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命の大切さを学ぶ教室、全国に広がる 

100612 葉

命の大切さを学ぶ教室:
犯罪被害者遺族、講師に 
中高生10万人受講―09年度


◇広がる「命の教室」

 犯罪被害者の遺族を講師に招く中学・高校の課外授業が全国に広がっている。
 学校と都道府県警が提携して実施する「命の大切さを学ぶ教室」で、本格始動した09年度は36都道府県で10万5708人が受講した。
 受講者へのアンケートには被害者に対する共感の芽生えが浮かんでおり、警察庁は「命の教室」を拡大する方針だ。【鮎川耕史】

 2月5日、福島県伊達市の私立聖光学院高校で開かれた「命の教室」の講師に、岩手県二戸市の大崎礼子さん(47)が招かれた。
「あの朝、登校前に見せた最後の笑顔が忘れられません」。

 小学1年だった長女・涼香(りょうか)ちゃんは00年11月28日、計9人で登校中、県道に突っ込んできた軽トラックにはねられ死亡した。大崎さんは一緒にいた2人の兄の証言を交え「あの時」を再現。
 小学6年だった長兄は「どうしてくれるんですか」と加害者に食い下がった。小学4年だった次兄は一瞬意識がとぎれ、気がついたら自分のそばに妹が倒れていた。「次兄が『涼香』と呼んでも、足がわずかに動いただけでした」。
 事故では他に1人が死亡し6人がけがをした。
 軽トラックを運転していた当時63歳の男性は飲酒のうえでの居眠り運転で、業務上過失致死傷罪などで懲役4年の実刑に。大崎さんは飲酒運転の厳罰化を求めて署名運動を行い、01年の危険運転致死傷罪創設につながった。
 でも、2人の兄は「妹を救えなかった」ことを悔やみ続けた。

 「家族の心の傷は消えない。どうか加害者にはならないでください」。大崎さんは講演をそう結んだ。
 同校の根本寿実教諭(48)は「涙を流す生徒もいた。身近に起こりうることだと受け止めていた」と振り返る。

 「命の教室」は警察庁が08年度に5府県のモデル事業として始め、09年度に本格化。同年度の講演は36都道府県で延べ288回にのぼる。
 犯罪被害者遺族の体験を通じ、被害者や遺族の「痛み」への理解を中・高生に広めるのが狙いだ。

 受講した中学生約4500人に福島県警が行ったアンケートでは受講前に「命の大切さを考えたことがある」と答えた生徒は約70%だったが、受講後は約95%の生徒が「命を大切にしなければならないと感じた」と回答。
 「死にたいと思うことがあったが、ダメだと思った」「残された方のつらさは無限だ」などの感想も寄せられた。
 大阪府警が生徒や保護者ら約3600人から集めたアンケートでも85%が「命について考えるきっかけになった」と答えている。
【2010年6月11日 毎日新聞夕刊】

※ このような授業によって、他の人の心の痛みに「共感」する心を育てることが、「いじめ」防止には大切ですね。

 

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