下、「いじめを許さない教師の会」の教員・明石さんからの報告です。

【写真】多くの教育関係者、保護者の方々が参集されました。

【写真】司会から開会宣言

【写真】「いじめを許さない教師の会」東京代表・濱島美佐子氏より開会の挨拶
講演「いじめ問題で教師に期待すること」
全国から集った教師の発表に先駆け、最初に「NPOいじめから子供を守ろう!ネットワーク」代表の井澤一明氏より、 「いじめ問題で教師に期待すること」としてお話をいただきました。 「NPOいじめから子供を守ろう!ネットワーク」は設立3年間で2000件以上のいじめ相談を受け、その8割を解決してきた団体です。

【写真】「いじめから子供を守ろう! ネットワーク」井澤一明代表の講演
井澤氏は「いじめの大半が学校内で起こっている以上、現場教師の強力なしに解決することはできない」と教師の責任と立場の重さを強調。にもかかわらず、いじめの解決法を知らない教師が大半なので、教師には対応の仕方を学んで欲しいと訴えた。また、いじめ被害者のケアも重要であるが、加害者と向きあう教師が少ないという指摘もあった。
いじめ防止実践報告「ネットの世界で、今何が起きているのか」
携帯電話やパソコンのネットを利用したいじめの増加・深刻化が進んでいることを受け、「全国Webカウンセリング協議会」ネットいじめ対応アドバイザーでもある、高等学校教諭・大和剛彦氏から、大人が知らないネットいじめの詳細な現状と対処法についての発表があった。

【写真】大和剛彦氏の報告。パワーポイントを使用。

大和氏によれば、ネットいじめは匿名性が高く、親や教師が知らないうちに悪化し、自殺にまで至ってしまう危険性がある。大人がネット関連の知識を積極的に身につけ理解しないとたちうちできない状態であるという。
具体的にネット系用語の解説や隠語、自己紹介サイトの現実が紹介された。無料サイトに書き込んだ個人情報がつなぎ合わされ個人の特定が可能になるなどの、危険防止のためのフィルタリングの重要性を強調された。
いじめ防止実践報告「いじめを1秒でなくす方法」
中学校教諭・千葉孝司氏からは、実際に小学生向けに講演した際の実践が報告された。
千葉氏はいじめ防止のためには日常から以下の留意点があるとする。
①生徒・保護者・教師の意識を変える
「いじめは加害者が100%悪い」「いじめは犯罪」
②規律指導と人間関係つくり
「いじめが生まれない学級風土」
③いじめ発見のシステム化
傍観者を動かす アンケートや通報
子供は自分に自信があればいじめをしない。小学生に語りかけた言葉として「いじめる人は幼稚でみじめ」「いじめられても立派な人になれる。いじめた人は立派になれない」などが紹介された。また千葉氏はいじめを大人に報告することは卑怯ではなく、いじめは犯罪なのだと子供達に伝えることの重要性を強調した。

【写真】報告をする千葉孝司氏。

いじめ防止実践報告「いじめをなくす50のルール」
続いて小学校教諭のTY氏から日常の実践を中心に報告があった。
同氏は毎日帰りの会で、楽しかったこと、ためになったことを記入させ、1日を振り返る時間を設けている。「納得の積み重ね」が子供の落ち着きにつながった経験を話すと共に、自尊感情を高めてやることがいじめ防止につながるとした。
「困っている人を助けよう」「気持ちのよい拍手をしよう」など「いじめをなくす50のルール」も紹介された。
パネルディスカッション「いじめ防止の必要性について」
第2部として「いじめを許さない教師の会」から、第1部の発表者大和剛彦氏、千葉孝司氏に加え、代表の後藤克彦氏、東京代表濱島美佐子氏、埼玉代表陶山直子氏、それに「いじめから子供を守ろう! ネットワーク」の井澤一明氏の計6名によるパネルディスカッションが行われた。

後藤氏からは、「いじめを許さない教師の会」の紹介と「いじめ防止法」の骨格が説明された。いじめは教師として絶対に許さない、絶対に被害者を守るという強い思いが述べられた。
陶山氏は5年前に赴任した小学校で、これまでに出会ったことのないような歯が立たない児童達の様子を紹介。善悪の感覚が麻痺している小学生には、毅然とした指導が必要であり、その基準としてのいじめ防止法の必要性を訴えた。
濱島氏も勤務した中学校での、規範意識を生徒達に身につけさせた経験を話し、ゼロトレランスが有効であったと報告。家庭ばかりでなく学校の教育力が低下している日本では、いじめ防止法が必要ではないかと話した。
大和氏は多くの現場教師がいじめの対処法を知らないので、いじめ防止法がその指針となりうるとし、成立のための世論形成の重要性を強調。またプロ意識をもった教師の育成も重要であるとした。
千葉氏は「いじめ防止法」の成立により、いじめをなくすために大人が本気であるということを示し、防止法が指導の武器となると期待しているとした。
井澤氏は「いじめプログラム」によりいじめが減少したアメリカでの事例を紹介。日本では「いじめ防止法」成立が、それに相当するとした。そして「いじめは犯罪」という認識が共通ルールにならなければならないと強調。

【写真】「いじめを許さない教師の会」を紹介する陶山直子氏
また陶山氏は教師の会の案内の中で、第2部のテーマであった「いじめ防止法」の重要性に加え、教育界の浄化の必要性を訴えた。
最後に後藤会長から、いじめによる自殺者が一人も出ない国にしたいという強い決意で締め括られた。

【写真】後藤克彦「いじめを許さない教師の会」会長の閉会の言葉。強い決意を述べた。

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