教員免許更新時に必修 大学の講習 縮小・見送り
民主党が制度廃止を検討 代替策見えず教員困惑 教員免許の更新制度で義務化された講習を請け負う大学の免許更新講座が迷走している。昨年度から始まったばかりだが、
民主党が今年度限りでの
廃止を検討しているためで、各地で講座縮小や開講見送りが相次いでいる。教員の質向上に向けた
代替策の見通しも不透明。文部科学省は「法改正までは現行制度で」との方針を変えず、受講する教員側は困惑している。
「現段階では、2010年度の講習は実施しない」。09年度は通信制で269入を受け入れた早稲田大(東京・新宿)のホームページに3月12日こんなお知らせが出た。
「このまま進めると混乱を招きかねない」として、
文科省の新方針が出るまで様子見を続ける方針。大東文化大(同・板橋)や足利短大(栃木県足利市)なども今年度の開講見送りを決めた。
甲南大(神戸市)は講習対象者に必修の実施科目を8科目から6科目、定員も225人から165人に減らした。「廃止か、継続か?」。教授会でも議論を重ねたが「制度の先行きが不透明」として定員減にとどめた。
文科省によると、昨年度は通信制を除き250大学が必修の講習を実施し、9万9709人の枠があった。今年度は209大学が約6万人を受け入れる方向で準備しているが昨年度の6割程度となっているのが現状だ。
大学側の腰が重いのは、昨年度ですら大幅な定員割れを起こすなどして中止となる講習が相次いだためだ。ある私大関係者は「教材準備などで負担は大きく、定員割れで赤字になった大学も多い。今の状況では積極的に取り組む大学は少ないだろう」と分析。各地で定員割れが相次いだ法科大学院と同じ轍(てつ)を踏むことを恐れる。
昨年の衆院選で制度の中止方針を打ち出した民主党だが、具体的な手続きは進んでいない。「いつ廃止になるのか?」と全国の教育委員会や大学から問い合わせが文科省に殺到している。文科省は昨年10月、「法律改正が行われるまでは現行制度が有効」とする通知を出し、混乱の収拾を図ったが、弥縫(びほう)策にとどまっている。
民主党は教職大学院で学んだ教員に「専門免許状」を与える新たな制度を検討。現在の更新制度で手続きを済ませた教員の救済策も検討しているが、
代替制度の法案も出ていない状態だ。
東京都内のある男性教員は
「早く方針を固めてくれないと判断に困る。受講側のことも考えて」。別の男性教員は
「最も無駄な税金の使い方をしている」と困惑している。
▼教員免許更新制度子供の学力低下や教員の質の低下などを指摘する声を受け、自公連立政権が昨年度から導入。現職教員らが対象で、35、45、55歳に連する前の2年間で30時間以上の講習受講を義務付けた。制度の抜本見直しを掲げる民主党政権誕生で、本年度限りで廃止となる公算が大きくなった。新規対象となる教員の間では受講を見送る動きもある。
【2010年5月12日 日本経済新聞 イラストも】

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