高校生、授業「脱落」4人に1人 PTA調査
地域・家庭出』学習支援必要 高校生の4人に1人が「授業が難しくてついていけない」と感じていることが、全国高等学校PTA連合会の調査で分かった。小学生時代から“脱落”し続けている生徒も目立つ。研究者は「授業を理解できていない生徒が予想以上に多い。教師が幼少時から一人ひとりに目を配るとともに、家庭や地域で学び直しを支援する必要がある」と指摘している。
同連合会は文部科学省の委託事業として高校生の意識や生活を調査しており、昨年秋に全国の普通・専門学科高校など45校の2年生に質問票を配布、6119人にアンケートした(有効回答率99.2%)。
授業についていけないことがあるか尋ねたところ、「毎回」「よくある」と答えたのは男子で計26.3%、女子で計28.3%。「時々ある」も含めると、6割前後の生徒が授業の理解に苦労している。完全に理解できるとする割合は男子で10.6%、女子は5.8%にすぎなかった。
ついていけなくなった時期は高1が最多で、男子が30.3%、女子が34.3%だった。続いて中2が男子で14.4%、女子は16.3%で多かった。小学生時代を挙げた生徒は男子で計6.1%、女子で計7.5%おり、早い段階でついていけなくなったまま高校に入る子も多いことが浮き彫りになった。
生活実態では、
帰宅後の勉強を「まったくしない」生徒が男子で53.0%、女子は43.9%に。
勉強している生徒の平均時間は男女とも1日当たり1.6時間だった。
一方、
携帯電話は男子の93.0%、女子の96.4%が持ち、
1日の平均使用時間(画面を見ているだけも含む)は男子が2.8時間、女子が4.2時間に達した。
分析した京都大大学院の木原雅子准教授は「予想以上に多い。家庭での勉強習慣がない子が増えている可能性があり、高校に入った途端につまずくのではないか」と指摘。「小中学校でのきめ細かい指導に加え、つまずいた子も勉強をやり直せる仕組みを地域でつくるべきだ」と話している。
【2010年5月31日 日本経済新聞】
大学生、授業出ても携帯・私語
東大の全国大学教員調査
「自宅で勉強せず」と認識 授業にはまじめに出席するが、携帯電話や私語が多く、家ではほとんど勉強しない―。少子化と入学定員の拡大による「大学全入時代」が到来する中、大学教員が学生の低い学習意欲に苦慮している状況が5日、東大の研究グループが行った調査で分かった。
中教審が近年、大学側に求めている成績評価や卒業認定の厳格化が高い出席率につながっているとみられるが、学習意欲に直結していない問題点が浮かび上がった形だ。
調査は2月、
全国の国公私立大で授業を担当している教員約1万7千人を抽出、質問票を郵送して実施。31%の
約5300人から回答があった。
教員に、自身が担当する授業の出席率を尋ねたところ、平均で86%と高い数字だった。
学生の「就職活動」や「アルバイト」が授業の「大きな障害になる」「障害になる」と答えたのが各53%だったのに対し、
「授業中の携帯電話・私語」は64%。学生の欠席よりも出席した上での態度に教員は不満を持っているようだ。
また、
授業の予復習に学生が週何時間使うことを想定しているかとの質問では
「1時間」が44%、「2時間」が27%。ただ、学生の状況からうかがえる
学習時間については58%が「不十分」、14%が「極めて不十分」としており、授業以外ではほとんど勉強していないとみていることも垣間見えた。
学生の学力について「専門分野の基礎的理解」では68%が、「国語の読み書き」では50%が不十分」または「極めて不十分」と回答。学生の8割以上が授業内容を理解するのが教員の平均的な目標だが、実際には6割程度しか理解していないという回答だった。
授業の力点として、「学問の基礎」を「非常に重要」「重要」と答えた教員が98%に上ったが、「最先端の研究成果に触れさせる」は65%にとどまった。
◆意欲向上目指し情報交換・研究を
調査を担当した元東大大学院教育学研究科長で国立大学財務・経営センターの金子元久研究部長の話 中教審が厳格な成績評価を求め、各大学で学生の出席管理を強化していることから、出席率自体は高くなっているのだろうが、学生の学習意欲向上に結び付いていない点が問題だ。大学は千差万別で、一律的な解決策はないが、学習意欲の向上に成果を上げている大学もあり、大学同士が相互に情報交換、研究していくような取り組みが必要だろう。
【2010年6月5日 日本経済新聞】

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