小学教科書、ゆとり決別
文科省検定、2011年度から25%増ページ 
文部科学省は30日、2011年度から小学校で使用される教科書の検定結果を発表した。
「ゆとり」が特徴だった学習指導要領を全面改定し、学習内容を充実させた新指導要領に基づく初めての教科書で、学力低下不安から内容を増やした現行教科書と比べ、平均ページ数は全体で25%、算数で33%、理科で37%増えた。基礎の反復や実験、観察も増え、情報を使いこなす力、思考力、表現力の向上も意識された。日本の伝統文化も多く盛り込んだ。
教科書の内容は、ゆとり教育を反映した00年度検定の教科書(02年度供給)で大幅に削減。03年度検定(05年度供給)で要領を超えた「発展的記述」を取り入れて増やされたが、今回の検定で
「ゆとり」から完全に決別した。ただ、教える内容の選択が現場に委ねられた面もあり、今後は授業時間の確保や教師の質向上が課題となる。

今回の09年度検定で合格した小学校教科書は9教科の計148点。各教科ともページ数を増やし、特に主要教科で質量とも充実した。00年度と比べると、平均ページ数は全体で43%、理科と算数で67%増。理数、社会では、標準的なB5判より横に長い「AB判」が、現行の7倍の42冊に増えた。
国語では、新聞記事の編集の仕方や書き方に注意して読むことを通じ、言語能力を高めようとする活動が登場。
社会では、インターネット上の情報が正確か否かを読み解く力などを身に着けるページが充実した。
応用力を問う「国際学習到達度調査(PISA)」で日本の子供の成績が低下したことを意識し、生活に即した場面で知識を活用する問題が算数などで増えた。
円周率は、場合によっては3で計算することも認めているが、誤解を避けるため、新教科書では「円周率は3・14」と明記するように求められた。
社会5年の全教科書に日本と韓国の間で領有権を巡り争いがある竹島が取り上げられた。一部で地図上の帰属があいまいとの検定意見が付され、修正で韓国との国境線が加筆された。
検定意見は5551件で、03年度検定からほぼ倍増したが、記述の誤りなどの指摘が多かった。また「発展」は、新要領自体の内容が増えたため減少した。今回の検定では、審議経過をまとめた議事概要なども公表され、透明化が進んだ。
◆学習指導要領 文科省が示す学習内容、授業時間などの基準。08年3月告示の新しい指導要領(小中学校版)は、現行要領を大幅に見直し、内容、授業時間とも約40年ぶりに増やした。全面実施は小学が11年度、中学が12年度からだが、一部先行実施されている。
【2010年3月31日 読売新聞】
【写真】東京・文京区のお茶の水女子大で理科の観察や実験の研修を受ける教員たち(29日)=竹田津敦史撮影

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