東京新聞よりいじめ防止を要望
被害者の会 千葉県教委皮切りに全国へ

安全配慮義務の徹底を求め、申し入れ書を手渡す大沢さん(中)=県庁で |
いじめを苦に自殺した子どもの遺族らでつくる「いじめ被害者の会」代表の大沢秀明さん(62)=大分県佐伯市=が十六日、県教育委員会を訪れ、いじめをなくすため、学校の安全配慮義務の徹底を求める申し入れ書を提出した。
大沢さんらは昨年十月、文部科学省に安全配慮義務の徹底を申し入れたものの、その後の調査で、各都道府県教委に対し指示が徹底されていないことが分かったという。このため、大沢さんが各都道府県教委を直接訪れて申し入れることを決めた。千葉県は一番目の要請先となった。
申し入れ書は「子どもがいじめられていると訴えても、いじめをいじめととらえない。調べもしないで仲良くしなさいと指導する。保護者にも『トラブル』だからという理由で伝えない」などと批判。「学校であったことを保護者に知らせてほしい」などとしている。
大沢さんは「安全配慮義務に基づいて、教諭はいじめの原因を究明し、事態に応じた適切な措置を講じなければならない」と訴え、「文科省に任せていても仕方ないので自分で提出することにした」と話した。今後、二十日間ほどかけて妻の園子さん(63)と二人で全国の都道府県教委を訪ねるという。
大沢さんの四男は、福岡県の旧城島町(現久留米市)で一九九六年、中学三年生のときに、いじめを苦に十五歳で自殺した。 (林容史)